
在宅医療の最前線で活躍する訪問看護師へのインタビューシリーズ。今回は「株式会社フレアス 訪問看護ステーション宇都宮」に勤務する二井谷愛莉さんを取材。訪問看護のやりがいや大変さ、思いについて伺いました。
現在午前中1~2件、午後2件程度の1日に平均3~4件、利用者さま宅を訪問しています。多いときは5件ほど回ることもありますね。車で市内のほぼ全域を回っています。ほかにも、さくら市や高根沢町、また少し遠いところだと、芳賀町など市街にも何件か訪問に行くこともあります。
当ステーションは担当制を導入しており、現在スタッフ1人あたりの担当は10名から15名程度です。ただ当日のスケジュールの都合もあるので、担当以外のスタッフが受け持つこともあります。しかし、大きな支援内容の変更や、担当者会議などがあるときは担当が出るようになります。利用者さまは慢性期疾患のご高齢の方や、ターミナル期に差し掛かっており、ご自宅で過ごされたい方、精神科の方も3分の1程度いらっしゃいます。
患者さま一人ひとりに寄り添った看護がしたいと思ったからです。私が新卒で勤めていたのは慢性期疾患を扱う病棟でしたが、病院が急性期だったため、バタバタすることが多く一人の患者さまに集中して関わる時間がなかなか作れませんでした。そんななか、訪問看護の経験を持つ師長に、訪問看護の仕事内容や退院支援のお話などをいろいろ伺ったんです。段々と訪問看護に興味を持ちはじめ、自分のやりたい看護と合っているのではないかと感じました。
ただ、その時点ではキャリアに迷いがあったため、すぐには訪問看護の道へ進まず、病院を退職後は皮膚科クリニックへ転職しました。その後、皮膚科についてもう少し勉強をするか迷いながらも、当時の師長のお話を思い出して、訪問看護師になろうと決めました。
はい。自分1人で訪問先に向かうのはとても不安に感じました。病院では先生や先輩が隣にいてすぐに確認でき、応援を呼べるという安心感があったからです。もちろん訪問看護でも、先生方やステーションにいるスタッフと連絡は取りやすくなっていますが、心配でしたね。
しかし、実際に訪問に行くとご自宅ということもあってか、利用者さまがとてもリラックスされていて、そういった雰囲気に自分が安心することが多くありました。また、スタッフとの連絡はとてもスムーズに取れているので、今は不安に感じることはないです。

利用者さまが安心して在宅で過ごされる姿を見ると、良い方向に向かえたのかなと実感でき、やりがいを感じます。最近ようやく一歩引いて全体を見れるようになってきたので、気づけた点なのですが、状態が安定しない方や、在宅になってまだ日数が浅い方は、ご本人もご家族も含めて少し落ち着かない感じがします。しかし、訪問看護やヘルパーサービス、通所の介護などの支援がもろもろ整って慣れてくると、利用者さまの表情がほぐれていく瞬間があります。それを見ると、私自身も安心しますね。
また、看護師としての勉強という点でも、面白さを実感しています。病棟にいたときは専門性が磨かれて知識が深まりました。一方、訪問看護では当ステーションにいろいろな科を経験した方がいるので、知識を深めるだけではなく、横にも広げられていると感じます。
大変なことは大きく分けて3つあります。1つ目はマナーの面で、利用者さまの生活に入っていくのが大変だと感じます。ご自宅にお邪魔するので、礼儀などには気を付けているつもりですが、なかなかご本人の今までのやり方に沿えないこともあります。病院では「患者さまが来る」というスタンスだったのに対し、訪問看護ではサービス業として「私たちが伺う」ことになるので、最初はその切り替えが難しかった時期もありました。
2つ目は看護に使う物品に関してです。衛生材料などは利用者さまがご自宅でご準備できる範囲内で使用しなければなりません。金銭面も関わってくるので、限られた物品を使って看護を行う難しさを感じました。
3つ目は移動距離です。病院だと歩いて数分で患者さまのところに行けますが、利用者さまによっては離れていると40分~50分ほどかかってしまうことがあります。「何かやり忘れがあったら…」と思うとちょっと恐ろしいですね。すぐに対応できず注意が必要な点も、病院と異なり大変さを感じたところです。
弊社の考え方でもあるのですが、利用者さまのご意向を最大限尊重することです。こちらの考えを押し付けすぎるのではなく、利用者さまのニーズを知り、意向に沿うことを一番に考え行動するようにしています。

利用者さまのなかには、訪問看護師に対して身構えてしまう方もいるようなので、利用者さまの人生の一部をサポートし感謝頂けるように、勤めていきたいと思っています。
私は看護師になってちょうど5年目に転職したのですが、なんとか周りのスタッフの知識を借りながら楽しくやっています。訪問看護の仕事では、自分が持つ知識や体験が生きてきます。年齢、経験年数、前職の診療科などに関係なく、経験してきたことを生かして訪問看護にチャレンジしてほしいです。
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