
セラピーは、薬や手術に頼らない、心理的・物理的な治療方法のことを指します。医療現場でも用いられていることから、その存在を知っている方も多いのではないでしょうか。セラピーにもアニマルセラピーやアロマセラピーなど、さまざまなものがありますが、今回取り上げたのは音楽療法です。本記事では、音楽療法を通して、女性や子どもを中心としたサポートに取り組んでいる法人に注目してみました。
子育てや介護といった人と人との関わり、そして更年期における気分の不安定さなどにより、精神面に影響が出てしまう女性は決して少なくありません。NPO法人 心のおしゃべり音楽工房の代表理事である中井深雪さんは、思春期・結婚・出産・子育てを通して、自身の愛や思いやりの向け方や取扱いにさんざん困ったり迷ったりした一人です。ある日突然、待ったなしで始まった子育てに日々悩みながら、ある時偶然、子育ての強い味方となってくれる音楽療法と出会いました。
同法人は、そうした中井さんの経験をもとに、おかあさんをはじめとする多くの女性と子どもに対し、「生きる力」「育てる勇気」になれるよう、音楽療法を通してサポートしている団体です。1998年に立ち上げた前身のMTN世田谷対話音楽工房、後に2012年のMTN心のおしゃべり音楽工房を経て、2015年よりNPO法人として、3つの事業を軸に活動を展開しています。
歌はもちろん、楽器や舞踊といったさまざまな角度から音楽に触れ、その働きによって心や体の状態、生活の質などを良い方向へと導くのが音楽療法です。同法人で行われる音楽療法では、利用者の好みや共感できる音楽を探し出し、言葉で言い表せない想いを紐解いたり、自分自身との付き合い方を考えたりしていきます。

まず、乳幼児から成人までの幅広い年齢層に向けた音楽室、あるいは利用者宅でのでの個人セッション、また、音楽好きな方が基礎的技術や体の使い方を学び、本格的に音楽と触れ合える「ミュージカル・ダイアログ・コース」、自分の音楽を作ったり、好きな歌を歌ったりして、自分を客観視するための同法人独自の「マイソング・ミュージック・セラピー」なども行われています。
そのほか、新型コロナウイルス感染防止対策のため、オンラインでのセッションもスタートしました。利用者の状況や環境に合わせたコースが3種類用意されています。
同法人では、新生児から就園までの子どもが対象となる、子どもの成長、かつお母さんの自己啓発のためのグループセッション「MTKコース」と「(オンライン)子育て音楽サークルAiAi」が用意されています。また、音楽療法を検討している法人と団体を対象に、音楽療法士や音楽でアプローチできるスタッフの育成を支援する「MTPプロジェクト」、法人が対象となる福利厚生のプログラムとして音楽療法を取り入れる「MTBプラン」が用意されています。
さらに、子どもに対して音楽療法を効果的に活用していくためのセミナーと、弾き歌いの即興力を上げるためのセミナーも開講を依頼できます。こちらのセミナーは、イベントやレクリエーションを行ったり、患者や利用者と触れ合ったりする機会が多い現場で働く看護師さんの、強い味方になってくれるかもしれません。

以前に、同法人で音楽療法を受けていた方の音楽活動をサポートするため、2017年度から始められたのが「音楽療法ライブ」です。2018年には音楽療法の日を3月29日として、以降年に1回参加型の演奏ライブが行われるようになりました。そして翌年の2019年には、発達支援施設や放課後等デイサービス、保育園といった施設で、ミニライブとセミナーを開くなど、年々活動の幅を広げています。
2021年には、新たに、隔週水曜日の午前中、親子の交流、仲間作りを応援する3歳(2歳児)までのサークル活動を行ったり、YouTubeチャンネル「心のおしゃべりミュージッキングチャンネル」では日頃の活動を積極的に紹介するなど、音楽療法の普及にも貢献しています。
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