
手術と言ったら「メス」ですよね。でも、実はメスって初めの皮切以外ほとんど出番がないんです。その他は、電気メスや高周波ラジオ派メスでなどでカッティングや止血をしていきます。
今回は、手術室で必須の器械について見ていきましょう。

メスは大きく分けて、No.10(刃先がまるい円刃)、No.11(刃先が尖りの尖刃)、No.15(No.10より小さい円刃)をよく使用します。
メスで重要なのは、切れ味です。皮切で使用する円刃は最初しか出番がないことが多いですが、硬膜切開など体内で使用するNo.11メスは、使用するたびに常に新しいものと交換した方が安全です。
メスの扱い方で大切なのは、受け渡しを直接しないということです。初めの皮切は術前の挨拶や声掛けもあり、落ち着いた状態で執刀医に手渡すことが多いので、ドラマのように「メス」と言われてから渡しても安全な受け渡しが可能かもしれません。
しかしながら、メスの受け渡しをするのはスタッフが怪我をするリスクが高くなります。術野で使用するメスでスタッフが怪我をすると、スタッフと患者さま双方における感染症の問題もありますが、スタッフが手術に継続して関わることが難しくなってしまう場合やスタッフの血液により術野を汚染してしまうことが考えられます。
ですから、可能な限りメスの直接的な受け渡しは避けるべきです。ニュートラルゾーンといって、膿盆のような容器を介してメスのやり取りをする方が安全です。
また、直接介助看護師は、器械台の上でもメスの管理は徹底する必要があります。決められた場所にしっかりと納め、使用済みの刃は安全に処理しておきます。
メスと同じくらい切れ味にこだわりたいのが剪刀です。こちらも、切断する組織にあわせて使い分けていきます。手術の手順に沿って、術野にある組織を見分けて細さや大きさ、長さなど適切な剪刀を渡します。

鑷子や鉗子の場合は、有鉤か無鉤かに注意して管理します。鑷子は、何をどのように把持したいかによって種類があります。実際に手に取ってみるとわかりますが、鑷子の先端が細く繊細になるほど、把持力は弱くなります。
術野を見ながら、把持する組織の性質を観察してみましょう。術者が細かく繊細な組織を扱うのか、助手が大きく分厚い組織を把持して視野を確保するのかによって使用したい鑷子は異なります。
鑷子は先端の噛み合わせや把持力が重要になってきます。特に顕微鏡下のような細かい手術では、肉眼では確認できないほどの噛み合わせのズレや先端の歪みであっても大きく支障が出てしまいます。鑷子は使用頻度が高い分、落下や取り扱いには充分に注意しましょう。
何かを掴む道具を鉗子といいます。鉗子には掴むものに合わせて長さや先端の形状、ラチェットの有無、色など種類があります。〇〇鉗子や〇〇把持鉗子など、名前から用途もわかりやすいかと思います。
コッヘルとぺアンは、先端に鉤があるかないかです。コッヘルは鉤があるので、体内で使用することは稀です。骨のような硬いものや破棄する部分を掴むことに使用します。また、鉗子には使用する向きがあります。ヘルニア鉗子など、あえてバックハンドで使用することもあります。
どの道具であっても、術中に綺麗な状態を保つように心掛けます。直接介助看護師は、手術器械が術野で使用されるたびに血液などの汚れは拭き取るようにし、道具本来の役割を果たせるようにメンテナンスします。それと同時に、術中に思わぬ破損がないかも確認しています。
Writer…suke
Illust…Mana.Ishiguro
Twitter:@mana__iu
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