
日本における臓器移植を希望する患者数は約15,188人にものぼり、そのほとんどが移植を受けられず待機しています。2020年に臓器移植を受けられたのは年間約318人ほどで、臓器移植医療が遅れている今の日本では、ほんのひと握りの方しか医療を施せないのが現状です。日本臓器移植ネットワーク 臓器提供数/移植数
そこで、本記事では臓器移植が必要な方とその家族を支援している、国際移植者組織TRIO JAPAN(トリオ・ジャパン)をご紹介します。国内の臓器移植医療の現状を再確認し、患者さんとその家族の心に寄り添った看護を提供していきたい看護師さんは、ぜひ最後まで目を通してみてください。

米国に本拠を構えるTRIO(Transplant Recipients International Organization)の日本支部として1991年に設立された、国際移植者組織TRIO JAPAN(トリオ・ジャパン)。同団体では、臓器移植が必要な方とその家族への渡航移植のアドバイスのほか、講演活動や書籍販売などを通して、広く社会に臓器移植医療が定着するための啓発活動を積極的に行っています。

諸外国に比べると、まだまだ日本の臓器移植医療は進展する兆しが見えず、国内で臓器移植の待機中に亡くなってしまう患者さんも少なくありません。そのため国内で救命の医療手段が見当たらない場合、海外での臓器移植を決断する方も少なからずおられ、同団体ではそのような海外渡航移植の希望者へ段階を踏んでアドバイスしています。
また渡航移植するには莫大な費用が必要ですが、多くの場合はさまざまな方法で募金活動を行っています。
そのほか、臓器移植関連のイベントに協賛したり、看護学校や大学、市民イベントで講演を行ったり、社会に広く臓器移植医療の現状を伝えるための啓発活動を実施しています。
同団体が編集した臓器移植啓発絵本『はじめまして』は、臓器移植をテーマに、命の大切さと日常を当たり前に過ごせることの素晴らしさを感じ取ってもらえるようなメッセージを込められています。一人ひとりの意識が尊い命を繋ぐことを知ってもらうべく、さまざまな方法でアプローチしています。
同団体では、海外での渡航移植を考えている本人やその家族を対象にカウンセリングを行い、移植に至るまでの手順や海外での移植の状況、移植後の問題などさまざまな相談に対応しています。
また実際に渡航移植をすることが決定した際には、医療者とのやりとりや募金活動、渡航手続きなど、渡航するまでの全ての工程において手厚くサポートしているのが特徴です。当事者にとっては、不安や焦りが生じてしまう問題も、同団体のこれまでの経験をもとに的確にアドバイスし、誰よりも心強い存在となり患者さんとその家族を支えています。
そして患者さんの臓器移植後も親身になって支援しています。たとえば、移植を受けた患者さんとその家族を中心とした交流の場を催し、同じ気持ちを分かりあえる方たちを繋ぐ橋渡しをしています。そして、その集まりは同団体がモットーとして掲げる『善意・感謝・信頼・誠実』の言葉どおり、社会復帰後も、ドナーや支援者への感謝の気持ちを忘れることなく過ごすための交流の場ともなっています。
残念ながら今日の日本社会において、移植医療は日常医療と呼ぶにはほど遠い医療です。しかし、そこに救命するための選択肢があり希望があるならば、その尊い命を繋ぎたいと誰もが願うことでしょう。同団体の活動は、国内の臓器移植医療の未来をどう変えていくかを考えるきっかけになるかもしれません。
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