西オーストラリア・パース在住11年、パース市内の公立病院一般内科勤務歴10年目のKayです。
オーストラリアから「国が違っても同じなんだな」と共通する事、「国が違うとこんなにも違うの?」と言う事など自分が病棟で経験した様々なことをお伝えしておりますが、今回は「看護師と薬」について何回かのシリーズに分けてご紹介しますね。
まず、第一回目は「薬品名と処方箋」についてです。
患者さんの情報収集の一つに薬の事についても知ることは看護にとっても重要な位置を占めると思います。
看護学生の時はもちろん、看護師となって働き始めてからも患者さんがどんな薬を飲んでいるのかを見て、わからない薬は調べたり、一般的に使われる薬品名は一生懸命覚えたりしますよね。
オーストラリアで看護師として病院で働くようになって一番戸惑ったのが薬の名前が違うことでした。
日本の処方箋はほぼ「ザンタック」「ケフレックス」「リピトール」などブランド名(製品名)が書かれていますよね?
こちらの処方箋にはジェネリック名(一般名)が書かれているのが一般的で、今まで日本で覚えてきたブランド名(製品名)とは全く違うので、あまりピンときませんでした。
例えば利尿剤で知られる「ラシックス」。
「ラシックス」はブランド名でジェネリック名は「Frusemideフルセマイド」です。
こちらのメッドチャートには「フルセマイド」と記載されています。
他には降圧剤としてよく使われている「ノルバスク」もジェネリック名は「Amlodipin アムロドピン」。
アムロドピンを見つけた時に薬のシートに「Norvasc」と書いてあって思わず「あ~!ノルバスクのことだったのね!!」と薬品管理室で叫んでしまいました。
最近では日本でも「ジェネリック医薬品」と耳にすることが多くなってきたと思います。
「ジェネリック医薬品(後発医薬品)」とは、「新薬(先発医薬品)」の特許が切れたあとに販売される、新薬と同じ有効成分、同じ効き目の価格の安いお薬の事を言いますよね。
オーストラリアの公立病院ではこのジェネリック医薬品が多くつかわれており、それにより医療費削減に努めているのです。
将来海外で働きたいと思っている方は薬を覚えるときは製品名と同時にジェネリック名も覚えることをお勧めします。
入院患者さんの処方箋の形式も日本と全く違います。
患者さん個人のベッドサイドチャート(病院によってさまざまな呼び方がありますが,
看護プランやバイタル測定表、処方箋、水分出入力表など患者さんの状態を記録する表がはさまったチャートです)にメッドチャートと呼ばれる処方箋があり、そのチャートに以下の項目がそれぞれの処方薬のごとに書かれています。
手書きで書かれてるので、Drの個性豊かな字が読めない時もあります。
そんな時は書いたDrに聞くことが望ましいのですが、Drがつかまらない時は同僚に聞くか、病棟に所属する薬剤師さんに確認します。
投薬方法は略語で以下のように書かれています。
PO(経口)、IV(静脈注射)、S/C(皮下注射)、TOP(経皮塗布)ED(点眼、点耳薬)、PR(座薬)、INH(吸入)、NEB(ネブライザー)、PV(経膣)、SL(舌下)、NG(胃管)、 PEG(胃瘻)
投与回数は略語で以下のように書かれ、その隣に投与時間が割り振られています。
OD(1日一回)、MANE(1日一回朝)、BD(1日二回)、TDS(1日三回)、QTD(1日四回)、NOCTE(寝る前)、PRN(頓服:チャートの一番後ろのページにPRN欄があり、日常の薬と間違えないように分けて書いてあります。)
上記の処方が書かれた横に投薬したかどうかを記述するサインの欄が10日分あり、投薬すれば、投薬したナースのイニシャルを書き込みます。
何らかの理由で投薬されなかった時は以下の文字を欄に記載し、投薬できなかった理由の詳細を看護記録に書きます。
W(Drからあげないでと指示があった時、患者さんの意識レベルが悪く投与できないと判断した時)、F(禁食時)、V(嘔吐してしまった時)、A(検査や外出などで病室に患者さんがいなかった場合)、N(病棟に薬の在庫がなかった場合)、R(拒薬)
サインを入れる欄が10日分しかないので、処方が変わらなければ10日ごとに新しいメッドチャートにDrが記入しなおさなければ、私達看護師は配薬ができません。
いかがでしたでしょうか?
薬や処方箋一つとってもこんなにも違いがあるのに驚きですよね?
薬品名もメッドチャートの見方も慣れてしまえば、大体どこの病院でも似たチャートを使っていると思うので苦労しなくなると思います。
次回は「配薬方法・手順とナース処方」についてお伝えしたいと思います。
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