グローバル化という言葉はすでに当たり前のものとなりました。
医療業界にもその波は来ており、グローバル化に向けて「EPAナース制度」が2008年に発足していました。
しかし、実際に外国人ナースに日本の病院で会ったという方は少ないのではないでしょうか?
そこで今回は、EPAナース制度とは、その制度の成果や今後についてまとめました。
EPAとは経済連携協定のことです。物品や資本の移動だけではなく人材の移動も自由化や円滑化する、という条約です。
看護では、海外から「ナース候補者」が来日し、厚生労働省のナース国家資格に合格し、認定されたナースはEPAナースとして、日本で働くことができるという制度です。
日本では、2008年から海外からのナース候補者の受け入れを開始していますが、どの国とも結ばれているわけではなく、インドネシアとフィリピン、ベトナムからの受け入れを行なっています。
ナース候補者として入国をして、国家資格であるナース資格を取得すると、在留期限も上限がなく更新できるようになります。そして、ナースとして働くことができるのです。
ただし、資格を取得する前であるナース候補生の段階では、在留期限が3年間と制限されています。その間に国家資格の合格を目指します。
実際に自国ではナースとして働いている人たちなのですが、ナース資格はどの国でも共通で使えるものではありません。日本でナースとして働くためには、日本でナース資格を取得する必要があります。
基本的にナース候補者は病院などが受け入れ機関となっているので、働きながら研修で勉強をします。雇用契約が結ばれて日本の各保険も適用となります。
日本で受け入れの橋渡しができるのは、国際厚生事業団のみです。これか適正な受け入れを実施するということに徹底するためです。
海外からナース候補生として日本へ入国し、3年間でナース資格が取得できなければ、在留期限となってしまいます。
なんとナース候補生がナース国家資格に合格する確率は、平成23年度は4%にとどまりました。ナース資格の全体合格率は91.8%の年だったのですが、ナース候補生が資格に合格するのはとても難しい、ということがわかります。
やはり日本語を習得するのが大変で、3年間ではナースとして働けるレベルに達するのが難しいのでは…といわれています。日本ではナース不足が深刻化しており、EPAナースの受け入れによってナース不足の解消を目指すのは、現状では難しいようです。
またナース候補者の受け入れにはかなりのお金がかかってしまうにもかかわらず、なかなか合格者や実際に定着して日本で勤務するEPAナースが増えないことは、大きな問題となってます。
まだ一桁であるEPAナースの数を今後、どこまで増やしていけるのか、課題はまだ多く残されているようです。
EPAナースの制度に関しては、まだまだ課題が山積みだといわれています。実際に候補者として受け入れたものの、看護学校などで候補者が学ぶことはなく、受け入れた病院がすべて研修をおこなっています。
確かに自国でナースとして働いていた、という実績はありますが、医療の常識は国によって違います。候補者は受け入れ先の病院によって学べることが異なってしまうのです。
日本はフィリピン・インドネシア・ベトナムなどと比べて、給与水準は高いです。
「一時的でもお金が稼げる」という目的で来日して候補者として学ぶ人も多いというのが現状です。
もっと日本で長く働いてくれるEPAナースの受け入れを考える必要がありそうです。
ナース不足が深刻化し、将来、国全体の労働力が不足すると予測されている日本において、海外からナース候補生を受け入れる必要は、今後ますます強まっていく可能性があります。
単純に考えると、EPAのナースが増えればナース不足は解消していくはずですが、実際には、受け入れた先でのEPAナースの教育人員なども必要になってくるため、一概に「海外からたくさんEPAナースを受け入れればナース不足が解消する」とは言えないのです。
厚生労働省や各病院などが、EPAナースのサポート体制を充実させる必要があり、それが実現できれば、よりEPAナースが合格しやすく、働きやすい環境が作れるかもしれません。
まだ先の話しかもしれませんが、将来は多様な国籍のナースが日本の病院で見られる光景が増えることでしょう。
EPAナースが増えることで、日本のナースの過労を軽減し、ナース不足が解消されながらも、看護水準が下がらないことを、国や医療業界全体で目指していく必要がありそうです。
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