
本記事では、リンパや下肢などの浮腫関連を中心に医療研修を実施し人材育成している組織と、機能性とデザインを考慮した医療用帽子を開発・販売している企業と、小さな命を救うために支援活動している組織を紹介します。
プラスアルファのスキルとして浮腫ケアについて学びたい方や、がん患者の心に寄り添った看護を行いたい方、子どもたちの命を救う取り組みについて理解を深めたい看護師の方は、じっくり目を通してみてください。看護師として新たな一歩を踏み出すきっかけとなるかもしれません。

リンパ浮腫や下肢のむくみなど、臨床にて浮腫ケアを実践できる人材育成に注力している、一般社団法人THAC医療従事者研究会。リンパドレナージを中心に、浮腫の手技とケアをより多くの医療従事者へ学んでもらうべく、各種研修会や講演会を積極的に実施しています。

2016年にリンパ浮腫診療の保険適用が広範囲に認められ、医療従事者にはさらなる知識のアップデートが求められたことは記憶に新しいでしょう。
乳がんや子宮がんなど、がん手術後にリンパ液が四肢にうっ滞するリンパ浮腫の治療には、複合的治療が行われます。リンパ浮腫を発症するがん手術後の患者は年間約1万人とも言われており、受け入れ先や対応できる技術者が少ないのが現状です。さらに、複合的治療は他の浮腫にも効果が見られ、ますます医療従事者には浮腫の手技とケアの習得が求められています。
こうした需要が高まる中、同法人では臨床現場でリンパ浮腫疾患へ対応できる人材の育成に取り組み、リンパドレナージを含む浮腫ケアについてのさまざまな医療研修を実施してきました。
たとえば、「リンパ浮腫セラピスト育成講座」は医師や看護師、理学療法士などの資格を有する方を対象とした研修で、リンパ浮腫治療の豊富な臨床経験を持つ専門医や講師による講義が行われます。
33時間の座学研修と67時間の実技研修を通して、リンパ浮腫の正しい知識と技術を学び、これらの研修で実施される試験に合格することでリンパ浮腫セラピストの認定が得られる仕組みとなっています。
その後、リンパ浮腫セラピストとして臨床経験を積むと、リンパ浮腫療法士の受験資格を満たし、さらに上を目指すことが可能です。
なお、研修後のフォローアップとしてWebにてブラッシュアップや練習を行える機会が設けられており、気になる箇所を復習できます。
そのほかにも、同法人が主催する講座には「産科リンパケア講座」「下肢の浮腫ケア講座」「リンパ浮腫複合的治療 基礎講座」などがあり、多様な浮腫ケアについて理解を深められます。
今後、リンパ浮腫ケア専門外来で活躍したい看護師の方は、こうした医療研修にて専門スキルを着実に身につけることが近道かもしれません。同時に、看護の幅が広がり看護師としてのやりがいも見出だせるのではないでしょうか。

抗がん剤治療や病気により毛髪を失ってしまった方を対象に医療用帽子を開発・販売している、医療用帽子専門店tendre(タンドレ)。過去には、全国のネット通販店の中でも1位の金賞に贈られる「Eストアーアワード2010熊本県大賞」を受賞した実績がある企業で、季節や用途別に選べる商品ラインナップを充実させ、工夫を凝らした帽子づくりを行っています。
がん治療のための抗がん剤の副作用や先天性の病気などによって、大切な毛髪を失ってしまう方は多数おり、当事者にしか分からない悩みを抱えている方もいるでしょう。
その1つとして挙げられるのが、脱毛による頭皮への負担が大きくなることです。毛髪を失うことで頭皮に直接日光が当たったり、乾燥しやすくなったり、そうした刺激がかゆみや発疹となって頭皮にあらわれることがあります。
そこで、同社は毛髪を失った方の頭皮への負担を和らげる医療用帽子を作りました。帽子づくりで追求したのは、デリケートな頭皮を外部の刺激から守るための生地と、機能性を重視したデザインです。
生地には吸湿性や保温性に優れ、肌触りの良いオーガニックコットン100%を使用しています。化学繊維やウールといった生地を使用した場合、頭皮に直接生地が触れるとチクチクして痛むことがあり、かゆみが増したり赤みを帯びたりして肌の状態が悪くなってしまいがちです。しかし、NOC認定を受けたオーガニックコットン製品の医療用帽子は、ふんわり感のあるやさしい素材で作られており、被り心地の良さに定評があります。

また医療用帽子でありながら見た目がおしゃれでかわいく、一人ひとりの生活を彩るアイテムとして活用できるようなデザインを施されているのが特徴です。一方で、帽子の後ろには飾りや結び目がないデザインにし、被ったまま寝ても頭皮に負担がかからないよう機能性を考えて仕立てられています。
こうした独自のデザインとやさしさを追求した生地で作った医療用帽子は、毛髪を失い頭皮の悩みを持つ多くの方々に愛用されています。同社の取り組みを知ることで、病気による脱毛症で悩む患者への理解を深められるのではないでしょうか。
JCVは1994年に創設して以来、長きに渡って開発途上国の子どもたちへワクチンを届ける「子どもワクチン支援」活動を行ってきました。このようなUNICEFと連携した大規模なプロジェクトにより、ミャンマーやラオスなどの東南アジアを中心とした国々の子どもたちを継続的に支援し、積極的に普及活動をすることで社会へアプローチしています。
世界にはまだ経済的に裕福とは言いがたい国々もあります。そうした開発途上国の子どもたちは、医療的な処置を受けられない環境のもとで暮らしていることが多く、これまでたくさんの命が失われてきました。
現在も1日に約4000人の子どもたちの命が失われているのが現状です。しかし、そうした医療処置を施すのが困難な地域の子どもたちの命は、ワクチンで守れることが分かっています。
そうした中で、同法人は一人でも多くの子どもの命を救うべく、「子どもワクチン支援」プロジェクトの遂行を掲げ立ち上がりました。このプロジェクトは、各地の企業・団体、個人などの支援者から得た寄付をUNICEFの協力のもとポリオワクチンやBCG、MMRといった小児用予防接種のワクチンと関連機器に換え、現地の子どもたちへ届ける仕組みとなっています。

ワクチン支援の方法には寄付や募金のほかにもいくつか方法があり、たとえばペットボトルキャップは2kg集めることで1人分のポリオワクチンに換えることが可能です。キャップ500個を集めると約1kgとなる目安で、学校や自治体などでも回収の呼びかけが行われています。
また、書き損じはがきや未使用はがき、切手、テレホンカードなどもワクチン支援になり、はがき10枚でポリオワクチン20人分を届けられます。そのほか、要らなくなった指輪や携帯電話、カメラなどもワクチンを届けるための寄付に繋がります。いつも何気に捨てているものや身の回りの使用しなくなったものが回収対象となっており、支援する側にも負担がないようさまざまな手段が提示されているのが特徴です。
同法人が取り組む支援活動は、看護師としても心を動かされるのではないでしょうか。ぜひできることから参加し、子どもたちの命を救うための活動を看護師目線で協力して行っていきたいものです。

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