医療事務と看護師の人間関係は悪いって本当?良好な関係を保つコツをご紹介

2017.2.18

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医療事務や看護師のなかには、人間関係に悩んでいる方もいるでしょう。病院内では連携しながら働くため、人間関係の悩みがあると業務に支障をきたす場合も。このコラムでは、医療事務が持つ人間関係の悩みや看護師と良い人間関係を築くコツを紹介しています。ほかにも、看護師から見た医療事務の印象を記載していますので、ぜひご一読ください。

医療事務の仕事内容

医療事務の仕事内容は大きく分けて4つあります。病院やクリニックの顔となる受付業務から、経営と医療の知識を発揮するレセプト業務まで、医療事務の役割は重要です。この項目では、看護師と関りが深い医療事務の仕事内容を詳しくご紹介します。

1.受付

医療機関の受付として、来院した患者の対応をします。どのような症状があり来院したのかや初診・再診の確認、保険証の提示を求めるなど、患者を案内する仕事です。初診の場合は、診察券を発行して診療科への行き方や院内の説明をします。また、初めて受診した患者のカルテを作成するのも医療事務の仕事です。患者の基本情報を記入し、医師が診察内容をスムーズに入力できるよう準備しておきます。

2.クラーク業務

クラーク業務は、医師と看護師、患者のパイプとなる業務です。外来クラークと病棟クラークの2種類があり、それぞれで役割が異なります。外来クラークの主な仕事内容は、受付での電話や患者の対応、カルテの管理、検査データの準備など、事務作業です。病棟クラークでは、入退院についての事務作業を主に行います。入退院に関する手続きのほかにも、食事の伝票管理や手術・検査のスケジュール管理なども医療事務の仕事です。病棟クラークの場合は、業務中にナースステーションや病棟内にいることも多いため、患者の家族と接する機会が多々あります。

3.レセプト業務

レセプト業務は、審査支払機関に提出する、診療報酬明細書(レセプト)を作成する業務です。一般的に、保険証を提出して受診した患者は、医療費の一部を自己負担します。残りの医療費は、診療を受けた本人が加入している健康保険組合が支払う仕組みです。健康保険組合に医療費を請求するには、審査支払機関に提出する診療報酬明細書を作る必要があります。作成した診療報酬明細書を元に、審査支払機関から健康保険組合に医療費を請求するため、重要性が高い業務です。診療報酬明細書を作成するには、カルテを正確に理解する専門的な知識が求められます。医療事務になくてはならないスキルの一つです。

4.会計

会計業務は、診察が終わった患者から、負担分の医療費を徴収します。診察内容によって医療費は異なるため、診療報酬点数や患者の加入している医療保険を確認しながら、計算しなければなりません。会計の際は、領収書と明細書、処方箋などを患者に忘れず手渡すのも大切な仕事です。
医療事務は一般的な事務職とは異なり、人と関わることが多いため、コミュニケーション能力が求められます。来院する患者は、不安を抱えていることもあるでしょう。患者の様子を観察して、一人ひとりに合った対応をするのも、医療事務の役割です。

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医療事務が持つ人間関係の悩み

医療事務は、医師や看護師、患者など、多くの人と関わる仕事なため、人間関係の悩みを持つこともあるでしょう。また、同じ医療事務員のなかで人間関係に悩む場合も。医療事務が抱えやすい人間関係の悩みをご紹介します。

同僚や上司と合わない

一緒に働く同僚や上司に不満を抱えている人も多いでしょう。医療事務は女性の比率が高い職場です。女性が多い職場ならではの悩みやトラブルも多く、なかには悪口をいわれたりいじめられたりすることも。女性が中心の職場が苦手な方は、人間関係がストレスの原因になりやすいでしょう。また、信頼できる上司がいない場合は、問題が解決せず悪循環に陥るケースもあるようです。

患者とのトラブル

医療事務は患者からクレームを受けることもあります。受付にいる医療事務は患者にとって一番身近な存在です。そのため、医療事務には解決できないことでも、対応しなければいけない場面もあるでしょう。看護師や医師へのクレームを受ける場合もあるため、双方を気遣いながら対応しなければなりません。また、患者同士のトラブルを医療事務が仲裁することも多く、人間関係の悩みは多岐にわたります。

忙しさが原因で職場の雰囲気が悪くなる

医療事務は正確性とスピード感が求められる仕事です。そのため、患者が多く来院して忙しい時間帯は、職場がピリピリしてしまうこともあるでしょう。医療現場で働いている緊張感もあり、普段の人間関係が良くても、業務中は険悪になる職場も少なくありません。また、忙しい病院やクリニックでは医療事務の残業が増える傾向にあるため、ストレスを感じ雰囲気が悪くなる場合もあるようです。

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医療事務と看護師の人間関係は良好?

医療事務は病院内で看護師と関わることも多いでしょう。この項目では、診療所やクリニックに勤務する看護師と、大規模病院の病棟に勤務する看護師の方に伺った話を元に、看護師から見た医療事務の姿をご紹介します。また、医療事務が看護師に対して感じていることもあわせて記載しますので、ぜひご一読ください。

診療所・クリニックの看護師から見た医療事務

診療所やクリニックなどの小規模な医療機関では、業務をスムーズに進めるために医療事務と看護師の連携が必要です。人間関係が大切な診療所やクリニックの看護師は、医療事務に対してどのように感じているのか見ていきましょう。

協力しあうことが大事

小規模な診療所やクリニックでは、スタッフの数が限られています。そのため特に医療事務と看護師の関係性は重要なのです。
たとえば、うちのクリニックではフロアの清掃は看護師と医療事務で行っています。休憩室も一緒なので、日頃からコミュニケーションを取りながら協力しあい、医師がスムーズに診療を行えるようにしています。
※クリニック勤務:Tさん

レセプトがとても忙しそう

私の勤務する診療所は、看護師は2人、医療事務も2人体制です。レセプト作成時の医療事務の忙しそうな様子を見ていると私たちも頑張る気になります。診療内容や疾患名などの患者さんの状態を私たちと同様に把握しているベテラン医療事務スタッフもいて驚かされます。情報共有しながら業務を進めています。頼もしい存在です。
※診療所勤務:Sさん

情報共有でスムーズな診療

まず医療事務が受付で患者さんにファーストコンタクトします。その時に感じたこと、気づいたことを私たち看護師に伝えてくれます。例えば、「耳が遠いので、大きな声で話した方がいい」「待ち時間のことで少し怒ってらっしゃる」など。ちょっとした気遣いが診療や処置をスムーズに行う秘訣です。コミュニケーション能力も高いと思います。
※クリニック勤務:Yさん

病棟看護師から見た医療事務

病棟で働く医療事務は、医師や看護師と患者をつなぐ、かけ橋のような役割があります。業務の幅も広く、患者の検査スケジュールを管理することもあるため、医療事務は看護師にとってもなくてはならない存在です。病棟看護師が抱く、医療事務の印象を紹介します。

マルチスタッフ!?といわれるクラーク

病棟にいる医療事務をうちの病院ではクラークと呼んでいます。クラークは入院患者さんに病院内の案内・説明などをしてくれます。また、カルテの作成や食事箋の示指を元に栄養科への連絡なども行なう、マルチスタッフだといえます。薬剤や医療物品の管理は看護師がしているとはいえ、発注してくれるのはクラークです。クラークがいないと病棟は機能不全になってしまうのではないでしょうか。
※混合病棟勤務:Aさん

特殊な事務職

医療事務は病棟でとっても頼りになます。事務員という肩書ではありますが、病棟内のいろいろなことをこなしていますよね。でも残念なことに、私たち看護師が医療事務を手助けする事柄ってあまりないんです。(結局事務の人のほうがPCが上手だったり)特殊な事務職だなと私は思っています。
※急性期病棟勤務:Tさん

看護師よりも忙しい?

私が考える病棟勤務の医療事務は、大変な仕事だと思う。外来なら毎日違う患者さんと接するけど、病棟ではそうではない。コミュニケーションも大変だろうし、業務も大変そうに見える。残業していることもあったりするし…。看護師も医療事務もお互いが手助けしあわないと病棟はうまくまわせないと思う。
※呼吸器科病棟勤務:Mさん

医療事務から見た看護師

働いている場所に限らず、看護師は医療事務に対して「頼れる存在」という印象を抱いている方が多いようです。医療事務が看護師に対して感じていることを見てみましょう。

「医療事務から見た看護師…。ちょっと最初は怖いイメージでした(笑)。やっぱり、すごく大変な職業だし、そう簡単に取れる資格ではないですから。でも、実際に業務で関わって行くと看護師も同じ女性です。いろいろ共感できるところが多くて、異職種ですが同じ現場で働く仲間という感じです。」

不満や悩みを抱える医療事務がいる一方で、良好な関係を築けている職場も多くあるようです。質の高い医療を提供するため、コミュニケーションや連携が取れている場合は、看護師と医療事務の関係も良好になるでしょう。しかし、病院によっては、看護師の立場が高く、医療事務との間に上下関係ができている職場もあるようです。

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医療事務が同僚や看護師と良い人間関係を築くコツ

医療事務に限らず、良い人間関係を築くことは大切です。人間関係を良好に保てると、仕事が効率的に進むでしょう。ここでは、人間関係をより良くするためのコツを4つ紹介します。

1.明るく元気に接する

相手とコミュニケーションを取る際は、明るく元気に接しましょう。自分が落ち込んだり怒られたりした次の日でも、明るく挨拶することを心がけます。ほかにも、忙しくて自分がイライラしているときは、問いかけへの返事に注意しましょう。短い返事でもふてくされていると、いら立ちが相手に伝わります。相手をイライラさせないためにも、明るく元気に返事をしましょう。

2.職場で悪口は言わない

職場でほかのスタッフが悪口を言っていても、つられて自分も言わないようにします。悪口を言っている場の雰囲気は良くありません。自分も同じことを思っていても、口には出さないようします。悪口を言っている相手に、どう思っているか聞かれても「知りませんでした」などの言葉ではぐらかしましょう。

3.お礼の一言を忘れない

誰に対しても感謝の気持ちは忘れてはいけません。忙しいときでも相手が何かしてくれたら、感謝を伝えましょう。注意されたときや怒られたときも、自分のために時間を使ってくれた相手にお礼をいうのが望ましいです。相手に感謝を伝えると人間関係が良好になり、さらに信頼関係を築けるでしょう。

4.悩みは誰かに相談する

1人で悩みを抱えている場合、周りの人に相談すると気持ちが楽になることもあります。医療事務同士や看護師との人間関係に悩んでいる場合は、職場に関係がない信頼できる友人や家族に話を聞いてもらうのも良いでしょう。言葉にして話していると、気付きを得られたり、自分では思いつかない対処法をアドバイスしてもらえたりする可能性もあります。相談する際は、事前に話すことをまとめて、相手に何を求めているのか明確にしておきましょう。自分の不満を伝えるだけの時間にならないよう、解決するためにはどうしたら良いか、真剣に考えながら相談するのがポイントです。

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