日本人でも間違いやすいと言われている敬語。日本語の敬語は、尊敬語・謙譲語・丁寧語の3種類に分かれており、目上の方や上司などと話をする際には、それぞれを正しく使用することが大切です。
ただし、丁寧に話そうとして敬語を重ねて使うと「二重敬語」という誤用になってしまいます。意外にも二重敬語と気づかずに使用している方も多いのですが、敬語を重ねると回りくどく、過剰な印象を与えてしまいます。
そこで今回は、二重敬語になりやすいパターンと、正しい用法をチェックしていきたいと思います。
「お~になる」「ご~になる」は、それだけですでに尊敬語であり正しい敬語です。ここに「れる・られる」の表現を加えてしまうと、二重敬語となるため注意が必要です。
「(医師に対して)患者さんが、お薬が合わないとおっしゃられていました」「(患者さんに対して)~さん、先生がお越しになられましたよ」などは、二重敬語です。
「患者さんが、お薬が合わないとおっしゃっていました」「~さん、先生がお越しになりましたよ(いらっしゃいましたよ)」が正しい使い方です。
「拝見させていただきました」「お伺いいたします」など、自分をへりくだる謙譲語と、相手を立てる尊敬語は二つ同時に組み合わせる必要はありません。(拝見は「見る」の謙譲語で、伺いは「聞く」の謙譲語です)
この場合は、「拝見いたしました」「お伺いします」と、謙譲語のみを使うようにすると、すっきりとした敬語表現になります。
「承知申し上げます(謙譲語の二重敬語)」「お見えになっています(尊敬語の二重敬語)」など、同じ種類の敬語を重ねても二重敬語になります。
この場合は、「承知しております」「見えられています(いらっしゃっています)」というように、シンプルに敬語をまとめるようにします。
目上や上司に対する表現には、くだけた表現と敬語の組み合わせはNG。かえって失礼な表現になってしまいます。
例として、「楽しみにいたしております」「了解いたしました」などはくだけた言い方に敬語を組み合わせたものです。「楽しみ」と「了解」はそれぞれ自分を主体とする言い方であり、そこに「いたす」をつけて敬語表現にしようとすると、おかしな印象を与えてしまいます。
次に、「若者言葉」と呼ばれる表現と敬語の組み合わせにも注意が必要です。
「治療には、点滴とか、注射とか、お薬とか…いろんな種類がございますね」など、「~とか」「いろんな」といった若者言葉に敬語表現を組み合わせると、やはりおかしな日本語という印象を与えてしまいます。
敬語表現を重ねると、二重から三重、三重から四重になり、さらに複雑で回りくどい表現になります。
「(患者さんに対して)お食事のほう、もうお召し上がりになられますか?」などの表現は、「お+召し上がり+なられますか」と3つの敬語が重なっているため、三重敬語になります。さらに「~のほう」という誤った表現も含まれているため、ぎこちない日本語の印象も与えてしまいます。
この場合は、「お食事はもう召し上がられますか?」と、シンプルに文をまとめるようにします。
相手に対して丁寧な表現を心がけていると、うっかり敬語が重なってしまい二重敬語や三重敬語が生まれてしまいます。
敬語は実際のコミュニケーションの中で身につけていくのが確実な方法です。普段から誤用を避けて正しい敬語を使う訓練をしていけば、必ず正しい表現が身についていきます。
堅苦しい表現にならないよう、シンプルな表現にまとめる習慣をつけていきたいですね。
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