認知症の治療に有効と言われている「ユマニチュード」は、フランスで生まれたケアメソッドです。2011年からは日本の介護や看護の分野にも取り入れられるようになりました。
ケアをする人と、ケアをされる人のそれぞれに着目した哲学と、言語・非言語コミュニケーション技法にそれぞれ基づきながら、食事介助や清拭、入浴、更衣、立位補助などの実践によって構成された、看護や介護に役立つケアメソッドです。
ユマニチュードは認知症を抱える高齢者のケアに役立つだけでなく、病院に入院してきた認知症(もしくは軽度認知症や、認知症予備軍)の患者さんのケアにも効果を発揮します。
それでは早速、ユマニチュードの方法や注意点について見ていきましょう。
ユマニチュードとは、よくある介護や看護の手法とは別に、認知症の患者さんとケアする側が人間関係や絆をつくるためのテクニックです。
ユマニチュードの手法は150もあるとされていますが、大きく分けると以下の4つになります。
1「見つめる」
2「話しかける」
3「触れる」
4「立つことをサポートする」
「ユマニチュードのコミュニケーションの4つの柱」とも言われるこの手法を念頭に置いて患者さんと接していくことで、患者さんが看護師や介護士に心を開く土台ができ、実際に発話をしたり、コミュニケーションがスムーズになると考えられています。
150ある手法は、基本的にこの4つの柱を組み合わせて行います。具体的には「患者さんを見つめながら会話位置に移動する」「アイコンタクトが成立してから2秒以内に話しかける」など、細かいコミュニケーションの流れが決められています。
患者さんや介護を受けている方から反応が返ってこなくても、ケアする側は積極的に話しかけるようにして、ポジティブな言葉を聞かせてあげるようにします。
例えば歯磨き前から、「今からお口の中を綺麗にしますね」「今から歯磨きをして、さっぱりしますからね」など、作業をさっさと手早く終えるのではなく、ゆっくりとしたやり取りを踏まえながら作業を進めていきます。この工夫によって、単純な看護ケアから、相手と心の通ったケアになります。
認知症の人は、視野や聴力などの機能が低下するため、情報を自分で感じ取る力が不足しています。そのため、ケアをする側は必要に応じて患者さんを見つめ、話しかけ、触れて、立位による歩行や移動もサポートするようにします。
4つの柱のうちどれが欠けても良くありません。特に立って歩くサポートについては、患者さんが「まだ生きられる」「まだ行動できる」と、人としての希望を抱くために欠かせないプロセスになります。
ユマニチュードでは最低20分は一日の中で立つように規定していますが、これには脚を使うことで筋力が維持されたり、体のバランスを取る練習になったりと、メリットがいくつもあります。
ユマニチュードを実践する場合、やってはならないこととしては以下のような点が挙げられています。
■腕や足などを突然つかむ
■患者さんや高齢の方の視界に入りにくい場所から声をかける
■嫌がっているのに無理やり立たせようとする
これらはケアする側とされる側の意志疎通にはつながりにくく、逆に不信感を与える可能性もあるため、うっかりやってしまわないように注意したいポイントです。
「人は見つめてもらい、人と触れあい、人と言葉を交わすことで存在する」というのはユマニチュードならではの考え方です。
しかしこれは認知症の患者さんに限らず、病気やケガを患っている方、お子さんからご高齢の患者さんまで、医療の現場でも通じる考えです。
ケアをする側とそしてケアをされる側が絆を深め、信頼を構築することがユマニチュードの目標地点の一つです。
ぜひ、患者さんへの看護ケアやコミュニケーションに取り入れてみてはいかがでしょうか。
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HUMANITUDE japon
※HUMANITUDEおよびユマニチュードの名称およびそのロゴは、 日本およびその他の国における仏国SAS Humanitude社の商標または登録商標です。
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