厚生労働省は、「看護師等養成所の運営に関する指導ガイドラインについて」の内容の改正を行い、2016年11月から看護師等養成所の外国人留学生による、医療機関でのアルバイトを容認することとしました。
また、それに伴って、専任教員の配置規定も緩和するように改正されています。この改正によってどのような変化が起こるのかを検討してみたいと思います。
看護師等養成所とは、保健師、助産師、看護師を養成する施設の総称で、保健師助産師看護師法で定められています。保健師学校、助産師学校、看護学校などこれらの看護師等養成所の中には、積極的に海外からの留学生を受け入れているところもあります。
このガイドラインでは、看護師などの養成課程の定義や、看護師養成所などに求められる教員などの配置、構造設備、教育カリキュラム、学生の入学資格などを定めており、今回は留学生の受け入れの緩和などについて改正されました。
これまでは、看護師等養成所の留学生について、個別で審査を行い、問題がなさそうな場合のみ、法務大臣から資格外活動許可が与えられていました。しかし、医療機関等においてアルバイトを行うことについては、語学力の問題や病院内での業務ルール・生活習慣の相違などの問題、なによりも「保健師助産師看護師法違反」につながる危険性があり、認められていませんでした。
医療現場の仕事は生命に関わることも多いうえ、日本語を学びつつ、母国語でも難しい医療や看護の知識を学んでいる留学生には困難なことも多いでしょう。
今回の改正により、「原則として医療機関におけるアルバイトは行われるべきものでない」という一文が削除され、外国人留学生の医療機関でのアルバイトが容認されました。また、留学生の受け入れ人数の規定もなくなり、さらには「留学生5人に1人の割合で担当する専任教員を置く」という規定が、「必要に応じて担当する専任教員を置く」と改正されています。
規定の人数の専任教員を配置しなくても良くなるなど、全体的に見て規制緩和になっており、養成所にとっては留学生を受け入れやすくなったと言えます。留学生の人数も今後ますます増えていくことでしょう。
日本で看護を勉強している留学生にとって、医療現場でのアルバイトは実践的な勉強になり、金銭的にも助かることになります。病院側としても、人手不足の解消になります。また留学生は真摯で勉強熱心な人が多く、指導をしながら互いに学びあえることもあり、両者にとってメリットがあるのは素晴らしいことです。
しかし、これまで規制していたことを緩和するということは、その問題点が浮上してくるということでもあります。規制によって縛られることは、留学生を守っていたとも言えますので、今後は医療現場で働くことによって責任が発生する可能性もあるのです。
もちろん医療の安全を守るためにも問題が考えられます。受け入れる病院側の教育負担もありますが、何より患者さんに問題が起きないようにすることが重要課題になることでしょう。
規制が緩和されて、留学生への間口が広がり活躍しやすくなるのは喜ばしいことです。これまで規制理由にもなっていた生活や文化の違いなどの問題点がどれくらい改善されるかどうかは、今後にかかってくると言えますね。医療の安全を最優先に受け入れる側も考える必要があります。
そして、行政によるサポートや、周囲の理解なくしては難しい問題もあります。医療に関わる人たちだけでなく、病院を利用する人たちみんなで考えて、よりよい医療現場を作りあげていきたいですね。
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