通信制看護師養成所の入学要件が変更。実務経験年数10年からどう変わる?

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准看護師から正看護師になりたいと思ったとき、通信制の看護師養成所というものがあります。その場合、入学をするときに今まで実務経験年数は10年必要でした。准看護師として病院などで実務経験を10年以上積んでいる必要があったのです。

しかし、これを変える働きが始まっています。通信制看護師養成所の入学要件がどのように変更していくのか、ご紹介します。


通信制看護師養成所とは?



まずは通信制看護委養成所がどのような場所であるかをご紹介します。2004年に通信制による教育が開始されています。2年課程となっており、単位を修得したことによって正看護師になるための看護師国家試験を受験できます。

准看護師から正看護師になるために、学校へ通って学ぶという方法もあるのですが、実際に働きながら学ぶとなるとなかなか難しいです。毎日ハードな仕事をしながら学ぶ……というのは想像以上に大変なものです。

通信制であれば「学校に通う」という時間と手間が省けるため、働きながら正看護師を目指したい准看護師の実現の可能性が高くなったと言われています。


看護師不足を改善するために



今までの入学要件である実務経験年数10年を7年に変更するという働きは、看護師不足を解消するために2018年に開始予定です。

日本は高齢化社会に入っていますし、このままでは今より看護師が不足することが目に見えています。そうしたことも踏まえ、より充実した医療を確保するためには、2025年に200万人もの看護師が必要であるといわれているのです。

それだけの人数の看護師を確保するのはとても大変なことです。今でも看護師不足と言われている中で、さらに看護師を増やすというのは、これから日本が取り組まなくてはいけない優先的で重要な課題となっています。

10年の実務経験を積んでから正看護師にチャレンジできるのと、7年の経験を積んでからでは、3年もの違いがあります。「たった3年」と思われるかもしれませんが、今の自分が試験にチャレンジするのと、今より3歳若い自分でチャレンジできるのでは、違いがあると感じる方も少なくありません。
また正看護師資格を取った後も、3年早く正看護師になれる方が、早い給与収入アップが期待できるのです。3年早く給与アップできると、かなりの差ですよね。

そこで看護師国家資格に受験できる実務経験の条件を7年に緩和することで、多くの准看護師に正看護師になるチャンスと意欲を増やして、さらなる看護師の増加をと考えているのです。


質の低下が問題?



看護師になりやすくなる、という反面で問題となっているのが、看護師の質が低下するのではないか…という懸念です。看護師の仕事は、やはり経験によるスキルアップがかなり大きく影響します。実務経験が3年変わることによって、経験には差が出てしまいます。

また准看護師としてどこで経験を積んでいるのかによっても、大きな差があります。急性期病棟での7年なのか、介護施設などケアが中心の現場での7年なのかなどでも、変わってくるのです。
こうした違いから、7年に緩和したとしても、卒業時の水準を同じにできるような教育課程の改正も必要ではないかという議論もあがっています。

正看護師を目指す准看護師や病院にとってはいい話ですが、現行の教育過程のまま実務経験だけを減らしても、それによる質の低下が起こる可能性はないのか、今後も議論していく必要があるようです。


さらに下がっていく?実務経験年数


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もう少し先の話ですが、実務経験年数は10年から7年、その後はさらに下がっていくのではないか、と言われています。

看護師を増やすためにそういったところから変えていくことはとても大切です。ただし、こちらも懸念されている質の低下についてもしっかりと対策を考え、ただ単に実務経験年数を短くするのではなく、短くした分の経験を補える何かを準備する必要がありそうです。


まとめ



通信制看護師養成所の入学要件が変更になれば、准看護師にとっては3年早く正看護師を目指せるようになるため、実務経験年数の短縮はとても助かるものでしょう。
質の低下の問題は、国や看護協会などで幅広く議論されるのを待つ必要がありますが、ある程度は自分自身で勉強し、経験値を高めることもできるので、短くなる実務経験の間で学ぶ量を増やしていけるといいかもしれませんね。

看護師は日本の医療を支える大事な存在です。看護師が不足している現状から脱出するために、多くの人が看護師を目指せる環境、そして、看護師一人一人が働きやすい環境を、国や医療業界全体で考えていく必要があるのではないでしょうか。

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