仕事
2017.3.19
看護師にとって食事の介助も看護技術の一つです。患者さんの状態によって、食事の介助方法や食事形態に工夫が必要なこともあります。その人にあった食事の形態や姿勢の保持、嚥下の機能などを観察し、食事介助をしていくことが大切ですね。
また食事は、日常生活の中で楽しみの一つでもあります。患者さんに食事の時間を楽しんでもらうために、 看護師が気をつけたいことや上手に食事介助をするためのコツをご紹介したいと思います。
食事介助が必要ということは、一人ではなかなか食事を取ることができない、ということです。では食事のときにどんな変化が起きているのでしょうか。
まず一番多いのが、嚥下の機能が低下していることによって、むせやすくなっていることです。本来、口から食べた食事は、食道を通り胃に運ばれます。これは、咽頭部分で喉頭蓋がうまく機能しているためです。しかし、喉頭蓋の機能低下があると、本来空気の通り道である気管に、食事が入りむせてしまいます。
年齢を重ねることで少しずつ噛む力が弱くなり、柔らかいものを好むこともようになります。また、口腔内の唾液の分泌が減ることにより、乾燥している食べ物は飲み込みづらいと感じることもあります。
味覚の変化がみられることもあり、薄味では味気なさを感じて濃い味を好むようになります。
活動量も低下してくるので、すぐに満腹感を感じてしまったり、食欲が減退してしまう傾向にあります。
胃や腸の働きが弱ることで、胃もたれや便秘を引き起こしてしまいます。せっかくおいしい食事も、その後に胃もたれや便秘に悩まされると思うと食べる楽しみも減ってしまうこともあります。
食事をする環境にも配慮が必要です。例えば、食事をするときの姿勢や音、食事をするのに適した場所であることも大切です。落ち着いた環境で食事ができなければ、食べたいという気持ちになりにくいこともありますね。食事ができる環境であるのかについて、患者さんの立場にたって考えることも大切ですね。その人にあった食事の介助方法を選択するためには、年齢的な変化も観察することが必要になります。
食べる前の準備も大切です。少し前傾の姿勢になるように工夫が必要です。嚥下しやすい体勢になるよう、椅子も膝が直角に曲がるくらいの角度、テーブルは腕が乗ったとき肘が90度に曲がるぐらいの高さが理想です。
ベッドの場合は身体が安定するようにクッションなどを置き、食事介助をする看護師と患者さんの目線が同じ位の高さに調節することが大切です。食事の時間は、食べれるからといって、あまり長い時間かけると姿勢の保持もできなくなります。食事介助の時間は、30分を目安にし、状態をみながらすすめていくことも必要ですね。
また食事介助は、身体の健康を維持するために、必要な栄養素をとる目的もあります。食事介助をする際の、食べるスピードや量に関しては、その人にあった方法や時間で食事介助をすることも大切ですね。
例えば、スプーンにとる1口量はどのくらいが適しているのかについて考えることも必要です。その患者さんにとっての一口の量は、食事介助をする看護師の一口量とことなる場合もあります。この量が多い場合には、むせてしまう原因にもなり、誤嚥性肺炎のリスクも高くなるため注意が必要です。
食事介助は、看護技術の一つでもあります。普段の患者さんの食事のペースではなく、体調の変化によっては、いつもと同じように食事介助ができないこともあります。その時の患者さんの状態を見ながら食事介助を行い、信頼関係を築いていくことが大切です。
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