仕事
2022.6.9
高齢者の方や患者さんが心身ともに健やかな療養生活を送るには、当人の意識だけでなく周囲の環境が関与することもあるでしょう。
そこで本記事では、高齢者の方の日頃の服薬を支援する企業と、患者さんの心身ともに穏やかな入院生活に寄与する企業を紹介します。高齢者の方や患者さんが、より豊かな療養生活を送れるようにサポートしたい看護師さんは、ぜひそれぞれの企業が提案する製品やサービスに注目してみてください。
有限会社デジレクトは、コミュニケーショントイを中心に計画から製造、販売までの包括的な事業、および卸売事業などを行っている企業です。2005年に設立して以来、高齢者の方がイキイキと笑顔で過ごせるように、考え抜いた玩具の提供を行っています。
同社が手がけるスマイルメディくんは、使用者の服薬時間を設定するとにその時間に合わせ、声をかけてお知らせしてくれるコミュニケーショントイです。
背面には1回分ごとに分けて薬を入れられる工夫が施されており、お知らせだけでなく薬箱としての役割を果たしてくれるのもポイントと言えます。
また、同製品の特長はそれだけではありません。周囲から聞こえる音や声を拾ったり、ある一定の時間帯だったり、頭のスイッチを押したりすることでコミュニケーションをとることが可能です。
話してくれる内容は全部で約600種類にもおよび、雑学や食べ物、睡眠、運動といった幅広い健康に関することと、日常会話が用意されています。加えて早口言葉も収録されており、使用者が復唱することによって口腔体操につなげられるでしょう。
呼称もおじいちゃんやおばあちゃんをはじめとして8種類あり、当てはまる呼称を設定することでより親近感が生まれます。
さらに、同製品は午前7時に起床し、午後10時に就寝するという生活リズムが導入されている点にも注目です。同じように生活を送ることによって、使用者の生活リズムも整います。
訪問看護で在宅療養をサポートしていると、服薬を忘れがちだったり、コミュニケーション不足に陥ったりしている状況にある高齢者の方と関わることもあるかもしれません。そのようなとき、同社が提供するスマイルメディくんの存在を看護師さんが知っておくと有用でしょう。
「技術に懸ける、世界を駆ける、小さな大企業」をスローガンに掲げ、独自の技術で社会貢献を目指しているテックワン株式会社。合成織物のプリントから染色加工、ラミネーションまで包括的に行う合繊織物染色整理加工事業を展開している企業です。
ベッドの上で入院生活を送ることが多い患者さんは床ずれのリスクが高く、予防策を講じることが大切となってきます。それには体位変換やスキンケアなどが挙げられますが、体圧分散マットレスもその一つです。
同社が提供する体圧分散マットレスのメディマットは、上部は低反発無膜ウレタンフォーム、下部には高反発無膜ウレタンフォームを採用。程良い沈み込み感により体重を分散させ、腰や肩への負担軽減をサポートします。
また、超撥水機能と防水透湿機能が備わったベッドカバーを使用することで、尿や嘔吐物などの液体の浸透を防ぎつつも、蒸れを防ぐ高い透湿性を実現しました。それに加えて、銀イオンによる抗菌・防臭加工で、花粉やウイルスといったアレルゲンのマットレスの内側への侵入も防止します。
表面上の汚水や汚物などが拭き取りやすく、かつアルコール消毒も容易にできるため、慌ただしさのある医療現場に最適と言えるのではないでしょうか。
さらに、マットレス本体が水洗いに対応していたり、ベッドカバーは何度も洗えるほど耐久性に優れていたりと、常に清潔さを保てるのも魅力と言えます。
入院患者さんのなかでも、特に長期間にわたって入院生活を送らなければならない患者さんにとって、ベッドを含めた療養環境が快適かどうかは大きな問題となりえます。患者さんの過ごしやすさについて思案している看護師さんは、同製品を参考にしてみると良いかもしれません。
株式会社ふくいちは、埼玉や東京、神奈川といった関東圏にある医療機関および福祉施設を中心に、出張・訪問販売の事業を展開している企業です。医療機関や福祉施設との契約件数は150件ほどにものぼり、年間400回以上の出張・訪問販売を行っています。
入院生活は場合によって単調になりやすいため、患者さんが楽しみを持てるようにレクリエーションやイベントなどで変化を起こす医療現場も多いのではないでしょうか。その際に有用な方法の一つとして挙げられるのが、ふくまると呼ばれる同社が行う出張・訪問販売です。
同社では、訪問・出張先の要望をしっかりとヒアリングし、当日のイベント環境を構築。患者さんが心からお買い物を楽しめるように、安心かつ安全な時間と空間づくりを目指しています。
商品のラインナップは衣類をはじめ、日用雑貨や食品など幅広く、事前に相談があればそのほかの商品リクエストにも応じているのが特長です。
過去には「明るめの衣類を中心にお願いしたい」「なるべく価格を抑えたものを用意してほしい」「デパートのようなオシャレな雰囲気を出してほしい」といった要望にも応え、多方面から喜びの声が届けられています。
また、そのほかにもオンラインショップやカタログ販売、常設コーナーの設置、イベント用プレゼントの受注などを実施。さまざまな形で、各医療機関の需要に応えています。
看護業務の最中にも患者さんに喜んでもらえるイベントを考えるのは、大変な部分もあるでしょう。そうした折に、こうした同社の取り組みを知っておくことで、患者さんはもとよりイベントを考える看護師さんの負担軽減の一助となるかもしれません。