国家試験は看護師になるための切符です。だから誰しもが少なからず緊張してしたのではないでしょうか。私も4年間で学んだことが試される機会とあって、とても緊張したことを覚えています。
試験当日はそれぞれ指定された会場での受験となり、他校の学生と同じ空間で試験を受けることになります。自宅から会場が離れている場合は、受験会場までの移動手段を考えなくてはなりません。また、看護師・保健師・助産師の国家試験は日にちが近いため連続して試験を受けることも。
それぞれがそれぞれに国家試験の思い出を持っていらっしゃるのではないかと思います。
今回は、そんな国家試験を乗り越えて看護師となった私の、試験当日の思い出のエピソードを紹介したいと思います。みなさんも国家試験の日の空気などを思い出しながら読んでいただければと嬉しいです。
みなさんの国家試験会場はどこでしたか? 国家試験は2月に行われるため、学生時代のアパートを引き払って実家に戻っているという人も少なくないと思います。
指定された試験会場が自宅に近いのか遠いのかまたは、受験する試験の数(保健師・助産師など)によって試験前に前泊や連泊が必要になったり、朝早くに出掛けていく必要があったり…ひとそれぞれですよね。学校によっては、バスで受験生を送迎しているところも多いようですね。
私の場合は、都内の会場での受験でしたが、すでに東京から遠くの実家に帰省していたため、当日では間に合いませんでした。また、看護師の試験前に保健師の試験の受験も希望していたため、それぞれの受験会場(資格によって受験会場が異なりました)の中間地点にあるホテルを予約して、連泊することにしたのです。
私は国家試験前に最も仲の良い大学の同級生の友人と二人で連泊しました。地元が近いこともあり、それまでにも卒業試験や定期試験、看護実習の際に一緒にウィークリーマンションなどに宿泊しながら勉強した経験のある友人です。やはり、1人で国家試験に挑むよりも2人だと心強かったです。
しかし、ハプニングが起こってしまいました。
1泊目の保健師の試験前日には家族や友人、恋人や先輩、後輩などからメールや電話で応援メッセージがたくさん届きました。私はホテルの部屋でそんな応援メッセージのひとつひとつに勇気をもらい、感謝して、長時間話をしたり、メールを返したりしていました。
一方の友人は「試験前の追い込みをしたい!」と試験前の見直しに集中したかったようで、なんと試験前日のホテルの部屋で、ケンカをしてしまったのです!?
ただでさえ試験前はお互い気が張っているもの。お互いの行動が気に障り、言葉の端に込められた意味が気になり、普段なら流せる些細なことも、その日は許せなくなっていたのです。
同室ですから私の行動が迷惑だったことはいうまでもありません。
その日は予約がいっぱいで、ツインではなくダブルの部屋に宿泊していたのですが、その夜は、ベッドの端と端でお互いに背を向けながら縮こまって眠りました。
緊迫だけでなく険悪な空気の中で「明日は試験を受けなければならない……」という精神的にあまり良いとは言えない状況になってしまい、感情が高ぶってよく眠れませんでした。それは友人も同じだったようです。
ケンカした翌日は保健師の試験でした。前日のケンカをやや引きずっていましたが、お互い試験当日ということでギクシャクしながらもいつも通りを心がけ、それとなく会話をしつつ、朝食を済ませて会場に向かいました。それでもいつもよりは口数はずっと少なかったと思います。
会場へ向かう電車の中で、ハプニングがまた起こってしまいました。
都内の朝の電車はラッシュで混み合っているます。私たちは二人並んでつり革につかまっていましたが、ケンカの影響と混雑した車内で会話はほとんどしませんでした。私は窓にうつる自分たちを見ていたのですが、ふと、友人が明らかに具合悪そうにしていることに気づいたのです!?
横を見ると友人は顔面蒼白になっています。小さな声で聞いてみると「貧血を起こしてしまったみたい」と言うのです!?
驚いた私はとっさに前に座っていたスーツの男性に声をかけ、友人の具合が良くないので彼女と席を譲ってもらえないかと相談し、混み合う中、周囲の乗客の協力も得て、なんとか友人を席に座らせることができました。会場近くのホテルに宿泊していたこともあり、電車を降りた時はまだ時間に余裕があったので、最寄り駅で少し休んでから会場入りすることにしました。
都内の満員電車で走行中の席移動は想像以上に難しく、女性一人ではとても声をかけにくい状況。2人でいたからこそ対応できたと思います。国家試験の前は、今までの勉強のストレスや長旅の疲れ、前日の睡眠不足(私達の場合はケンカが原因ですが)などによって体調を崩してしまうこともあります。そんな時に友人が一緒にいてくれたことは、お互いにとって心強いものだったのだと改めて思いました。
保健師の試験翌日には解答速報がでました。すぐに答え合わせをしたいと思う人もいますし、すべての試験が終了して帰宅してから答え合わせをしたいと考える人もいますよね。友人と一緒にいると、どちらかが答え合わせを始めれば、相手も気になってしまうものです。私たちは2人で相談して、保健師の国家試験の答え合わせをしてから、翌日の看護師の国家試験を受けることに決めました。
保健師の試験結果に満足ができなければ、精神的に看護師の国家試験に影響するかもしれませんが、ずっと気にしているよりも忘れて楽になりたいと思ったからです。
でも翌日の看護師の試験後は、そのまま答え合わせはせずに、スッキリした気持ちのままで打ち上げの食事を楽しんで、新幹線で帰宅したのです。
そのかわり、後日、電話で恐る恐るお互いの試験結果を話した記憶があります。
私たちはその年にふたりとも無事に看護師と保健師の国家試験に合格することができました。
合格後の数年間は、同じ大学病院で、それぞれの部署に勤務していました。部署が違ったので忙しい時はなかなか会えませんでしたが、それでも愚痴や悩みを相談できる大切な存在でした。
現在は、お互い子育てをしながら、それぞれ別の病院で働いていますが、今でもたまに電話で話をしたり、メッセージのやり取りをしています。
今となっては、国家試験のときにケンカしたことも良い思い出のひとつです。
国家試験は、誰もが少なからず緊張するものですよね。1人で受験する人、友人と一緒に試験に挑む人、それぞれにメリットがあると思います。いずれにしても看護師にとって、国家試験というのは忘れられない1日になるものですよね。
あなたの国家試験の日の思い出は、どんなものだったでしょうか? たまには「あの日」の気持ちを思い出して見ると、初心に帰れていいかもしれませんね。
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