看護師さんが良いケアをするためには、患者さんとしっかり信頼関係を築くことが大切です。看護師さんとの信頼関係があれば、患者さんも安心して治療に専念できます。ここでは、看護師さんが患者さんと良好な関係を築くために必要な心得と、役立つスキルをご紹介します。
患者さんによってさまざまな違いがあり、価値観や世界観は人によって千差万別です。信頼関係を築く上でまずはじめに大切なのは、その人を理解すること。患者さんがどのように見て・聞いて・感じているのかを、看護師さんの観察眼でしっかりととらえてコミュニケーションすることで、より良い信頼関係が築けるでしょう。
もちろん、疾患や治療をはじめ、年齢や性別、生い立ち、家族環境、職歴など、患者さんの基礎的な情報をおさえることが大切なのは、言うまでもありません。
看護師さんが患者さんとの信頼関係を築く上で大切なのは「共感すること」。患者さんとのコミュニケーションで、共感を高める3つのスキルをまとめてみました。
患者さんが看護師さんに話すとき「この看護師さんは私の話をわかってくれていない」と、もどかしい思いをすることがあります。症状や痛みはともかく、疾患や治療の不安や恐怖を相手に伝えるのは難しいことです。
「伝わらない」と感じてしまうと不信感が生まれ、信頼関係が築けないばかりか、怒りを感じてしまうことも。効果的なのは、患者さんが会話に使った言葉をそのまま返してあげること。以下の3つの“言葉”が、看護師-患者間の信頼関係の鍵になります。
患者さんが繰り返し使う言葉や、重要だと思われる言葉に注目しましょう。そのときの感情や、患者の価値観などに触れる言葉は効果的です。
【言い換え例】
「いつまで入院が続くのかと思うと、不安で眠れなくなるんです」→「不安で眠れないのですね」
患者さんの言葉に「~と感じる」「~のように聞こえる」などがあれば、同じように返してあげましょう。語尾を返すことで、患者さんは看護師さんが世界観を共有していると感じ、関係が深まります。
【言い換え例】
「今は落ち着いていても、いつか病気が再発するかも、と思うと、不安に感じていて…」→「再発するかも、と不安に感じるんですね」
患者さんの話を要約して返してあげると、相手は世界観を共有していると感じ、看護師さんとの信頼関係が自然に築きやすくなります。
相手の話が長い時などは、要約して返してあげることで、お互い気持ちを整理できて、効果的です。
【言い換え例】
「この入院期間中、どうなることかと思っていましたが、手術も無事に終わって痛みも落ち着きました。 あとは早く退院できればいいな、と思っているんです」→「手術も無事終わったし、早く退院できるといいですね」
動作や姿勢を合わせることで、相手と共感しているような状態を生むと言われています。身振り手振りを使って話しているか、静かに語っているかなど、患者の言動をよく観察しながら応対しましょう。
お互いの調和した自然なコミュニケーションが、関係を深めるでしょう。
相手の感情や気分、話のテンポや抑揚に合わせることが、円滑な関係を支えます。患者さんがゆっくり話すならば看護師さんもゆっくりと話し、患者さんが悲しそうな時は同様な調子で話してあげるとよいでしょう。
相手をよく見て、声の大きさや高さなどの全体の調子を合わせます。呼吸や瞬きなど、言葉以外の要素を合わせれば、言葉によるコミュニケーションができない患者さんとの関係も深めることができます。
このように、看護師さんが患者さんと信頼関係を築くために大切なのは、豊かな経験やスキルというより、冷静な観察とちょっとした工夫です。理解しようとする姿勢は相手に伝わり、「この看護師さんはわかってくれる」という思いが、信頼関係につながるのです。
相手を知り、ペースを合わせるだけでもお互いの関係は変化します。日々の小さな実践を積み重ねていけば、対話が困難な患者さんとの信頼関係も築きやすくなるでしょう。
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