高齢者への輸液、気をつけたいことは?

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日本の高齢化はどんどん進み、2025年には全人口に対する75歳以上の割合が5人に1人になることが予想されています。今後医療を必要とする人の高齢化も進むため、看護師として対応できるよう、高齢者に特徴的な身体の機能の低下などを知っておくことが必要になりますね。

高齢者に輸液をしなければならない場面は多くありますが、どのような看護ポイントに留意しながら輸液を行っていけば良いのでしょうか?

高齢者への輸液、なぜ気をつけるのか?


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高齢者は一般成人と比較して身体の水分量が少なくなり、細胞内の水分量が不足がおこりやすい状態になります。口渇を感じる閾値の低下もみられ、経口での水分が不足し脱水になる可能性も高く、夏場に熱中症を引き起こしやすい傾向にあります。

そんなとき、必要に応じて輸液は積極的に行うべき治療の一環となりますが、高齢者における輸液管理について十分に注意すべき看護のポイントがあります。

まず、高齢者の方は既往歴があることが多いです。
人によっては飲んでいる薬の量も多く、お薬手帳などで薬をしっかり確認し、輸液前に採血して腎機能の状態を確認する必要があります。腎機能が低下した状態で、適切な輸液が行われない場合には、水過剰、電解質の異常をきたし、心不全や肺水腫などの臓器不全を起こす可能性があります。

緊急で輸液が必要な状態だからと、例えば5%ブドウ糖の輸液を始めたが、この高齢者の腎機能が低下していたとしたら、どうしても自由水が出てしまうので低ナトリウム血症を引き起こしてしまうのです。

低ナトリウム血症が急激に起こると、重症化しやすいので高齢者ではとても危険です。
一般成人ではなんでもないようなことでも、高齢者には命取りになる、そんなことが多くあるのです。

高齢者が輸液する場合に留意することとは?


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高齢者の方が輸液する際に、水分過多による低カリウム血症を筆頭に様々な電解質異常を起こす可能性が多くあります。電解質異常を起こすと、高齢者の場合は生命に危険を及ぼす可能性が高くなります。

危険な状態を招かないようにするためには、まず、輸液を最低限の量でやめておくという事です。どうして輸液を行うのか?ということを必ず明確にして、それから必要な量を決めていきます。

その時の状態によって輸液を中止し、必ず水分のイン・アウトバランスを見直すことが重要です。

しかし、例えば高齢者の方が脱水症状を起こしていても、その所見が典型的な脱水を示していないことがあるので、とても分かりづらく、水分量を正確に把握するのが難しいのが現状です。

そんなときは、一つの目安として体重測定をオススメします。輸液の前と後など、定期的な体重測定が水分量を把握するのに有効な手段であるとされています。
まめに体重測定を行うことは、患者さんにとっても看護師にとっても手間ではありますが、輸液をすべきかどうかの判断に大事な情報にもなりますね。

まとめ


高齢者における生理機能は老化によるものもありますが、ストレスの負荷、回復力の低下などの個人差や防御反応の低下、予備力の低下など臓器差によっても生じます。これに対し、身体的な変化としては、細胞数の減少や細胞の働きの低下によって皮膚の乾燥や弾力性の低下などもおこります。

高齢者の方へ安全な治療や看護を提供するためには、生理的、身体的な特徴をふまえた上で輸液管理を行っていくことが大切になります。

2015年に総務省が発表したとおり、日本は人口の4人に1人が高齢者という過去例を見ない超高齢化社会に突入しました。

この先、病院を受診する患者さんも、ますます高齢化していくはずです。

病院には多くの診療科がありますが、どの科に所属していても高齢者の看護の際には、身体状態の変化についてしっかり把握し、看護を提供していく必要があると思います。

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