現役看護師が看護学士を取るメリットとは?働きながら学士を取得する方法

2017.10.16

看護学士を取るメリットは何なのか、知りたいと思っている現役看護師の方もいるのではないでしょうか。看護学士を持っていると、職場によってはキャリアアップに繋がったり、待遇が良くなったりする場合があります。

しかし、学士取得にメリットがあるとはいえ、現役の看護師が働きながら4年制大学に通い直すのは難しいかもしれません。

そこでこのコラムでは、現役看護師が学士を取るメリットや方法についてご紹介します。

看護学士とは

看護学士は、主に4年制大学の看護学を専攻する学部学科を卒業した人に与えられる学位です。「学士(看護学)」と表記されることもあります。
学士は、教育職員免許状の基礎資格であるほか、大学院修士課程や専門職大学院の受験資格にもなっています。ただし、看護師においては、看護師国家試験や認定看護師試験の条件に、学士は含まれていません。

なお、学士のほかには、修士や博士、専門士、短期大学士、準学士などといった学位・称号が存在します。
それぞれの違いについて確認してみましょう。

修士

主に大学院の修士課程を修了することで与えられる学位です。
専門看護師の受験資格のひとつとして定められています。
カリキュラムには看護管理学的な実践も含まれます。

博士

博士を取得するには2通りの方法があります。
1つは、大学院の博士課程を修了した場合で、課程博士と呼ばれる方法です。
もう1つは、論文が論文審査によって認められた場合で、論文博士と呼ばれる方法です。
看護学の博士課程は、看護学分野における「研究」という色合いが強くなります。

短期大学士

短期大学を卒業することで与えられる学位です。
短期大学士を認められると、大学への編入学が可能になります。

準学士

高等専門学校の修了者に与えられる称号です。

専門士

修業年限が2年以上等、文部科学大臣が定めた基準を満たした専門学校の修了者に与えられる称号です。
専門士は、大学への編入学の資格を有しています。

高度専門士

修業年限が4年以上等、文部科学大臣が定めた基準を満たした専門学校の修了者に与えられる称号です。
高度専門士は大学院への入学資格を有しています。

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看護学士を取るメリット

現役看護師が看護学士を取るメリットはおおよそ以下のとおりです。

待遇の改善が見込める

大学卒で待遇が異なる勤務先にお勤めの方であれば、学位を取得することで給与などの待遇が改善されるかもしれません。

キャリアアップの選択肢が増える

学位を取得すれば、修士や専門看護師といった、学士の先にあるより高度なキャリアを視野に入れることができるようになります。
キャリアアップのひとつの目標として、学位取得を目指している方も多いのではないでしょうか。

転職時に役立つ

転職の際に、大卒を基準に設けている職場を候補に入れることができます。
ほかにも教員を目指す場合や、海外で活躍したい場合等にも、大卒資格があると有利になるようです。

看護学の知識が身につく

看護学に明るくなることで、看護研究に役立てたり、実務に自信をもって臨めるようになったりすることが期待できます。
生涯学びのある職業といわれる看護師において、基礎知識的な看護学を修めているかどうかは実務上でも重要なポイントになるといえるでしょう。

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現役看護師が看護学士を取る方法

学士は、主に4年制大学の卒業者に与えられる学位です。
現役の看護師が学士を取ろうとすると、働きながら大学や大学院へ通うことになり、とても大変です。
常勤を辞めたり、働き方を変えたり、休職したりする必要があるかもしれません。
理想は、貯金をしっかり貯めてから休職して通うことですが、経済的な理由等でなかなか難しいという方も多いでしょう。
そこで、現役看護師が働きながらでも看護学士を取れる方法をご紹介します。

通信大学を活用する

自宅学習を中心に、通信教育で大学の科目を履修する方法です。通信大学は、主に社会人や家庭を持っている人などが利用しています。学費が安いことや、時間と場所を選ばず学習できることが魅力なようです。
通信大学を卒業するには、通学式の大学と同様に124単位が必要で、学習時間の多くは単位取得のためのレポート作成や定期試験対策、卒業論文作成に当てられます。また、中にはスクーリングという教室参加型の授業もあるようです。

現役看護師が、働きながら通信大学に通うことは可能です。ただしプライベートな時間の大半を数年にわたり通信教育に当てる必要があるでしょう。
学習に関する自己管理ができていないと卒業までたどり着くのは難しいかもしれません。

夜間大学を活用する

夜間大学は、夜間に行う授業を中心とした大学です。大学2部と呼ばれることもあります。
授業は主に、平日の18時以降と土曜日に行われることが多いようです。そのため働きながら学習できるとして社会人に人気があります。

なお、卒業に必要な単位数は昼間と変わらない124単位で、かつ授業数は昼間のおよそ半分です。そのためストレートで夜間大学を卒業するためには、なるべく欠席無しで通学することと、単位を落とさないことが重要になります。そのため、毎日定時で帰れる職場でない限り、夜間大学に通い続け、ストレートで卒業するのは難しいかもしれません。

上記のように、通信大学や夜間大学に通うことで、現役看護師も大卒として学士を取得することができます。

ただし、働きながら時間を工面しつつ、レポート作成や試験勉強を経て124単位を取得するというのは難しいでしょう。あるいは、予定していた以上に時間がかかってしまうこともあるかもしれません。
そこでおすすめしたいもう一つの方法が、学位授与事業の利用です。

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学位授与事業の利用が近道

短期間で学位(看護学)の取得を目指したい方は、「独立行政法人 大学改革支援・学位授与機構」が行っている「学位授与事業」の利用を検討してみてはいかがでしょうか。
学位授与事業とは、大学卒業者等と同等の学習を修め、同等以上の学力を有すると認められた方に学位を授与している事業です。

看護系短期大学を卒業している現役看護師、看護系専修学校専門課程を修了している現役看護師(大学に編入できる方)、高等学校等専攻科を修了している現役看護師など(=基礎資格を有するもの)は、通信大学などで必要な単位を取得して学修成果(レポート)を作成し学位授与事業に申請、試験・審査に合格すれば学位(看護学)を取得できます(取得すべき単位などは人により異なります)。学士(看護学)取得に必要な期間は1年以上もしくは2年以上です(卒業した学校により異なります)。

※看護系専修学校卒の方は規定の単位をしっかり取っている人(学校教育法第132条の規定を満たし大学に編入学できる者のみ)が、申請・受験できますので、専門学校卒の方全員が利用できるわけではありませんので、確認されるといいでしょう。

なお学位授与事業を利用した場合、「大卒程度の学力を有する」として学位を取得することができますが、職場によっては学位は認められても大卒として扱われないことがあるようなので、留意しましょう。

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看護学士の学位を活かして転職するなら…

現役看護師が働きながら看護学士の取得を目指すことは容易なことではありません。しかし、学士を取ることで、さらなる資格を目指せたり、待遇が良くなったり、管理職を目指せたりと、看護師として成長できることは間違いないでしょう。

看護師は生涯学びのある職業と言われています。
臨床での学びもとても大切ですが、さらに大学や大学院で学びたいという方は、自分にとって何が必要なのか目標をしっかりと設定し、年単位での仕事や資金などの計画を立ててからチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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