仕事
2017.10.19
内科病棟は、外科病棟に比べて忙しくないイメージがあるかもしれませんが、精神的な負担は内科であっても外科であっても変わりません。業務も外科に比べると時間に追われてバタバタすることが少ないというだけで、アセスメントの能力や観察力はどこの病棟で働いても必要不可欠なのです。
ここでは、内科病棟ってこんなものなのかな? と考えているあなたのために、内科病棟の「あるある」について、ご紹介してみようと思います。
内科と一口に言っても、今はかなり診療科が細分化されて、大学病院などでは消化器内科、血液内科、呼吸器内科などに分かれています。
小・中規模な病院の総合内科の病棟では、さまざまな疾患の患者さんが入院してきくるため、幅広い看護スキルが求められることもあります。
しかし、いずれにしても内科病棟に勤務する上で大事なのは、鋭い観察力とコミュニケーション能力です。
内科の患者さまは、外科の術後のような回復の過程をとらず、ゆっくりとした経過の中で病態に変化をきたします。そのため、症状に何らかの変化があっても患者さま自身は気づかないこともあります。
だからこそ、患者さんの疾患や症状を理解して、微細な変化にいち早く気づけるような観察力が看護師に必要になるのです。
また、どこの病棟でも必要なのですが、内科では特にコミュニケーション能力が必須になります。自分の状態に変化があっても訴えることができない患者さまや高齢の患者さまの場合には、こちらから必要なことを問いかけ情報を収集することが必要になります。
そのため、コミュニケーション能力に自信が持てずうまく会話できないと、意思の疎通が難しく、また少しでも「この看護師さんと合わないな。」と思われてしまうと、その後のコミュニケーションが困難になってしまいます。
内科病棟に勤めるのであれば、患者さんの状態をしっかりとヒアリング出来るようなコミュニケーション能力をもち、さらに信頼関係を構築できるよう対話をすることが大切になります。
特に高齢の患者さんの場合には、お世話になった医療関係者に対して何かお礼や心付けをしなくてはならないと思う方もいます。
ある高齢の男性の患者さんが入院されている時に、少し時間を取って傾聴したことがありますが、退院される日になって封筒に入ったお金を準備されていることがありました。
さすがに受け取れないので、「お気持ちだけ頂戴します。」とお伝えしお返ししたのですが、看護師にとっては普段の些細な行動でも、患者さんにとっては心に残るような大切な時間だったと知りとても嬉しい気持ちになりました。
安静などの治療のため、トイレ歩行が難しい患者さんにバルーンカテーテルを入れることがあります。さらに必要に応じてオムツを使用することもあります。しかしときには、状態が回復された後でもバルーンを抜きたがらない患者さんがいらっしゃることがあります。
高齢の患者さまの場合には、治療によりベッド上で過ごす時間が長くなることで、さらに足腰の筋力が低下することもあります。筋力の低下によって、ベッドから起きてトイレまで歩くという動作で転倒するリスクが高くなります。
口渇を感じにくく水分補給が十分でない場合には、バルンカテーテルを留置しておくことでさらに尿路感染のリスクもあります。患者さまの状態が安定しバルンカテーテル留置の必要がない場合には、歩行時の危険や感染のリスクを説明しバルンカテーテルを抜去する必要があります。
疾患によるバルンカテーテル留置が必要でない場合には、1日でも早くもとの生活にもどれるように看護師として看護計画をたて、退院後の生活に向けて援助していくことが大切になります。患者さまが何を不安に感じているのかという気持ちに寄り添い、説明をし納得した上で看護を提供していくことも必要になりますね。
慢性疾患の患者さんもいるため入院が長期化するのも内科病棟の特色になります。その分、栄養バランスや内服の管理などの生活に関する指導を行う場面も増えるので、時間をかけて良い人間関係を築きやすい環境といえます。
手術などの急性期やそれに応じた看護を学びたい人にとっては、外科病棟の方がいいという人もいます。内科病棟では、根気よく患者さんと向き合いながらじっくりと関わることで、外科病棟にはない看護を学ぶこともできそうですね。
内科病棟の看護師は、外科病棟と違った大変さや忙しさがありますね。患者さまが症状を訴えられないとき看護師はじっくりと関わり、患者さんとコミュニケーションを図りながら日々看護にあたることもあります。
明日からほんの少しだけ、日常の看護を違う視点で看ることやいつもと違うアプローチ方法を試してみることで、内科病棟の看護師としてさらにやりがいを感じることができるかもしれないですね。
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