
看護師のちょっとしたミスから起こる、インシデントや医療事故。
特に与薬に関するミスが多いということは、以前もお伝えしましたね。
今回は、臨床現場で実際に起こった与薬に関するミスの具体的な事例を紹介します。
看護師がミスや医療事故を起こすことを防止するために、どうしたら良いのかを考えてみましょう。
看護師は、治療・処置のみならず、患者の日常生活のケアも実施しなければなりません。
それでは、臨床現場で実際にあった、与薬に関するミス事例と深刻な医療事故を見てみましょう。
ある患者の内服薬を、同姓の別の患者に内服させてしまった。患者に特に症状はなかったが、誤薬をしたことに不信感を抱かれた。
心不全のある患者の点滴を、時間指定よりかなり早く大量に落としてしまった。患者は胸部不快を訴えたが、症状はすぐに軽減した。
へパリン生食の注射器と消毒薬の注射器をとりちがえて点滴ラインに注入した結果、患者が死亡してしまった。
Aさんのケースは、与薬の際のチェックを基本に忠実に行えば防げたミスでした。
患者さんのダメージはほとんどなかったものの、基本の確認には気をつけたいものです。
Bさんのケースは、点滴開始時に滴下速度を合わせた後、滴下速度が変わってしまった結果のできごとです。
腕の角度、刺入した血管の部位によって、滴下速度は変化することも。
重大な医療事故の可能性もありますので、定期的な観察が重要ですね。
そして問題は、決定的な医療事故となってしまったCさんのケースです。
Cさんはほかの看護師が準備していた注射器を、誤って取り違えて事故を起こしてしまいました。
Cさんが十分な注意を払っていれば、この事故は避けられたのかもしれません。
しかし、実はこの病院では、ヘパリン生食と消毒薬に、同じ色の注射器を使用するという方法をとっていたのです。
この病院は、ほかにも薬に関する安全管理に問題点がありました。
医療事故につながるような看護師の重大なミスには、病院の安全管理に問題があることが多いと言われています。
看護師の基本的な確認と平行して、病院全体で安全管理対策を取ることが、医療事故防止のために重要なのです。
薬の投与量など、医師の処方がおかしい場合、知識があれば間違いに気づけるでしょう。
また、看護師が実施できる業務の範囲をおさえておくことも、医療事故を起こさないために必要です。
基本に忠実に、薬剤の確認をしましょう。
緊急時など、医師から口頭指示を受けて薬剤を使う場合も「○○薬、○㎎ですね?」「○○注射ですね」などと声に出して確認しましょう。
誤りがある場合、医師やほかの看護師が気づくきっかけになります。
看護師にミスがなくても医療事故が起こる可能性もありますから、気をつけたいですね。
夜勤や残業、人手不足などで疲労がたまるとミスしやすくなり、医療事故につながります。
休憩をきちんととることは、安全管理のためにも大切です。
職場の業務と自分のペースが合わず、努力してもミスが多い場合は、環境を変えてみると良いでしょう。
落ち着いて勤務できる環境であれば、ミスもしづらくなるでしょう。
日本看護協会の「医療安全推進のための標準テキスト」※は、寝不足や疲労、医師など権威ある者の間違いは指摘しづらいという心理、似たような物が近くにあると間違えるなど、さまざまな環境要素がヒューマンエラーを誘発する、と指摘しています。
医療事故につながるミスを防ぐためには、看護師個々の努力のみならず、医療現場の適切な管理が必要なのです。
毎日の勤務でミスや医療事故への不安が大きい場合は、今の職場環境に問題があるのかもしれません。
※参照:http://www.nurse.or.jp/nursing/practice/anzen/pdf/2013/text.pdf
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