空気が乾燥し、気温が低くなる冬は、感染症が流行する季節でもあります。多くの医療機関では感染症の予防としてさまざまな対応を取り、看護師や医師の感染を防いでいます。今回は、この時期に流行する感染性胃腸炎のひとつである「ノロウイルス」に焦点を当て、その感染予防と感染源の処理方法についてご紹介します。
ノロウイルスを予防する第一の方法は「手洗い」です。感染源である下痢や吐物の処理後はもちろん、業務の合間に正しい方法でしっかり手洗いをすることで、感染を防ぐことができます。
まず、水道水で手を濡らしてから石けんをつけ、手のひら全体を使ってしっかり泡立てます。次に手の甲をこすり合わせながら洗います。指先や爪の中は手のひらにこすりつけるようにして洗いましょう。
さらに両手の指をクロスさせながら指の間を洗い、親指は反対の手でしっかりこすって洗います。手首も反対の手でくるくると回すように洗ってから、流水で15秒以上かけてしっかり洗い流せば完了です。
そして、ペーパータオルやタオルで手を拭いてから、そのタオルで蛇口を閉めます。ノロウイルス感染予防のための手洗いでは、蛇口を閉める前に手を拭いてしまうのがポイントです。
使い回したタオルには菌が付着している可能性があるため、使い捨てのペーパータオルで拭くのがおすすめです。また、タオルを使用する際は共有しないようにしましょう。
ノロウイルスを予防するためには、トイレも感染経路であるということを意識して正しく使用することが大切です。
まず便座をトイレットペーパーなどで拭きましょう。便座を拭くための洗剤が備えてある場合は、トイレットペーパーに洗剤をつけてから便座を拭きます。拭き終わったペーパーはフタを閉めて一度流し、再度座って用を足すのがベストです。
そして、用を足して水を流すときは「フタを閉めてから流す」ことも重要です。フタを開けたまま流すと、水しぶきなどによってウイルスが舞い、衣服や肌に付着して広がってしまう可能性があります。
トイレ後も先ほどご紹介した方法でしっかりと手洗いを行い、使い捨てのペーパータオルなど清潔なもので手を拭くようにしましょう。また、トイレのタンクの水で手を洗うときは、手を洗ってからドアノブを回して外に出ることになると思います。その場合、ドアノブにウイルスが付着している可能性があるため、再度洗面所で手を洗ってから業務に戻ることが望ましいです。
また、トイレ掃除の際は次亜塩素酸ナトリウムの洗剤を使用するとノロウイルスの予防に効果的です。
使う前は説明書をしっかり読んでくださいね。
吐物の処理は、ノロウイルスの感染を予防する上でもっとも重要です。必要な物品をしっかりと準備し、ウイルスを蔓延させないよう適切な処理を行うことを徹底しましょう。
吐物の処理に使用した物品は使い回さずその都度処分することが望ましく、すべて使い捨てのものにすることがポイントです。使い捨てのエプロンと手袋、ウイルスの侵入を防ぐためのワイヤー付きマスク、新聞紙やキッチンペーパー、ビニール袋、次亜塩素酸ナトリウムの漂白剤を準備します。
つぎに処理方法をご紹介します。まず事前に吐物の近くに新聞紙を敷いておき、ビニール袋を用意してから吐物をキッチンペーパーで覆います。それとは別に、次亜塩素酸ナトリウムの漂白剤を水で薄めた液体でキッチンペーパーを濡らしておき、吐物を覆っていたキッチンペーパーごと拭い取ります。
薄めた次亜塩素酸ナトリウムの漂白剤で濡らしたキッチンペーパーで何度か吐物を拭い取り、さらに水で薄めた漂白剤で濡らした雑巾を使ってきれいに拭き取ります。雑巾で拭く時は必ず2回以上拭きましょう。処理に使ったものはすべて新聞紙でまとめて包み、用意しておいたビニール袋に入れて処分します。
ノロウイルスの疑いがある人が寝具に嘔吐してしまった場合、その吐物を処理する際もウイルスに感染しないよう適切な処理方法を徹底しましょう。
まず使い捨てのエプロン・手袋・マスクを着用し、ビニール袋を用意してから吐物をペーパータオルで取り除きます。これを何度か繰り返して吐物を取り除いたら、汚れたシーツなどを外し、次亜塩素酸ナトリウムの漂白剤を薄めて濡らした雑巾で寝具を拭きます。
シーツは破棄するのが最も安心ではありますが、洗濯する場合は先に次亜塩素酸ナトリウムの漂白剤で下洗いをしたうえで、通常の洗濯を行ってください。片付け終わったらエプロン・手袋・マスクの順番で外し、ビニール袋に一緒に入れて廃棄します。
医療機関ではこちらで紹介したような感染予防対策を徹底しているところがほとんどなので、看護師や医師の間でノロウイルスが蔓延してしまうことは少ないようです。ノロウイルスに感染してしまった場合、法律による出勤停止期間は一般的に定められていませんが、一度職場に確認しておくといいでしょう。
ノロウイルスはこまめな対策をきちんと行うことで予防率が高くなるので、手洗いをはじめトイレの使い方など細かいところまでしっかり意識し、感染予防に努めましょう。
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