「ナースときどき女子」の読者におくる しあわせ追求型ナースのすすめ 第1回

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今回は、ナースが職場で感じる「違和感」の実情と「違和感」を感じた時どうすべきかを、600人以上のナースの転職にかかわってきたレバレジーズのキャリアアドバイザー・今津にインタビュー。まずは今津の仕事内容をご紹介しながら、実際どのようにナースと関わっているのか話を聞きました。

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~今津千絵美 PROFILE~
レバレジーズ株式会社メディカル事業部東京Bチーム リーダー
看護師さんの不安や迷いに真摯に向き合い、的確なアドバイスでリピーター多数。講演などイベントでは頼りになるナビゲーターに。現在、日勤帯を希望する看護師さんの転職サポートチームの責任者を務めている。プライベートの楽しみは愛犬トイプードルとの休日のふれあいだとか。

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「 違和感」を感じ始めたナースに寄り添う仕事


「私のメインの仕事は、東京エリア内で日帯勤を希望する看護師さんの転職サポートです。あわせて2018年4月から行っている『ナースときどき女子』の転職イベントの講師も務めています。

メインの仕事では、具体的に転職を希望している看護師さんからの相談が多いのですが、転職イベントでお会いする方は、転職という選択肢がまだぼんやりとしている方がほとんどです。まだ転職は考えていないものの、今の職場も長くなってきてちょっと他の看護師さんの意見も聞いてみたいという思いで足を運んでくださった方です。」(今津)

では、ナースはキャリアを積んでいくなかで、実際どんなことで現在の職場に違和感を感じるのでしょうか。また、そのときどうすればよいのか。多くのナースの転職の相談に乗ってきた今津に、さらに詳しく聞いていきましょう。

ナースが職場に「違和感」をいだく三大要因


今の職場が合ってないかもしれないと思うきっかけは様々ですが、ナースが職場でいだく「違和感」には、大きく3つの要因に分けられると今津は言います。

「私がお話したナースの方々の『違和感』の要因は、〈体力的負担〉〈心理的不安〉〈やりがい〉のいずれかにまつわることがほとんどです。人間関係がメインの要因であることは、むしろイレギュラーかもしれません。違和感の入り口は人間関係でも、お話を伺っていくと大体の方がこの3つの要因のいずれかに行き着きます」(今津)

人間関係が主な要因に入っていないことは驚きですが、それだけにこの3つの要因(〈体力的負担〉〈心理的不安〉〈やりがい〉)が大きな「違和感」になっていることがわかりますね。具体的にはどんな要因なのか、実際の今津が関わった事例と合わせて話を聞きました。
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「違和感」の要因1 〈体力的負担〉


「違和感」の要因として一番想像しやすい〈体力的負担〉ですが、具体的にはどんなことが体力的な負担になっているのでしょうか。

「やはりもっとも負担になっているのは夜勤です。夜の生活が合わないという方は多いですし、ずっと体調を崩されている方も中にはいらっしゃいます。私は主に日勤帯を担当しているので、夜勤に疲れている方や、今は体力的に大丈夫でも、5年後、10年後を考えると続けられる自信がないという方にご相談受ける機会はとても多いですね。

日々の残業も負担になっていると思います。事務などの仕事とは違い、残業中に急変される患者さんを対応することも当然あるわけですし、それが連日となると体力に自信がある看護師さんでも厳しいと思います」(今津)

若さや気力だけでは乗り切れないほど体力が奪われることもありそうですね。体調が良好でいないと、他の「違和感」も引き起こし兼ねないですね。


「違和感」の要因2 〈心理的不安〉


〈心理的不安〉については、ナースならではの「違和感」の要因といえるかもしれません。

「看護師さんは死との直面はどうしても避けられないことですが、度重なる死との直面にその都度辛くなって、心のコントロールができなくなってしまっている方は割と多いです。また、追い打ちをかけるように、担当の患者さんが亡くなった直後に残業があることもあります。そんな心身ともに疲れているときに、大けがを負った重体の患者さんが運ばれてくることもあるわけですから、知らぬ間にどんどんストレスにさらされている状態です(今津)

ただ、〈心理的不安〉をかかえているナースは、その自覚がないこともあるのだと今津はいいます。

「心理的不安で悩まれている方は、深く思いつめて転職を希望される方もいますが、一方で心理的不安をかかえていることに気付いていない方もいます。当初、転職理由は人間関係や夜勤の辛さだとおっしゃっている方も、よくよく話をうかがうと、心理的不安が蓄積されていて相当な負担になっていることもあります。死と向き合うことが苦手だと認めたくない気持ちが、本当の要因を隠してしまっているケースです」(今津)

「違和感」の要因として、〈心理的不安〉は根が深いテーマとも言えますね。

「違和感」の要因3 〈やりがい〉


「やりがい」を求めての『違和感』は、とても前向きな要因ですが、これには看護師さんがキャリアを重ねる上で重要なステップが関係していました。

「看護師さんのお仕事は、1・2年目は本当に忙しくて、ひたすら頑張って心のコントロールとも葛藤する日々なんです。それが3年目以降、キャリアを重ねて一人前になると、がむしゃらに頑張ってきた1・2年目との違いに『違和感』を感じ始める方が出てきます。仕事にも慣れて少しだけ余裕ができた頃、目標を見失ったり、人によっては寂しさを感じたりする方もいます。つまり、〈やりがい〉が要因のケースは、次に目指すものがなくなってモチベーションが下がったことが『違和感』につながったパターンが多いようです」

石の上にも3年といいますが、看護師さんにとって3年というのは、一旦立ち止まって考える一区切りなのかもしれませんね。

看護師さんが違和感を感じたら、まずすべきこと


では、『違和感』を感じたあと、次にどんなアクションをすればいいのかを、実際カウンセリングや転職イベントで行っている方法を今津に聞いてみました。
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まずは現状の「洗い出し」


看護師さんのカウンセリングにおいて、今津が最も重要と考えているのは、現状の「洗い出し」だといいます。

 「まずは今の職場に感じている『違和感』やモチベーションを下げている要因を箇条書きで書き出してみてください。その際、不満や悩みと合わせて今の職場の『いい点』も一緒に書き出してみましょう。この作業はカウンセリングや転職イベントでもやっていただいていますが、書き出すことで自分の心の整理や状況の把握が客観的にできるようになります」(今津)

「以前こんな方がいました。転職の基準はつねに『お給料』と考えていらしゃる方です。でも、その方の退職理由はいつも人間関係なんですね。お給料が高いところがイコール人間関係の悪いところではないですが、お給与に重視するあまり大事な部分が見えていないのではと思いました。ならば、いつも人間関係で退職しているなら、お給料にこだわらずにアットホームなところや自分に合ったところを探す観点を持ったほうがいいのではとアドバイスしました。」(今津)

この方はまさに、現在だけでなく過去も洗い出すことで自分の傾向を知ることができたパターンですね。

「洗い出し」で現状・過去・将来を見つめる


「現状を書き出したら、次に過去と将来のことも見つめ直してみてください。例えば、現状には不満があるものの、現在の職場で過去にとてもいい経験ができたとか、将来的にこんなことがしたい、資格を取りたい、といったことをすべて書き出すとより明確ですね」(今津)

「例えば、キャリアアップのために資格を取りたくて転職を考えたとします。でもそこで振り返って、本当にそれは現職では出来ないことなのかどうかをチェックします。出来る可能性が少しでもあるなら、どんな方法で可能なのか考えてみてください。また資格取得に長期の時間を要するなら、その間に犠牲になるものや我慢しなければならないものも想定すると具体性が生まれます。さらに女性の場合、結婚や出産といったライフプランの予定もあわせて書き出すと、より明確に目標への筋道が見えてきます」(今津)

今の現状と目標やライフプランを合せて考えることで、夢への近道にもなりそうですね。

「解決できるか否かをチェック。解決できるならその方法を書き出す


現状や将来を見つめるだけでなく、さらに詳しく洗い出すことを勧めていると今津は言います。

「モチベーションの低下要因を洗い出す以外にも、その問題が、今の職場で解決できることか否かチェックしてみてください。解決できることであればその方法も書き出すと課題や解決策がみえてくることがあります。環境や職場を変えて本当に問題はクリアできるのかどうか、方法を書き出せば派生する状況もイメージが湧いてきます。

例えば今の病棟が辛いから病棟異動したいと思ったとします。師長に言えば変えてはもらえるけれど、その師長に言うのがとても辛い。でも交渉しなきゃならないとしたとき、他に方法はあるか、何にウェイトを置くか、解決方法の道筋だけでなく自分の中での優先順位が見えてきますよね」(今津)

こうして問題解決の方法をシュミレーションしてみると、冷静に「職場にとどまる」のか「転職する」のか自ずと答えが出てきそうですね。

「やりがいを感じる瞬間」について書き出す


現在の環境や不満、悩みの洗い出しは、「より詳しく自分のことを知る」いい機会だと今津は続けます。

「得意なものや苦手なもの、やりがいを感じる瞬間も言葉にして書き留めておくといいと思います。特に、自分のやりがいは一貫してるはずです。患者さんの笑顔を見ることや、目標を持って上っていく感覚がやりがいだとか。自分の中で絶対揺らがないやりがいさえあれば、ちょっと自分に合わないなって感じる職場でも続けられる可能性はたくさんあると思います。

ネガティブな要因しか浮かばないときは、一度自分のやりがいを振り返って、再確認するといいでしょう。そうすると一時の感情にとらわれず、正しいキャリアづくりができていくと思います」(今津)

以上のことまで洗い出せば、モチベーションを下げている要因がより明確になったり、当初の要因とは全く違う要因が見えてきたり、一気に解決策が導けることもありそうですね。

転職を考えるナースに寄り添う、エージェントの役割とは?


「転職のごり押し」はしないと言い切るキャリアアドバイザーの今津。その真意は、もっと深いところで看護師さんを理解したいというスタンスがあるからだといいます。では、どんな接し方で看護師さんにアプローチしているのでしょうか。
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ヒアリングで冷静さと客観的な視点を呼び覚ます


前述の「違和感」の三大要因はあくまできっかけに過ぎず、看護師さんの「違和感」をじっくり話していただくことで、他の要因や現状が見えてくることもあると今津は言います。

「ご相談に来られる看護師さんのなかには、『昨日こんなことがあって…』と、違和感や不満を感じてから24時間と経たずにご連絡をして来られるかたもいらっしゃいます。このような少し感情的になっている場合は、一旦冷静になるためにも「洗い出し」の作業が特に有効です。「違和感」を感じた瞬間に行動していないか、衝動的な感情ではないかを見つめ直さなければ、『嫌だ』という思いが強ければ強いほど、視点がたった一つの不満にフォーカスされてしまいます。違和感や不満も含めた自身の現状を、一点フォーカスではなく広角レンズのような広い視野に切り替えないと良い転職にはつながりません。

なかなか冷静にご自身で「洗い出し」が難しいときもあります。そういった場合には、私たちが電話など口頭で順を追って、仕事の内容や職場環境、置かれているポジションなどをうかがいながら、かかえた『違和感』をヒアリングしていきます」(今津)

そのとき、転職相談以前に看護師さんが気付いていないことを感じ取ることもあるといいます。

「ひと通りうかがったあと、『その問題はどの職場でもあることですよ』とか、『一つの問題を解決するためには、何か別の課題が生まれることもありますよ』とお伝えすることもあります。

例えば、クリニックに勤めたいという方がいたとします。でも『院長との距離が近くて息苦しいのはちょっと…』という方には、『クリニックだとその問題を完全に避けることは難しいですよ。そうなると、クリニックという形態が譲れないのか、院長との距離の問題は避けたいのか、どちらにウェイト置きますか?』と、はっきり伝えます。そうすると自身の優先順位が見えてきますよね」(今津)

看護師さんの悩みに対して、ときには共感したり、ときには疑問を呈したりと、看護師の働き方やいくつものケースを知るからこそ、ヒアリングだけでなく具体的なアドバイスや転職のガイドもできるのでしょう。

看護師さんに寄り添い、最善の策をともに考える


キャリアアドバイザーとして、あくまで看護師さんと深いところでつながり、相談に乗りたいという思いがつねにあるという今津はこうも続けます。

「看護師さんが職場でかかえた『違和感』を転職というかたちに変えるのが私たちの仕事ではありますが、話をうかがって転職の必要がないと感じたら、率直にお伝えしています。

また、これは私の仕事のモットーでもあるのですが、ご相談いただいた方が話す違和感や不満の言葉だけでなく、その背景や裏にどんな出来事があったのかを伺って把握するよう努めています。看護師さんによっては何度かお話しして「洗い出し」もしていても、どこか話に一貫性がない方もいらっしゃいます。『違和感』の本当の理由が不明瞭では、納得できる転職にはつながりません。その場合はアプローチ方法をいろいろ変えて聞いていきます。うまく伝えられないと思っている方も、ぜひご連絡いただけたらうれしいですね」(今津)

過去のカウンセリングの経験から本人が気付いていないことまで気付け、適切なアドバイスができるのが、 キャリアアドバイザーとしてとの強味というわけですね。

最後に今津から、転職を考えている看護師さんや、現在の職場に「違和感」を感じ始めたばかりの看護師さんにメッセージをお送りします。

「ネガティブに転職するのではなく、その違和感をきっかけにポジティブに転職する形がベストだと思います。そのためにも気軽にご連絡ください。なかなか一人で考えていても転職の方向性が見えない場合もあるので、無料のイベントなどに参加いただいて、まずは転職のプロセスや「洗い出し」のお手伝いをさせていただけたらと思います。その結果、自分の気持ちや看護観、現状の環境が見えてきて『やっぱり転職しません』とおっしゃる方も多いです。本来、転職しなくて済むなら、それがベストなので。

その上で、やっぱり転職するとなったときには、新たな働き方やより希望に近い転職先をご紹介したいと思っています。特に私の担当の日勤帯は、クリニックをはじめ施設や訪問看護など、仕事も求人もたくさんあります。働き方に悩んでいる方はぜひ選択肢に入れてほしいですね。


最後に。
看護師さんの仕事は心身ともにとてもハードです。悩みや不安を持つことは自然なことなので、そのタイミングを現状や自分に向き合えるいい機会と思って、ぜひ勇気をもって行動してみてください」(今津)

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