ほかの科に比べて、まだまだ知られていない部分も多いであろう「精神科」。近年はメンタルケアが注目されているため、精神科看護に興味を持つナースも少なくありません。
精神科での勤務には、技術的な能力よりもコミュニケーション能力の高さが重要といわれており、ここでしか学べないスキルもあります。気になる精神科看護のお仕事について、詳しく見ていきましょう。
精神科での看護業務は、ほかの科に比べると医療行為や診察が少なく、主にバイタル測定や服薬管理などを行います。また、コミュニケーションを図りながら患者さんの状態を把握していくことも大事な仕事です。治療は薬物治療がメインになるため、継続的に治療を行っていけるような関わり方を心がける必要があります。
精神科は、患者さんの状態に合わせて大きく「閉鎖病棟」と「開放病棟」に分けられます。閉鎖病棟は主に急性期の患者さんを受け入れ、病棟の出入り口がしっかりと施錠されています。閉鎖病棟には「保護室」とよばれる部屋が存在し、医師の指示のもと、自傷・他害・迷惑行為などを行う恐れがある患者さんがいる場合に使用されます。
一方、開放病棟は一般的な病棟とほとんど変わりなく、治療によってある程度症状が落ち着いた患者さんが入院しています。
●主な仕事内容
では、精神科の1日の流れを見てみましょう。
日勤の流れ
8:15 出勤
8:30 始業・申し送り 夜勤者からの情報はスタッフ同士で共有します
9:00 洗面介助・トイレ誘導・オムツ交換 など
9:30 バイタル測定や必要に応じて口腔ケア・入浴介助・処置・点滴などを行います
10:00 レクリエーション・作業療法など
12:00 昼食・与薬。必要に応じて昼食介助を行います
12:30 スタッフと交代で昼食をとります
13:30 トイレ誘導・オムツ交換 ・入浴介助・シーツ交換など
14:00 水分摂取介助
16:00 トイレ誘導・オムツ交換 など
16:30 夜勤者への申し送り
17:00 勤務終了
精神科で扱う主な疾患としては、「神経症性障害」「うつ病」「統合失調症」「アルコール依存症」「薬物依存症」「認知症」などが挙げられます。精神的な疾患はほかの病気と異なり、目に見えたり触れたりできません。そのため周囲に気づかれにくく、人格を否定されたり、偏見がつきまとったりすることもあります。自分が病気であるということを自覚していない場合もあり、苦しんでいる患者さんが多くいるのです。
精神科看護において重要なスキルは「コミュニケーション能力」です。精神科看護では、状況に応じた方法で患者さんとの信頼関係を図っていきます。
もちろん、すべての患者さんと円滑なコミュニケーションが取れるわけではありません。ですが言葉によるコミュニケーションだけでなく、同じ時間を一緒に過ごしたり、話に相づちを打ったり笑顔を向けたりといった方法も有効です。こうした非言語コミュニケーションによって、話しやすい雰囲気をつくることもできるのです。バイタル測定時には声掛けを行いながら、患者さんの言動や行動などを一緒に観察しましょう。その中で些細な変化に気づくことができる能力を身につけていくことが大切です。
一般的な科とは大きく異なる精神科ですが、精神科で働くメリットもたくさんあります。以下の項目を参考にしてみてください。
精神科では、ほかの科に比べて給与面を優遇している病院が多いです。それは、精神科の場合、「危険手当」という手当てが付くことがあるためです。患者さんによっては疾患による妄想や幻覚から、突然暴力的な行動を起こす場合があり、常に緊張感を持って患者さんの変化に気づけるようにしなければなりません。そのため、このような手当が付くことがあるのです。
精神科では、医療行為が少ないため、特に開放病棟ではほとんどの場合が定時に帰宅できます。一般病棟に比べ、仕事後の時間を有効に使えるとといえるでしょう。
業務において、医療行為よりもコミュニケーション能力の高さが重要な精神科では、ピリピリした雰囲気はなく、どちらかと言えば穏やかな環境であることが多いようです。男性看護師が多いことも大きな特徴であり、女性ならではの人間関係のこじれのようなものは少ないといえます。
ストレスの多い現代社会において、精神科看護の需要はこれから増えていくかもしれません。一般的な病院に比べると、看護師を悩ませている残業や人間関係のこじれが少ないことも精神科の特徴です。もし転職を考えているなら、選択肢のひとつとして精神科での勤務を考えてみてはいかがでしょうか。
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