2020年の東京オリンピックまであと一年と少し。開催にともない医療分野では外国人観光客の受け入れる環境を整える必要があります。じつは看護師の皆さんにも大きく関係する東京オリンピック。今回は外国人観光客の増加によって起こりうる、医療分野の問題について考えていきます。
2020年の東京オリンピック開催が決まった影響もあり、ここ数年外国人観光客の数は急増しています。昨年は、過去最高のスピードで8月時点で海外からの観光客数が2000万人を突破しています。政府は、2020年には4000万人を目標とする方針を発表したとも伝えています。これらを踏まえると、今後は医療サービスにおいても、外国人観光客に対応できる環境の整備が急務とされています。
外国人観光客が医療サービスを利用するにあたり、現状の医療システムではさまざまな問題が生じるとされています。特に早急に対策する必要があるのは、言葉の問題、支払いシステムの問題、そして看護師を含む医療提供者の人材育成です。
2018年現在でも少しずつ外国人観光客の医療サービス利用率は上がっていますが、円滑に対応できる環境が整っていない病院はまだまだ多くはありません。思いがけないトラブルが生じたり、看護師に通常以上の業務負担がかかってしまうケースがあるようです。
外国人観光客が医療サービスを利用することでまず一番に考えられる問題は、言葉による意思疎通ができないことです。意思疎通が上手くいかず、痛みの箇所や種類などを正確に認識できなければ、医療ミスに繋がることも考えられるからです。
そのため今後必要とされているのが、電話やタブレット端末を使った多言語に対応できるサービスです。
外国人の対応について国内屈指の体制を備えている国立国際医療研究センター病院では、24時間365日外国人の患者さんに対応できるよう、電話による通訳サービスを設置しています。ここでは英語や中国語を含む全13カ国に対応しています。専門的な説明が必要な場合でも、通訳サービスによって医療者に適切に伝えることができるのです。
またタブレット端末を使って問診票を電子化し、患者に合わせて自動変換できるサービスにも注目が集まっています。タブレットで入力できるようにすることで、言語の問題を解決できるのではと期待が寄せられいています。
この2つが本格的に導入されれば、現在よりも円滑にサービスを提供できるようになります。加えて、看護師の負担を軽減することもできるはずです。
高額医療費の負担や不払いなど、支払い問題への対策として挙がっているのが、訪日観光客の保険加入の促進です。
現在訪日外国人は増えているにもかかわらず、うち約3割が保険未加入となっています(平成29年度観光庁調べ)。保険未加入の訪日外国人が医療機関を使うと原則実費となってしまいますが、その料金を支払わない人もいると言います。
この状況を解決するには、在外交官から入国時に保険加入を促進させることが今後欠かせません。また、入国後でもスマホからかんたんに保険に加入できるサービスの提供も検討されています。
そしてもう一つ料金未払いの問題の解決策になると考えられているのが、キャッシュレス決済の導入です。
世界各国では金銭のやり取りのキャッシュレス化が進み、中国では約6割、韓国ではなんと約9割の普及を見せています。対して、日本は約20%程度。まだまだキャッシュレスは浸透していないと言えます。
日本でキャッシュレス決済の導入が進まないのは、治安がよく紙幣価値が高いことや、端末を導入するコストなどの原因が考えられます。しかしキャッシュレスに慣れていて紙幣を持ち歩かない外国人は多いため、そのまま医療機関を利用し結果未払いになってしまう、というトラブルが起きてしまうのです。
特に日本の医療機関に関しては決済方法が現金のみというところも多数。やはり、支払い方法にキャッシュレス決済の導入が必要となるでしょう。
外国人観光客増加に向けて、医療機関でもさまざまな受け入れ対策が検討されています。本格導入が必要なのはサービスの提供方法や支払い方法だけではありません。
看護師自身のスキルの底上げも必要となってくると考えられます。最低限の会話ができる英語のスキルがあるとスムーズでしすし、新しい端末機器や決済方法を導入する度に勉強する必要もでてきますす。一気に外国人観光客が増える前に、英会話などの語学勉強はもちろん院内で対応の想定をするなど、ぜひ今のうちからスキルアップと対応を始めておきたいものですね。
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