仕事
2019.4.2
高齢化社会に伴い、認知症の高齢者も増えています。どこの病棟や外来にもいるであろう認知症の患者さんに対して、現場ではより専門性の高いケアが望まれています。
そこで活躍する資格が「認知症ケア専門士」です。現在需要が高まっている認知症ケア専門士を活かせる業務や資格の取得方法などをご紹介します。
認知症ケア専門士は、質の高い認知症ケアを扱う専門家といえます。まずはその業務内容や、資格を取得することが多い職種などを見ていきましょう。
認知症ケア専門士は、「一般社団法人日本認知症ケア学会」が認定する民間資格で、認知症のケアに特化した高度な知識・技術を備えた専門技術士です。
2005年に導入されて以来、現在では登録者数3万人を超えるほど人気の資格となっています。
認知症ケア専門士に求められることは、特に高い知識や技術を活用したプロフェッショナルとしての対応です。実務経験や資格取得の過程で学んだ知識や技術を総動員して、認知症の患者さんはもちろん、家族も含めた総合的なサポートを行っていく必要があります。
老老介護や認認介護などが問題となっている中、専門的かつ総合的なサポートができる認知症ケア専門士は、医療・福祉業界から注目を集めています。
認知症ケア専門士を取得する人は、どのような職種に多いのでしょうか。
現在認知症ケア専門士を取得している人が多い職種は以下です。
・介護福祉士
・介護支援専門員
・ヘルパー
・看護師
・福祉住環境コーディネーター
・社会福祉士
・作業療法士
・精神保健福祉士
・理学療法士
・保健師
・栄養士
・言語聴覚士
・医師
このように特に介護・福祉職に人気の資格ですが、看護師にとっても人気の資格と言えるでしょう。
認知症ケア専門士の資格は誰もが取得できるものではありません。ここからは、取得するための条件や方法を確認していきます。
認知症ケア専門士の資格試験は、簡単に言えば「認知症の患者さんに対する実務経験が3年以上」あれば受験が可能です。
ただし、試験実施年の3月31日より過去10年における3年以上の実務経験が必要なため、ブランクがある場合は注意しましょう。
この受験資格を満たして受験し、晴れて合格となれば登録申請を行います。資格取得後は、生涯学習活動として講座への参加や論文投稿などによって専門士単位を取得します。
5年以内に30単位以上の専門士単位を取得できれば、専門士資格の更新申請ができます。さらにさまざまな受験資格を満たせば、「認知症ケア上級専門士」の受験も可能になる、という形でステップアップが可能になるのです。
「認知症ケア上級専門士」は「認知症ケア専門士」よりもさらに専門性の高いケアを提供するほか、知識や技術の普及といった役割も担います。
「一般社団法人日本認知症ケア学会」「特定非営利活動法人認知症ケア教育機構」は、第1次試験に向けて受験対策講座を開催しています。
「認知症ケア標準テキスト(第1~4巻)」の公式テキストを活用しながら、ポイントを絞って重要な項目を説明するほか、模擬試験も行います。
日々の業務で忙しい看護師にとっては、出題範囲を効率よく学べる対策講座は魅力的ですよね。独学で勉強する方法もありますが、よりムダなく確実な知識を獲得するためにも、対策講座を活用してみましょう。
認知症ケア専門士の試験は、第1次試験が毎年7月・第2次試験が11月に開催されます。
第1次試験は筆記試験で、第1次試験の合格者のみ第2次試験を受けることができます。第2次試験では、論述問題のほか、6人1グループでの面接試験が実施されます。
合格率は40?60%程度と容易に取得できる資格ではないため、計画的に試験対策をするべきでしょう。
認知症ケア専門士は、認知症の患者さんと家族を専門的かつ総合的にサポートする役割を担い、専門性の高いケアが求められます。こうした知識・技術の向上により患者さんの笑顔が増えれば、仕事のやりがいにもつながるでしょう。
介護・福祉職だけでなく看護師からも人気の資格ですので、ぜひ取得してみてはいかがでしょうか。
「レバウェル看護」を使うと、より詳しく話を聞くことができます。どんな転職先があるのか等も事前に知ることができます。
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