輸血中の点滴について質問です。
輸血は単独ルートが原則ですが、別ルートからなら輸血中でも点滴を続行してもいいのでしょうか?
微量点滴といった持続投与を中止することができない薬剤の場合は、輸血中でも別ルートから投与継続することが可能です。
はじめまして。ご質問ありがとうございます。輸血について一緒に勉強していきたいと思います。
ご存知のように輸血は単独ルートでの投与が原則です。それは、輸血と薬剤が混ざって投与されることで、輸血製剤の凝集や凝固、溶血などが起こるのを防ぐためです。
例えば、カルシウム含有薬剤は凝集を引き起こし、高カロリー輸液などのブドウ糖含有製剤は浸透圧や電解質差で溶血を引き起こす可能性があります。
等張電解質製剤では浸透圧差は生じないので溶血は起こりませんが、カルシウムが含まれている場合は、輸血製剤が凝集するリスクがあります。
仮に同一ルートから投与してしまった場合、予期しない副作用や合併症を引き起こすことも考えられ、その場合何が原因で起きたことなのかがわからなくなってしまう可能性もあります。
そのため同一ルートでの同時投与は原則禁止されています。
では、ご質問の「輸血とは別ルートからの点滴投与は可能か?」ということについてお答えします。
別ルートからであれば可能です。
昇圧剤やインスリン製剤、その他の微量点滴を投与中の場合には、輸血時に止めてしまうことで全身状態に重大な影響を与える可能性がある薬剤もあります。
このように持続投与が止められない場合は、持続投与とは関係のない輸血専用の別ルートを確保して投与しましょう。
輸血製剤は前述のように同一ルートからはルート内で混ざり合うことで凝集や溶血のリスクがあるので投与しませんが、別ルートであれば薬剤が混ざるリスクはなく投与が可能です。
カタボン(ドパミン塩酸塩)などの微量点滴の場合は浸透圧がほぼ1なので血球に与える影響は低いと考えられます。そこでどうしてもやむを得ない場合は、輸血と同時投与も可能なようですが、輸血の自然滴下による流速の変動で全身の循環動態に影響を及ぼす可能性もあります。
どうしても別ルートが取れない時以外はやはり輸血用に別ルートを確保して輸血とは別に投与する方が安全です。
輸血は原則は単独投与となっています。アレルギー反応などの副作用が出た場合に投与中の薬剤によるものなのか輸血によるものなのかわかりにくくなることが主な理由です。どうしても止めることができない点滴以外は、医師の指示を確認し可能な範囲で一時的に中断して輸血のみで投与できる方がいいと考えます。
▼こちらの記事もおすすめ!▼
凝固系の採血をするときのスピッツの順番は?
CT検査時に輸液ポンプは外して行くのか知りたい
看護師技術専門Q&Aサイト、「ハテナース」では、看護師からの質問を随時受付中です!「先輩には聞きにくい」、「今更質問しづらい…」という疑問がありましたらいつでも投稿してみてくださいね。
【イラスト】
中山有香里
看護師?イラストレーター。著書に「ズルいくらいに1年目を乗り切る看護技術」「悲しいくらい人に聞けない看護技術」(メディカ出版)
Twitter:@musashi_0303
Instagram:zurukan.yukari33
記事の制作について
「レバウェル看護 看護師さん向けお役立ち情報」では、
記事の制作・公開にあたってのポリシーを定めています。
詳細は下記よりご確認いただけます。
キャリア
働く場所
選考対策
資格
その他
読みもの
連載