7月からフジテレビで放送されている『監察医 朝顔』。
このドラマでは、新米監察医の娘と刑事の父親、それぞれの仕事を通じて、遺体から事件の謎を解き明かしていく様を描いています。
今回は、ドラマでも取り上げられている「監察医」がどのような仕事なのか、また監察医と看護師の関わりについて解説します。
監察医はどのような業務を行うのか、さっそく詳しく見てみましょう。
「監察医」は、死因がはっきりしないが犯罪性はないと思われる遺体に対して、死因を解明するため「行政解剖」を行う医師のことです。
入院している患者が治療中に何らかの傷病で死亡した場合は、医師が死亡診断書を書きます。それ以外の死亡については、すべて解剖を行って死因を明らかにしなければなりません。
このとき解剖をして死因を明らかにするのが、監察医の仕事です。
例えば火災で人が亡くなった場合、死因は火傷なのか、窒息なのかを監察医が行政解剖によって解明していきます。
「解剖」とひとくちに言っても、その業務内容によって大きく「正常解剖」、「病理解剖」、「行政解剖」、「司法解剖」の4つに分けられます。
「正常解剖」は人体の構造などを調べるために行われるもので、「病理解剖」は病死した人の体が病気や治療によってどのように変化したかを調べるために行うものです。
これら2つの解剖は、監察医でなくても行うことができます。
一方、「行政解剖」とは監察医のみが行うことができるもので、病気やケガが直接の死因となって病院内で死亡したとき以外で、事件性がない場合に限り、その死因を調べる必要があるときに行います。
そして、死因について事件性が疑われるときに行われるのが「司法解剖」です。
死因が不明の遺体はすべて解剖して死因を明らかにしますが、監察医は事件性が疑われる「司法解剖」は行いません。
司法解剖は、大学の法医学教室に在籍している「法医学者」が行います。
これが監察医と法医学者との大きな違いです。
また、似ている仕事として検視官がありますが、検視官は警察官の職種のひとつで、遺体に事件性があるかどうかを判断するのみで実際に解剖を行うことはありません。
また、医師免許を持っていないという点で、監察医や法医学者と異なります。
監察医になるためのステップは、法医学者とほぼ同じです。
まず、当然ながら医師免許が必要です。医師免許を取得してから臨床研修を2年間受け、法医学教室に進学しなければなりません。
そのほか「死体解剖資格」を取得し、監察医務院などに就職すると、監察医として働くことができるのです。
ちなみに、監察医制度は東京23区、大阪市など限られた自治体でのみ実施されているもので、全国に監察医務院があるというわけではありません。
そのため、監察医はかなりの狭き門と言われています。
監察医制度がない都道府県では、行政解剖は法医学教室で行うか、非常勤の監察医が行います。法医学者を目指しながら、監察医として行政解剖の業務に携わるというのもひとつの方法です。
監察医や法医学者と看護師はどのように関わっているのでしょうか?
看護師の仕事は医師が診療を行う上でのサポート業務や、患者の看護を行うことなので、死因を調べる行政解剖や司法解剖において、看護師が関わる業務はありません。
看護学校に通い医学の知識が深まるにつれ、法医学に興味を持つ人も多いようですが、監察医務院などが看護師を募集していることはありません。
そのほか行政解剖や司法解剖に関わる職業としては、臨床検査技師などが挙げられます。ごくまれに、看護師になってから監察医の仕事に興味を持ち、臨床検査技師の資格を取得して監察医務院への就職を目指すという人もいるようです。
7月スタートの『監察医 朝顔』をはじめ、近年さまざまなドラマでも注目を集める監察医の仕事。
監察医をはじめとする法医学の世界に、看護師が深く関わる機会は多くありません。とはいえ、死因を解明することで遺族のつらい思いを少しでも和らげることができるなど、やりがいのある仕事です。
また、監察医の仕事について知ることで、現在ケガや病気で治療を受けている患者に対してより真摯に向き合えることもあるでしょう。
監察医とは、死因を解明するための「行政解剖」をする医師のことです。「行政解剖」は、監察医が死因不明で犯罪性の低い遺体に対して実施します。たとえば、火災で亡くなった遺体の場合、死因が火傷や窒息、それ以外の理由かを解明します。
解剖は、大きく「正常解剖」、「病理解剖」、「行政解剖」、「司法解剖」の4種類に分けられます。「正常解剖」は人体の構造を調べることを目的としていて、「病理解剖」は病死した人の体の変化を調べるために行われます。「行政解剖」は監察医のみが行える解剖で、事件性がないと判断された遺体に対して行われます。「司法解剖」は法医学者が行い、死因に事件性が疑われるときに実施します。
検視官は警察に所属し、遺体に事件性があるか判断する業務を行っています。医師免許は持っていないため、遺体の解剖は行いません。一方、法医学者は大学の法医学教室などに在籍しています。法医学者の仕事内容は、事件性が疑われる遺体の「司法解剖」です。
監察医になるには、「医師免許」と「死体解剖資格」が必要です。医師免許を取得後、臨床研修を2年間受けてから法医学教室に進学し、法医学教室で死体解剖資格を取得します。就職先は監察医務院や大学の法医学教室などです。
看護師の主な業務は、医師の診察サポートや看護です。そのため、行政解剖や司法解剖に関われる業務はなく、監察医務院や法医学教室が看護師を募集することは原則ありません。なお、臨床検査技師であれば行政解剖や司法解剖に関わる業務が行えるため、監察医務院や法医学教室への就職が可能です。
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