保健師になるには、どんな資格が必要なのでしょうか?
保健師に興味を持つ方に向けて、保健師国家試験を受けるまでのルートや、試験概要を解説します。保健師の多様な働き方やメリット、仕事のやりがいについても触れているので、保健師を目指す方はぜひご覧ください。
保健師の仕事内容と、保健師になるまでの具体的なルートを解説していきます。
保健師は地域住民の保険指導や健康管理を行う仕事です。保健師が受け付ける相談内容は、健康問題から育児、介護関連まで実にさまざま。乳児から高齢者まで、幅広い世代の健康と生活をサポートしています。
看護師が病気や怪我をした人を看護する仕事である一方、保健師は人々が病気や怪我をしないように予防する仕事です。両者の違いは、看護師は「治療」をする仕事、保健師は「予防」をする仕事と考えれば分かりやすいでしょう。
保健師になるには、看護師国家試験に合格している必要があり、保健師は看護師の上位資格と位置づけられています。
保健師になるには、「看護師国家試験」と「保健師国家試験」の両方に合格しなければなりません。
最短で保健師を目指せるのは、大学の看護学部もしくは看護系専門学校(4年制)を卒業し、卒業と同時に看護師国家試験と保健師国家試験を受験するルート。
その他の場合では、看護師養成所もしくは短大を卒業してから看護師国家試験に合格し、その後看護系の大学や保健師養成所(1年)に通って保健師国家試験を受けるルートがあります。
試験合格後に保健師として採用されるには、地方公務員試験もしくは企業や病院などの採用試験を受ける必要があるでしょう。
ここでは、保健師国家試験の概要をご説明します。
年に1回、例年2月に実施される。
北海道、青森県、宮城県、東京都、新潟県、愛知県、石川県、大阪府、広島県、香川県、福岡県、沖縄
公衆衛生看護学、疫学、保健統計学、保健医療福祉行政論
1.文部科学大臣の指定する学校で1年以上保健師になるために必要な学科を修めた者
2.都道府県知事が指定する保健師養成所を卒業した者
3.外国の保健師学校もしくは養成所を卒業、または外国における保健師に相当する資格があり、厚生大臣が1もしくは2と同等の知識があると認めた者
受験を希望する人は、受験願書や写真、看護師国家試験の合格証書の写しなどを提出する必要があります。令和2年度の試験では、必要書類は令和元年11月15日から12月6日までに提出することになっていました。
提出時期や必要書類の種類は年によって異なる可能性があるので、厚生労働省のWebサイトで最新情報をご確認ください。
第105回保健師国家試験(平成31年)の合格率は81.8%でした。
保健師は勤め先によって呼ばれ方が変わります。保健師の主な活躍の場を確認していきましょう。
保健師に多いのが、公務員として市町村が設置する保健センターや都道府県が設置する保健所に勤める働き方。行政機関で働く保健師は「行政保健師」と呼ばれ、保健師の半数以上は行政保健師として活躍しています。
行政保健師の業務内容は自治体によって異なりますが、妊産婦への家庭訪問や住民への健康診断、高齢者を対象とする認知症の予防教室や介護相談などを行うイメージ。
行政保健師は乳幼児、学童、青年、成人、妊産婦、高齢者まで、あらゆる世代をケアの対象とするのが特徴です。
企業に勤める保健師は「産業保健師」と呼ばれ、働く社員の健康管理を行います。産業保健師は社員のストレスチェックを行ったり、勤務時間や労働環境に関するデータを集めたりして、問題があるときは改善に向けて働きかけるのが仕事。ストレスチェックの結果によっては、個別に医師の診察を勧めることもあります。
就職に関して言うと、産業保健師の求人を見つける難易度は高め。その背景には、産業保健師は大手の限られた企業しか導入していない、さらに1企業1人体制であることが多いという事情があります。
保健師の活躍の場は、小学校や中学校、高校、大学にもあります。学校保健師は、生徒が怪我をしたときの応急処置や、教職員と生徒の健康管理、病気予防のための働きかけが主な仕事。加えて、学校でのいじめといった生徒の相談に応じるのも、学校保健師に求められる役割です。
病院保健師は、総合病院やクリニック、訪問看護事業所などで働く保健師のこと。健康診断や健康に関する相談の受付を行い、職場によっては看護師と兼務することもあります。訪問看護事業所では、患者の自宅を訪問して健康指導をすることになるでしょう。
保健師の仕事にはどのような良さがあるのでしょうか?保健師のメリットとやりがいをまとめました。
職場にもよりますが、保健師は残業や休日出勤がそれほど多くない仕事です。看護師のように夜勤が発生することはないので、家庭やプライベートとのバランスをとりやすいのが魅力でしょう。
ただ、都道府県の保健師は会議が多く、残業してデスクワークをこなすこともあるようです。
病気や怪我を未然に防ぎ、人々の健康に貢献できるのが保健師のやりがい。新型のウイルスや感染症の兆候を察して予防できたときは、社会全体の健康を守っているという達成感を得られます。
ご紹介したとおり、保健師は活躍の場が幅広いのが特徴です。若い人たちとコミュニケーションをとりたいなら学校保健師、高齢者をサポートしたいなら高齢者向けの施設で働くという風に、就職を選べば自分がやりたいことを実現しやすいでしょう。
保健師の多くは公務員として行政機関に勤めていたり、学校に勤務したりしています。産業保健師も勤め先は大企業であることが多いでしょう。
このように、保健師の勤め先は長期的に仕事を続けられる環境であることが多く、雇用の安定を求める人にとって魅力的です。
保健師は健康を指導する立場ではありますが、命令口調で説明したり、難しい専門用語を並べたりしては、相手は話を聞く気になれません。業務をこなすうえでは、厳しく指導するよりも、健康上の不安を抱えた人に優しく寄り添う対応が必要でしょう。
保健師は医学的な知識だけではなく、相手に信頼される人柄や、気づかいのあるコミュニケーションが求められる仕事です。その点を踏まえると、人を助けることや、人との関わりが好きな人に適性があるといえるでしょう。
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