看護師の方は日々働く中で、さまざまな悩みや疑問を抱えていることでしょう。ここでは、そうした課題を解決してくれそうな看護セミナーの事例をご紹介します。
・院内感染はどうして起こるのか?CDC感染症対策のポイント
アメリカ疾病管理予防センター(centers for disease control and prevention;CDC)は隔離予防策ガイドラインを公開して、標準予防策を紹介しています。この標準予防策を日本でも導入したことで、医療機関の感染対策が飛躍的に進化してきました。CDCは手指衛生、血液体液曝露対策、インフルエンザ対策、ノロウイルス対策、結核対策など、数百ものガイドラインを公開。このセミナーでは、そのCDCガイドラインに基づいた感染対策について紹介しています。
・みんなで考える実践につながる急変時の対応
看護師はどのような職場でも、患者の急変という事態に遭遇する可能性があります。急変という事態を、常に想定することは難しいかもしれません。しかし「急変しそうだな」という前兆をとらえることができれば、急変時の素早い対応が可能になるはず。このセミナーは、患者の急変の前兆をとらえることと、急変時に落ち着いて対応する方策について解説するものです。
・エンゼルケアの達人になろう
医療機関で以前は死後処置と呼んでいた「エンゼルケア」。ご遺体の状態に配慮しながらもご家族の意向を優先させ、看取りの場面をどうサポートすればよいのか、さまざまなケースに応じた柔軟な判断と対応が求められるでしょう。このセミナーでは、死後の身体変化を踏まえたケアやご遺族とのコミュニケーションの重要性について解説します。
・うつ病にさせないアドバイザー養成セミナー
うつ病を発症させない、うつ病にさせないアドバイザー養成セミナーです。うつ病の当事者は孤独になりがち。優れたアドバイザーに相談することで、うつの症状をやわらげたり、うつ病の発症を予防させたりすることができます。このセミナーは心拍変動解析によるストレス測定の方法や、色彩心理を用いた心理的安全性を高める方法について学ぶもの。使用したツールを持ち帰ることができるため、職場でアドバイザーとしてすぐに応用できます。
・看護師のための画像の見方(胸部・腹部・頭部)
検査画像の知識や見方を学ぶセミナーです。具体的には画像診断の概要やX線・CT・MRIの特徴と検査の適応、優先される検査、胸部・腹部X線で注目してほしい点、見逃したくない点、CTの読影、実際に救急でよく診る疾患(肺炎、胆嚢炎、膵炎、憩室炎など炎症性の疾患を中心に、大動脈解離や消化管穿孔など見逃してはいけない疾患も含む)など項目で構成されています。
・救急外来看護とトリアージ
トリアージへの不安が解消できるセミナーです。救急外来での経験が浅い、あるいは救急外来にヘルプとして入る外来や病棟の看護師に、「これだけ押さえておけばひとまず安心」というポイントを紹介します。プログラム内容はJTASトリアージ票と具体的なトリアージ方法の6段階、小児のトリアージ、実際のトリアージ演習などです。
仕事で必要としている知識、または技術は何なのか。あるいは課題を解決するために、どのようなセミナーが良いのかを考えましょう。セミナーに目的意識を持って参加すると、知識や技術がより身に付きやすくなります。求めている知識や技術がセミナーで習得できるので、仕事上でも大きなメリットにつながるはずです。
もちろん、自分から進んで参加できるセミナーばかりとは限りません。病院や上司から、半ば強制的にセミナーへの参加を要請されることもあるでしょう。そんな場合でもせっかくの機会ととらえ、自分の知識や技術として身に付けるという気構えで臨むことが大切です。セミナーの目的や内容を事前に調べて、自分の仕事に役立てる方法を考えるようにしましょう。
前もってセミナーの目的を理解しておくと、終わった後、内容がスムーズに頭に入ってきます。また、セミナーから帰ったその日のうちに内容を整理しておくと、知識や技術がより身に付きやすくなるはずです。
看護師が看護セミナーを受けることには、どのようメリットがあるのでしょうか。以下で項目別にご紹介します。
・看護師としてのスキルアップが図れる
セミナーや研修は、看護師にとってスキルアップできる貴重なチャンスです。セミナーには心電図や検査画像の見方、救急看護、小児看護、化学療法、褥瘡、コミュニケーション能力やメンタルケアに関する知識や技術など、実にさまざまなものがあります。
・医療の現場ですぐに役立てることができる
セミナーの内容にもよりますが、具体性の高いセミナー内容なら現場に帰ってすぐ仕事に役立てられます。たとえばCDC(アメリカ疾病管理予防センター)のガイドラインを解説するセミナーなら、手指衛生や血液体液曝露対策、インフルエンザ対策、ノロウイルス対策、結核対策といった内容が学べるでしょう。こうした知識は、すぐに医療現場で役立てられるはずです。
・別の病院の看護師たちと情報交換ができる
セミナーには、さまざまな病院の看護師が集まります。有名なセミナーには、全国から看護師が集まることも珍しくありません。そのため、セミナーは看護師としての知識や技術を学ぶことだけでなく、いろいろな看護師と情報交換できる絶好の機会でもあります。
ひとつの病院だけで勤務していると、どうしても視野が狭くなりがちです。いろんな病院の看護師と意見を交わして、人脈づくりや視野を広げることに役立てましょう。悩みや問題を抱えている方は、その解決につながる情報が得られるかもしれません。
・ブランクのある看護師が職場復帰しやすくなる
子育てなどでしばらく看護師の仕事から離れていた方には、復職者を対象とした職場復帰するための看護師研修セミナーもあります。セミナーを通じ、ブランクのある看護師でも職場復帰しやすくなるでしょう。医療業界全体で、慢性的な看護師不足が続いています。そのため、どの医療機関でもブランクのある看護師を再度活躍させたいと考えているのです。
病院や病棟の上司から、セミナーに参加するよう指示されることもあるでしょう。この場合は病院側がセミナー費用を負担する代わりに、レポートの提出が義務付けられていたり、院内の勉強会などでセミナーの内容を発表したりするかもしれません。忙しい業務のなかでレポートをまとめたり、発表内容を考えたりするのは大変です。しかし、第三者に伝えるための資料作りを通して、より理解度が深まるでしょう。学んだことの復習だと考え、前向きに取り組んでください。知識や技術を身に付けるためには、セミナーで学んだことを帰ってすぐにまとめておくことが大切です。
看護セミナーは感染症対策や急変時の対応、うつ病にさせないアドバイザー養成セミナー、検査画像の見方を学ぶセミナーなど実に多様です。そうした看護セミナーには、目的意識を持って参加しましょう。そうすれば、医療現場で役立つ知識や技術が習得できるはずです。病院から指示されて参加するセミナーであっても、新たな知識を身に付ける機会だととらえ、前向きな姿勢で臨むようにしてください。
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