看護師国家試験に合格するためには、過去問を上手く活用しましょう。看護師国家試験は、毎年2月中旬に実施されています。看護師養成課程を修了した人だけが受験する試験であるため、受験生を落としてふるいにかけることが目的ではありません。看護師養成課程で学んだ内容、看護師として働く上で必要最低限の知識を備えているかどうかを見るものです。そのため、合格率も高く例年90%前後で推移しています。
看護師国家試験に出題される問題は、大きく分けて「必修問題」「一般問題」「状況設定問題」の3種類です。
看護師としての基礎的な知識をみる問題です。
・1問1点 50問
(例)
QOLを評価する項目で最も重要なのはどれか。
1.高度医療の受療
2.本人の満足感
3.乳児死亡率
4.生存期間
※正解は2
看護師としての基礎的な知識をみる問題に加え、事例問題も出題されます。
・1問1点 130問
(例)
Aさん(66歳、男性)は、Lewy〈レビー〉小体型認知症であるが、日常生活動作〈ADL〉は自立している。介護老人保健施設の短期入所〈ショートステイ〉を初めて利用することとなった。施設の看護師は、同居している家族から「以前、入院したときに、ご飯にかかっているゴマを虫だと言って騒いだことがあったが、自宅ではそのような様子はみられない」と聞いた。入所当日の夜間の対応で適切なのはどれか。
1.虫はいないと説明する。
2.部屋の照明をつけたままにする。
3.細かい模様のある物は片付ける。
4.窓のカーテンは開けたままにする。
※正解は3
看護の現場で直面する状況を設定して判断力をみる問題です。
・1問2点 60問
(例)
Aちゃん(8歳、女児)は、白血病の終末期で入院しているが、病状は安定している。両親と姉のBちゃん(10歳)の4人家族である。Aちゃんの家族へ看護師が伝える内容として適切なのはどれか。
1.「Aちゃんは外出できません」
2.「Bちゃんは面会できません」
3.「Aちゃんが食べたい物を食べて良いです」
4.「Aちゃんよりもご家族の意思を優先します」
5.「Aちゃんに終末期であることは伝えないでください」
※正解は3
午前が2時間40分(120問)、午後が2時間40分(120問)。1問につき1分少々の時間配分です。何度も過去問をこなして、すらすらと問題を解く訓練が必要でしょう。
必修問題50問、一般問題130問、状況設定問題60問と、全部でわずか240問しかありません。過去5年前までさかのぼって、何度も繰り返し過去問を解く勉強法がおすすめです。まずは過去問に掲載されている正解率を見て、高いものから取り組むようにしましょう。正解率が高いということは、簡単な問題ということです。看護師国家試験では、こうした簡単な問題を確実に正解するようにしてください。その後に、正解率の低い難しい問題に取り掛かりましょう。
看護師学校のなかには、1年生から過去問を解かせているケースがあります。普段授業で学んでいることがどのような形で出題されるのか、早い段階から理解させることで、より効果的に勉強が進められます。なお、一般的には、看護師国家試験の1年ほど前から過去問の勉強をはじめるケースが多いようです。3年間はしっかり基礎を勉強して、看護師国家試験の1年ほど前になったら過去問に取り組むのが良いでしょう。
3年次には実習があるので、その内容に合わせて過去問を解く方法もおすすめです。たとえば、精神科の実習をした日には精神看護学の問題を解くなど。そうすれば、復習になるため頭に入りやすくなります。
看護師国家試験には、どのような過去問が出題されているのでしょうか?看護師国家試験の過去問を、いくつかご紹介します。
◎ビタミンと生理作用の組合せで正しいのはどれか。
1.ビタミンA―嗅覚閾値の低下
2.ビタミンD ―Fe2+吸収の抑制
3.ビタミンE―脂質の酸化防止
4.ビタミンK―血栓の溶解
※正解は3
◎小腸で消化吸収される栄養素のうち、胸管を通って輸送されるのはどれか。
1.糖質
2.蛋白質
3.電解質
4.中性脂肪
5.水溶性ビタミン
※正解は4
◎神経伝達物質と効果器の組合せで正しいのはどれか。
1.γ-アミノ酪酸〈GABA〉―気管
2.アセチルコリン― 瞳孔散大筋
3.アドレナリン―血管
4.セロトニン―心筋
5.ドパミン―汗腺
※正解は3
◎Aさん(70歳、男性)。1人暮らし。脳出血の手術後、回復期リハビリテーション病棟に入院中である。神経因性膀胱のため、膀胱留置カテーテルを挿入している。要介護2で、退院後は看護小規模多機能型居宅介護を利用する予定である。退院後にAさんが行う膀胱留置カテーテルの管理で適切なのはどれか。
1.蓄尿バッグに遮光カバーをかぶせる。
2.カテーテルは大腿の内側に固定する。
3.外出前に蓄尿バッグの尿を廃棄する。
4.カテーテルと蓄尿バッグの接続は外さない。
※正解は4(接続を外すと感染症のリスクが高まる)
◎ヒト免疫不全ウイルス〈HIV〉感染症について適切なのはどれか。2つ選べ。
1.本人より先に家族に病名を告知する。
2.国内では異性間性的接触による感染が最も多い。
3.適切な対応によって母子感染率を下げることができる。
4.性行為の際には必ずコンドームを使用するよう指導する。
5.HIVに感染していれば後天性免疫不全症候群〈AIDS〉と診断できる。
※正解は3と4
◎高速道路で衝突事故が発生し、20人が受傷した。A病院は、5人の重症患者を受け入れ、あわただしい雰囲気となっている。医療を安全かつ円滑に行うために、救急外来のリーダー看護師に求められる役割として誤っているのはどれか。
1.チームで患者情報を共有する。
2.スタッフの役割分担を明確にする。
3.患者誤認が生じないように注意喚起する。
4.電話による安否の問い合わせに回答する。
※正解は4(リーダー看護師の役割ではない)
▼参照:厚生労働省「看護師国家試験の問題および正答について」
看護師国家試験に合格するために、看護学校最終学年の理想的なスケジュールをご紹介します。
「人体の構造と機能」などの基礎的な部分を完全に理解して過去問の必修問題に取り組み、80%以上得点できるようにしましょう。
この時期までくると、簡単な過去問は終わっているはずです。そこで、正解率70%以上の過去問に絞って取り組みます。
正解率の高い過去問を中心に、正解率の低い問題にも範囲を広げてパーフェクトを目指します。ここまで来たら、あまり無理をせずに体調管理に注意してください。睡眠をしっかりとり、バランスの良い食事と適度な運動を心掛けて、風邪を寄せ付けないために身体の抵抗力を高めましょう。
▼参照:厚生労働省「看護師国家試験の問題および正答について」
看護師国家試験に合格するためには、過去問を有効に活用しましょう。過去問は、厚生労働省のホームページで公開されています。看護師国家試験は、受験生をふるいにかけるものではありません。看護師として働く上で必要な、最低限の知識を備えているかどうかを見るものです。看護師国家試験では、簡単な問題を確実に正解するようにしてください。
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