海外で働こうと考える看護師にとって、気になるのが免許の使用可否でしょう。結論から言えば、日本の看護師免許は世界共通ではありません。海外で看護師の仕事に就くためには、それぞれの国の看護師免許が必要です。このことについて、詳しく解説します。
海外で看護師として働くためには、その国の看護師免許が必要です。就労する場合には、それぞれの国の看護師免許を取得しなくてはなりません。海外研修や留学、ボランティアの場合には、日本の看護師免許で通用することもあるでしょう。しかし、看護師として海外で就労するためには、それぞれの国の法律にのっとって看護師免許を取得する必要があります。以下では日本看護協会の情報をもとに、主な国の看護師事情をまとめました。
各州に看護師免許制度があり、多くの州でCGFNSによるCertificationProgram(資格が基準に達しているかどうかの判断を補助するもの)の認定証が看護師試験の受験条件になります。アメリカ国籍があっても、海外で看護師免許の資格を取得した場合には外国人と同様の手続きが必要です。
・語学審査:有(オーストラリア、ケベック州を除くカナダ、ニュージーランド、イギリス、アイルランド出身者は除外)
Australian HealthProfessional RegulationAgency(オーストラリア健康問題規制機関)によるアセスメントのあと、Nursing andMidwifery Board ofAustraliaが基準にもとづいて審査します。
・語学審査:有(母国語が英語と認められる一定の国は除外)
各州・準州の規制機関が定めた看護師免許を取得する必要があります。
・語学:有(資格登録する州により、フランス語または英語の審査が課される)
【西オーストラリア以外のオーストラリア】
TransTasman MutualRecognition Actによる審査
【その他】
The HealthPractitionerCompetence AssuranceAct 2003にもとづいて審査します。
・語学審査:有(オーストラリアの看護師は審査なし)
【EEA及びスイス】
EUDirectiveに基づき認証
【その他】
個人ベースでの審査(看護学校の選抜試験に合格し、フラスの看護教育を受ける。1年目、2年目の課程を免除されることあり)
・語学審査:有(言語習熟度試験)
個人ベースでの書類審査あり(申請前に就労先の内定があることが必須)
保健大臣が認可している海外の学校を卒業している場合は、国家試験の受験による審査。それ以外の学校卒業者は、受験資格の審査があります。
【北欧】
Treaty of JointLabor Market for HealthPersonnelにて承認します。
【EU諸国で教育】
EUDirective の教育要件にもとづいて審査します。
【その他】
個人ベースでの審査も行います。
・語学審査:
【EU/EEA市民】無
【その他】フィンランド語の語学証明書の提示が必須
【EU】
EU Directiveにもとづき認証します。
【その他】
個人ベースでの書類審査を行います。
・語学審査:有(書類審査の際に語学力試験の結果を提出)
【EEA及びスイス】
EUDirectiveにもとづき認証します。
【その他】
個人ベースでの審査です。ドイツと同等以上の教育を受けたことを証明できない場合は、試験を実施します。
・語学審査:有
国際看護師として活躍する方法について、2つご紹介します。
JICAボランティアは、医療の知識や経験を発展途上国の人々に提供したいという看護師を看護師隊員として派遣しています。
・日本の看護師免許がある者
・看護師として3年以上の実務経験。専門性が求められる分野では5年以上の実務経験。
JICA海外協力隊に応募
↓
1次選考(書類審査)
↓
2次選考(面接)
病院や地域の小学校、保健センターなどでの看護業務、看護の指導、健康指導など。現地の看護学校で指導するケースもあります。
必要最低限の語学レベル、Dレベル以上(英語の場合、英検3級(中学卒業程度)、TOEIC(R)330点)
英語以外では、フランス語、スペイン語の語学資格はA~Dレベル、ドイツ語、イタリア語、ポルトガル語、ロシア語、中国語、韓国語、タイ語、インドネシア語の語学資格もDレベル相当で認定。
国境なき医師団は紛争が起こっている国や自然災害が発生している国などへ赴いて、医療を届ける団体です。1971年にフランスで設立され、1992年に日本事務局が発足しました。民間団体のため、企業や一般人からの寄付を財源にして運営されています。なお、看護職の項目には「看護師」「オペ看護師」と「助産師」の3つです。
・看護師
3年以上の臨床経験があり、感染管理経験、マネジメントや教育の経験が必要です。
・オペ看護師
手術室で4年以上の実務経験、産科や一般外科など、幅広い分野の手術補助の経験が必要です。
・助産師
2年以上の臨床経験とハイリスク分娩、異常分娩介助の経験が必要です。
応募
↓
1次選考(書類審査)
↓
2次選考(面接)
活動には英語が欠かせないため、面接のときに語学力を確かめます。
▼参照
・JICAボランティア
・国境なき医師団
アメリカやカナダ、イギリスなど、国別に看護師として働く方法を見ていきましょう。
アメリカでは、日本の看護学校の履修単位をそのまま移行できます。そのため、日本の看護師免許があれば、場合によっては専門課程を履修する必要がありません。
日本の看護教育がアメリカの看護教育レベルに相当するかを判断するCGFNS(Commission on Graduates of Foreign Nursing Schools)が審査し、審査を通ればNCLEX-RNという試験を受験します。NCLEX-RNに合格すれば、アメリカで看護師として働くことが可能です。
なお、アメリカには医師のように診察が行える上級看護師資格「ナース・プラクティショナー」があります。看護師として働きながらスキルアップして、「ナース・プラクティショナー」を目指すのも良いでしょう。
◎語学レベル
英語:TOEFL540が最低ライン
カナダで看護師になるためには、大学で学士号を取得しなくてはなりません。大卒の方は学士号があるので問題ありませんが、大卒でない方は大学に通って学士号を取得してください。州により看護師資格の規定は異なりますが、首都オタワがあるオンタリオ州では看護大学の卒業者はCNOという機関に登録し、看護師試験を受験します。
◎語学レベル
英語:IELTS4 7.0以上
イギリスで看護師になるためには、イギリス看護協会(NMC)の能力試験を受験します。受験資格は4年制大学を卒業していること、そして看護師として合計500時間以上の実務経験があることの2つです。学士号がない場合は、英語力を満たした上で学士コースへ進学して必要な課程を履修します。
◎語学レベル
英語:IELTS4 7.0以上
オーストラリアで看護師として働くためには、現地の看護協会に看護師登録します。アメリカやイギリスと異なり、オーストラリアでは日本の看護課程が移行できません。そのため、どの授業や実習を履修しなければならないのか、審査により決定されます。必要な課程を履修したあと、看護協会へ登録して就労ビザを取得する流れです。
◎語学レベル
英語:IELTS4 7.0以上
日本の看護師免許は、世界共通ではありません。海外で看護師として働く場合には、その国ごとの看護師免許が必要です。ただし、アメリカやイギリスでは日本の看護師教育の課程が移行できる場合があります。そのため、国によっては手続きや審査のみで看護師免許が取得できる可能性があるでしょう。また、JICAボランティアや国境なき医師団に看護師として参加し、現地で活躍する方法もあります。海外で働いてみたいという看護師なら、チャレンジしてみてください。
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