手術や処置の際に着用する滅菌ガウン。近年では、布ガウンではなく、液体が染み込まない素材でできたディスポーザブルのガウンが主流です。
今回は、意外と知らないガウンテクニックに関するポイントをご紹介します。
「ガウンを着たからもう清潔」と思いがちですが、意外とガウンの清潔とされる範囲は狭く、両腕と胸の前辺りだけです。不潔野に近づくほど清潔だとは言えなくなるからです。もちろん、背部は清潔とは言えません。
介助の際、手洗いや消毒を済ませた人との紐の受け渡しでは、極力離れた部分を持つようにします。ただし、一度持った部分から手を離してしまうと、清潔野に紐が垂れてしまうので気をつけてください。
ガウンを着ている人は不必要に動かず、着ていない人も距離を取って汚染しないように注意しましょう。
なぜ、ガウンって一人で清潔に着ることができないんでしょうか。わざわざ他人を呼んで着せてもらうって今時効率悪くない?と思うことがあります。
でも、手術に挑むスタッフは各々気合いを入れています。ガウン介助をしてもらうと気が引き締まるんです。
戦に向かう侍と同じく、誰かに鎧を着せてもらうことで気持ちが整理され、これから立ち向かう生死の世界に足を踏み入れる準備ができるということがあると思います。だからこそ、ガウン介助は重要です。
不潔にされたり失敗したりすると、時間のロスや手洗いや消毒した箇所が不潔になりやすいだけでなく、少なからず気持ちが萎えてしまうんです。逆に、スムーズに介助してもらえると、「ファイト!」と背中を押されたように実に気持ちがいいものです。
紐をすべて縛り終えた後、最後にガウンの裾を持ってパンと軽く引くと服にまとわりついたガウンが離れてモコモコしていたのが取れてスッキリします。
介助するときのポイントの一つが紐の縛り方です。首と背中にある紐を縛りますが、どのくらい締めていますか?
実は、きつすぎると長時間の手術では疲れます。また、執刀医や介助する看護師は腕を伸ばしたり比較的動きがあるので、紐が切れたり紐の付け根にテンションがかかってガウンが破れてしまうことがあります。痩せているからといって締めすぎないようにしましょう。
また、首の後ろの紐が縦結びになってしまうと首に当たり痒くなることもあるので気をつけてください。本人は痒くてもかけないし、術中に直すのも大変です。
ガウンを着用した後、手袋をするときはクローズド法が主流です。ガウンの袖から手が出ないようにして、そのまま手袋をはめます。
可能であれば、先にガウンと手袋を身に付けたスタッフに手袋を広げてもらい、そこに手を突っ込むようにすると上手くできます。手を突っ込みながら手先をガウンから出すことができるので、手袋が素早くピッタリ装着できます。
しかしながら、ガウンから手を出しながら突っ込むので失敗するとクローズド法ではなくなってしまいます。介助者は不潔にならないように注意してください。
一連の介助で大切なのは、声かけです。「介助します」から始まり、声をかけながら介助することで、清潔野に触れてしまうなどの失敗は少なくなります。
しかし、誰しも失敗はするものです。なんとなく清潔野に触ってしまったかもしれないというときは、正直に話してやり直しましょう。患者さまを感染から守るためにも、清潔操作を徹底することが大切です。
Writer…suke
Illust…Mana.Ishiguro
Twitter:@mana_utd
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