患者さんの固くなった心をほぐしていく、静かな愛のお弁当。ズルカン中山さんの『看護師メシ』【vol.15】

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「娘さんのお弁当」

患者さんと関わるなかで、印象に残っている場面がある。

病気の悪化・長期入院で、今まで大事にしていた社会的地位がなくなったKさんの苦しみは、今でもどう関わればよかったのか答えは出ていない。

自分のことはほとんど話さないKさんだったが、唯一仕事の話、海外出張の話、娘さんの話には表情が柔らかくなったことが印象的だった。

それだけ、大事にしていたんだと思う。

娘さんを前にしても、なかなか話をしないKさんだったが、お弁当でコミュニケーションをとっていた。

入院する前は、仕事で出張が多く、ほとんど娘さんとゆっくり話すことがなかったと言っていたが、入院して、Kさんも娘さんも、ゆっくりこれからの関わり方を探しているような印象を受けた。

中山有香里

【『看護師メシ』バックナンバー】

『看護師メシ』vol.1 ~年末年始の「すき焼き」~


『看護師メシ』vol.2 ~夜勤明けの「ラーメン」~

『看護師メシ』vol.3 ~休憩室を襲う「カップ焼きそば」~

『看護師メシ』vol.4 ~特別感がある「パン屋さんのパン」~


『看護師メシ』vol.5 ~士気が上がる「ケーキ」~

『看護師メシ』vol.6 ~欲望のままに「コンビニ飯」~


『看護師メシ』vol.7 ~腹も心も満たす「実家飯」~

『看護師メシ』vol.8 ~何杯もいける「カレー」~

『看護師メシ』vol.9 ~同期と「アイスクリーム」~

『看護師メシ』vol.10 ~折れた心を癒やした「天津飯」~

『看護師メシ』vol.11 ~無言のコミュニケーション「隠しオヤツ」~

『看護師メシ』vol.12 ~後輩の差し入れ「アップルパイ」~

『看護師メシ』vol.13 ~職員食堂の人間模様と「カツ丼」~

『看護師メシ』vol.14 ~落ち込む新人時代と「炊き込みご飯」~

【プロフィール】

中山有香里

看護師?イラストレーター。著書に『ズルいくらいに1年目を乗り切る看護技術『悲しいくらい人に聞けない看護技術』(メディカ出版)

Twitter:@musashi_0303

Instagram:@zurukan.yukari33

 
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