
医療業界を支える企業は数多く、それぞれが独自の技術力を活かして製品の開発に取り組んでいます。
そこで本記事で紹介するのは、医療従事者の安全を守るべくX線防護用具を専門とする企業、再生と記録の観点から医療業界にも貢献する企業、ロボット開発で医療業界に新たな風を吹き込む企業の3社です。
業務を無理なく円滑に遂行したい看護師さん、新しいカタチのリハビリに関心をお持ちの方は、隅々まで目を通して参考にしてみてください。
株式会社マエダは、前身となる株式会社前田製作所を1954年に設立して以来、長きにわたってX線防護用具の領域で製品づくりに努めてきた。「羽衣」ブランドのX線防護衣をはじめネックガードや眼鏡、手袋、ERCP用カーテンなどの製品を手掛け、医療従事者が安心・安全に業務を遂行できるように支援している企業です。
検査でX線を扱う場合、散乱線被ばくから医療従事者の身を守る最も一般的な対処方法は、X線防護衣を着用する事となっています。
しかし、防護衣によっては重さや汗のニオイ、汚れのつきやすさなどが課題として挙がることも多く、特に長時間の着用が求められる医療現場ではその課題は顕著と言えるでしょう。
そうした現場が感じている課題の解決に向けて同社が生み出したのが、長時間着用者向けX線防護衣「ワンダーライト」シリーズです。

同シリーズには、エプロンタイプ、コートタイプ、ハーフコートと巻きスカートに分かれたセパレートタイプが用意されており、各医療機関の環境に合ったものを選択できます。
また、外面の色は11色と豊富にあり、オプションとしてマークやネームの刺繍加工にも対応。組み合わせは無数に存在し、オリジナリティを出しやすいのがポイントです。
そんな同シリーズの防護衣は、無鉛遮へいシートを用いることで軽量化を実現しています。加えてコートタイプではインナーベルトを採用し、腰で支えることで長時間着用しても疲れにくく、医療従事者の身体的負担の軽減を図れるでしょう。
そして、防護衣の内面には同社が開発した消臭シート「93971/KUSAKUNAI™」が採用され、プロテクタに付着する汗の臭気成分(アンモニア、酢酸、イソ吉草酸)に対して消臭効果を発揮しています。
一方、外面に使用されているのは、SIAAにも登録された同社の撥水・抗菌シート「829/HAJIKU™」。細菌の増殖を抑えるだけでなく、撥水加工により汚れを落としやすくすることで、清潔な状態を維持することが可能です。

X線防護衣の課題が解消され、かつ手入れのしやすさやオシャレ心も感じられる同シリーズは、医療従事者のモチベーションを高めるキッカケにもつながるかもしれません。
音響機器事業および情報機器事業を通し、人々の感動や安心・安全な社会づくり、素晴らしい文化・芸術を後世へ継承することに寄与しているティアック株式会社。1953年の設立当初から自社の軸に据えている「記録と再生」はそのままに、強い情熱をもって新しいことにも挑戦している企業です。

手術室では術野カメラ等の動画を記録として残しますが、その動画を管理する際にはさまざまな業務負担が生じるケースがあります。
たとえば、動画を手術終了後に手動でコピーしなければならない、記録数が多く必要な動画がすぐに見つからないなどが挙げられるでしょう。
こうした動画管理にかかる業務負担の削減を図るため、同社は動画を一元管理できる手術映像記録システム 「SURGEONEv2」を開発しました。
仕組みとしては、同社のメディカルビデオレコーダーと併用し、レコーダーの録画ボタンを押すとネットワーク経由で自動的に同システムの動画サーバーに自動で転送され保存。既存のパソコンからWebブラウザを通して動画サーバーにアクセスすることで、容易な動画管理を実現します。
動画のコピーに必要だった作業時間が削減できるうえ、すぐに動画を参照することも可能です。

また、電子カルテとのシステム連携も可能で、患者情報やオーダー情報を同システム内に取り込むことで手術情報を入力する手間を削減できたり、電子カルテ端末から同システムを参照させることもできます。
そんな同システムが得意とするのは、動画の探しやすさ。患者IDや患者名、診療科、手術室、日付など多数用意されている検索項目から患者を絞れるので、即座に必要な動画を見つけられます。
膨大なHDDやDVDの中から探し出す作業、該当患者の動画かどうかの特定作業がなくなり、業務をスムーズに進められるでしょう。
そのほか、再生機能では倍速再生、途中シーンからの再生、編集機能では切り出しや合成、静止画書き出し、不要な部分を塗りつぶすマスキングなど幅広く対応しています。
さらに、ログインIDごとに細かな利用権限の設定、書き出し保存、同システム上でのストリーミング配信といった機能が備わっているのが特長です。
手術室内の動画管理に携わることがある外回りの看護師さんにとって、同システムは業務効率を上げるうえで有用な存在と言えるのではないでしょうか。
医療業界と介護業界が抱える課題の解決に向け、自社開発から受託および共同開発、製品開発のコンサルティングまで広く事業を展開するリーフ株式会社。さまざまな経験から培ってきた球体駆動・人に優しいインターフェース・センシング・機械学習・コンピューター制御の5つの要素技術を駆使し、「笑顔あふれる未来」の実現に奔走している企業です。

ケガや病気、加齢による身体機能の低下、また脳血管障害による片麻痺など、様々な理由によって歩行練習やバランス練習が必要になってくるケースがあります。
その際には平行棒や杖といった医療器具が用いられますが、同社が提供するのはそれらを一台でカバーできるロボット、歩行リハビリテーション支援ツール「Tree」です。
片手でグリップを握るだけでリハビリを始められる同製品は、利用者さんに操作負担がかかりにくいのが特長となっています。
また、正面にくる操作モニター上では足形や目標線を表示してステップ位置をガイドし、かつ音声でも声掛け案内が行われるため、利用者さんは自然に歩行リズムを掴むことができます。
Tree本体は、支持基底面が広く安定性がありますが、万が一の場合には停止装置のクリップスイッチ、緊急停止装置の非常停止ボタンが備わっているので、介助する医療従事者も安心でしょう。
そして、利用者さんの状態に応じて、効率良く歩行リハビリを行えるようなシステムが組まれているのもポイントです。
練習モードは二動作・三動作の歩行様式を備えた杖歩行モードと連続歩行モードの2種類を用意し、歩行速度や歩幅、歩行リズムなどの負荷量も調整できます。
リハビリ中のスタートやストップ、速度調整、旋回などは手元の無線リモコンで簡単に操作できるので、介助者が操作一辺倒にならず、利用者さんにしっかりと意識を向けられる点も見逃せません。

高齢者の方や患者さんの中には、リハビリに対して前向きな姿勢がなかなか見えてこない方もいるのではないでしょうか。
そのようなときにこうした新しいリハビリ支援ツールがあれば、リハビリに対する姿勢が変わるキッカケとなるかもしれません。
※同製品は全国向けに拡販しておらず、九州地区の限定対応となっています。
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