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経営者として事業所間連携を意識「地域の在宅医療のレベルを上げたい」訪問看護師インタビュー・中村 千賀さん

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在宅医療の最前線で活躍する訪問看護師へのインタビューシリーズ。今回は、「やさしいそら訪問看護ステーション」(大阪)を運営する「株式会社 エイ・アイ・ピー」代表取締役の中村 千賀(なかむら ちか)さんを取材。経営者としての仕事内容や訪問看護師に向いている人の特徴について伺いました。

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プロフィール
中村千賀(なかむら ちか)さん
「株式会社 エイ・アイ・ピー」の代表取締役。大学卒業後、大手企業で産業保健師として13年勤務したのち、大学院に通いながら保健師として働く。医者である夫のクリニック開業時に縁のあった「やさしいそら訪問看護ステーション」の運営を引き継ぐ形で2017年に会社を立ち上げる。現在はステーションを経営する傍ら大学院博士課程に就学中。休日は論文を読むなど看護研究に勤しんでいる。

目次


■訪問看護ステーション開設。地域の在宅医療の向上を目指して
■訪問看護の主役は利用者さま。その人らしく過ごせるように支援する
■地域全体で利用者さまや事業所がより繋がれるような仕組みを


訪問看護ステーション開設。地域の在宅医療の向上を目指して


——訪問看護ステーション開設までの経緯を教えて下さい。

大学卒業後は産業保健師として大手企業に就職しました。もともと物事を分析するのが好きで、地域や企業の特性を分析した上で、健康教育等を企画していきたいと考えていたんです。産業保健師としては13年働いて、その間に結婚もしました。その後、大学院に通いながら健康組合などで保健師をしていましたが、医師である夫のクリニック開業にともない「訪問診療を手伝ってほしい」と言われ看護師として働くことにしました。臨床経験がなかったので、訪問診療を手伝いながら徐々に仕事に慣れていきましたね。そんな折、利用者さまを紹介してくださっていた「やさしいそら訪問看護ステーション」が閉業することになり、ステーションを引き継ぐ形で「株式会社 エイ・アイ・ピー」を立ち上げました。

——保健師として働きながら大学院に通われたのはなぜですか?

産業保健師をする中で、「企業以外でも保健師をしたい」という気持ちと、「発達障害の分野について学びたい」という気持ちがでてきたからです。研究が好きだったこともあって、大阪教育大学の大学院に通いました。その後は大阪大学の博士課程に進学して、現在も在宅分野について学んでいます。

——現在は会社の代表としてどんな仕事をされていますか。

訪問看護ステーションとしては、主に大阪市福島区にお住まいの利用者さま宅を中心に訪問しケアを提供しています。利用者さまは夫が経営するクリニックで診ている方が大半です。夫はもともと外科専門だったので、末期がんなど外科的な症状をお持ちの方が多いですね。

現在ステーションの管理はスタッフに任せていて、地域全体の在宅医療・介護に関わる活動をしています。具体的には、福島区医師会の相談員(コーディネーター)として医療と在宅介護の橋渡しをする、取得したケアマネージャーの資格を活かしてほかの事業所でケアマネをする、研修会を開くといった活動です。

——研修会ではどんなことを?

研修会は区内のいろいろな事業所同士がつながる場にしたいと考えています。第一回目は食をテーマにお弁当屋さんやケアマネ、歯科医師を招待し、連携を深めました。
というのも過去に担当した利用者さまに、末期がんで「最後にたこ焼きがたべたい」と仰る方がいて、ご本人は歯がなくて固形物を食べられない状態でしたが、歯科医師に協力してもらい1週間足らずで入れ歯を作ってもらったという経験があったんです。そのおかげでたこ焼きを食べたり、ご家族の方と話したりできるようになって、亡くなった後も歯のある状態で送り出すことができました。当時の歯科医師の迅速な行動を見て、在宅の生活を継続するには介護や看護以外の専門職や、地域の人たちの協力も必要だと感じるようになりました。
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訪問看護の主役は利用者さま。その人らしく過ごせるように支援する


——訪問看護のやりがいを教えて下さい。

利用者さまと時間をかけて関係を築き、その人らしく日々を過ごせるよう支援できることですね。また、利用者さまが今まで生きてきた人生の歴史を聞いて、「最期をどういう風に過ごしたいか」というのをご本人やご家族の方と一緒に考え叶えていくことに達成感があると感じます。

——訪問看護師を務めるうえで大切だと思うことは何ですか?

利用者さまを第一に考えることです。何が利用者さまの望みで、どうすることがご本人にとって一番良いか。そのために、一緒に働くスタッフやご家族と協力しあうことが欠かせません。関わる人たちとうまく連携を取ることも大切ですね。

——訪問看護師にはどんな方が向いていますか?
今働いているスタッフは、看護が本当に大好き!という方がほとんどなので、看護をじっくりやってみたいと思っている方はぜひ訪問看護の扉を開けてほしいですね。向いている方というのは、ずばり!「看護が好きな方」です。
また、利用者さまの容態は変化するものなので、先を見通して対処していくことも大切です。見通しをもっていないと現場で起こる事態に落ち着いて対処できず、パニックになったり人のせいにしたりしてしまいます。まずは落ち着いてしっかりアセスメントすることが大切ですね。もちろん、最初から見通しをもつのは難しいかもしれません。いわゆる報連相をしっかり行うことを意識してもらえればと思います。自分自身で手に負えないことは管理者に連絡を入れたり、周囲の人に相談したりすることで、状況が良くなることも多いんです。必要な場面で人に頼れるということは大事なことですね。
最後に、自分の強みを分かっている方は、より専門性を高めることができると思いますし、なによりいきいき仕事をされています。誰にでも強みはあるので、一度ご自身のことを見つめなおすこともお勧めします。

地域全体で利用者さまや事業所がより繋がれるような仕組みを


——これからどんなことに⼒を⼊れていきたいですか︖

訪問看護ステーションとしては、地域の他の事業所などと連携を強めて、サービス提供の基盤を強化していきたいです。地域単位では各事業所がもっと繋がれるような仕組みを作っていきたいと考えています。ひとつの事業所だけで解決できることは少ないので、研修会等を通じて福島区全体で必要な時に、必要な事業所同士が繋がれればいいなと思います。

最近はストレングスファインダーに興味があり、コーチの資格も取得しました。チームビルディングや組織開発のための資格ですが、私自身とても楽しく学ぶことができました。こういった学びも、地域貢献に役立てていきたいです。

——訪問看護に興味がある看護師へ⼀⾔お願いします。

訪問看護を少しでもやりたいと思ったなら、ぜひ一度飛び込んでみたら良いのかなと思います。保健師を目指す看護学生の方からも「先に看護師になった方が良いか?保健師になった方が良いか?」とよく質問を受けます。先に看護師になった方が技術面では有利かもしれませんが、保健師もまた違う視点を養うことができます。私自身、臨床経験こそありませんでしたが、産業保健師のころに得た勤怠管理や賃金制度など人事に関するノウハウを今の仕事に活かすことができました。

訪問看護は仲間がいて、お互いがフォローしあえる環境です。どんなキャリアを経ても、経験を活かす方法を見つけることができると思います。私自身も、最初は法定の2.5人から始まったステーションでしたが、現在は保健師や訪問看護師としての経験を活かして自事業所だけでなく、地域へ活動の幅を広げられているのがとても楽しいですね。まず、新しい一歩を踏み出すことで新しい楽しみを見つけることができます。ぜひチャレンジしてみてください。

——ありがとうございました。

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中村様は、組織開発にも活かせるようにファシリテータ資格も取得している

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