科学の発展による環境や生活様式の変化に伴い、アレルギー疾患やがん、糖尿病などの疾患は増加傾向にあるといわれています。適切に対処するには、疾患への理解を深めるとともに、疾患を誘発するリスクを取り除く必要があります。今回紹介するのは、アレルギー疾患や、喫煙による被害に悩む方を支援しているグループです。看護師として力になれることもあると思いますので、是非読んでみてください。
日本アレルギー友の会は、喘息やアトピー性皮膚炎で悩む方々をサポートするために1969年に設立されました。喘息・アトピー性皮膚炎患者の治療に役立つ情報の発信や、相談の場の提供などを行っています。また、慢性疾患である喘息やアトピー性皮膚炎への理解が広まるよう、社会への働きかけも積極的に実施しています。少しでも多くの喘息・アトピー性皮膚炎患者が笑顔で前向きに生きられるよう、同じ患者ならではの活動を実施している法人です。
電話やメール、来訪による療養相談を実施しています。「つらさや不安を周囲に理解してもらえない」「症状は酷いものの、ステロイド剤は怖くて使用したくない」といった、さまざまな悩みが全国から寄せられています。
相談に乗っているのは、実際に喘息やアトピー性皮膚炎を経験し、苦しみを乗り越えてきた相談員です。患者の立場から、日本アレルギー学会・日本皮膚科学会の治療ガイドラインにある標準療法に基づいた、適切なアドバイスを行っています。
また患者のつらい症状や気持ちを理解したうえでそれを乗り越える道をともに探していく、ピアカウンセリングも実施。悩みや不安を親身になって聞いてもらえること、共感してもらえることが、患者の大きな救いになっています。よりきめ細かにサポートできるよう、オンラインでの対面相談にも対応しています。
治療の第一線で活躍している専門医による講演会や、患者同士がともに話し学び合う患者交流会、吸入器の使い方や外用薬の塗り方などを学ぶ勉強会・座談会を開催しています。
▲創立50周年記念講演会/画像提供:認定NPO法人日本アレルギー友の会
喘息・アトピー性皮膚炎患者が求める情報をまとめた月刊誌「あおぞら」を発行し、会員の自宅に郵送しています。喘息・アトピー性皮膚炎治療・薬の最新情報や患者の体験記、講演会の案内など、役立つ情報が満載です。またパソコン・スマートフォンで閲覧できる「あおぞら」Web版も発行されています。
ここでは、喘息のお子さんを持つ方の体験談をご紹介します。
娘は4歳の時に息が苦しいと訴えて以来、苦しくて夜も眠れないということが多々ありました。しかし、苦しいというのを周囲に上手く伝えられず、我慢することも多かったようです。実際、清涼感のある香りやくしゃみ、クーラーなど、日常の些細なことで苦しい思いをしていたということを、後になって知りました。
現在は、かかりつけの医師のサポートもあり、落ち着いて過ごせるようにはなっています。
この体験談によって、喘息の苦しさを伝えられず、苦しんでいる子がいることを知ってもらえれば幸いです。
認定NPO法人日本アレルギー友の会
https://allergy.gr.jp/
「デジタル療法」という新たなアプローチで、医療革新に挑まれている株式会社CureApp。従来の医薬品や医療機器では治療しきれなかった病気を治すべく、「行動変容」に重きを置いた『CureApp SC ニコチン依存症治療アプリ及びCOチェッカー治療アプリ』(以下,CureApp SC)を開発しました。また、治療用アプリ開発の知見を活用した、民間法人向けプロダクト「ascure卒煙プログラム」も各種開発・提供しています。
▲画像提供:株式会社CureApp
『CureApp SC治療アプリ』は、禁煙外来で治療を受ける患者の、院外での治療サポートを行うために開発された医療機器です。
患者がアプリに入力した日々の経過や状態などのデータを、医学的知見を搭載したアルゴリズムが解析し、一人ひとりに適した治療ガイダンスを提供しています。次回の通院までの期間など、医療従事者の介入が難しい治療空白期間にアプリが介入して適切なサポートを実施するため、禁煙治療の継続率が高まります。医療従事者も、適切な治療方針の策定に必要なデータを、長時間の問診を行わずに獲得できるため、診察効率の質の向上につながります。
治療用アプリは、新たな治療法(デジタル療法)として国内外で注目されています。すでに海外では治療効果が認められ、国からの承認を得た治療用アプリが処方されはじめています。なおCureApp SC同アプリも厚生労働省からの薬事承認を得て、2020年12月に保険収載されました。禁煙外来にて同アプリを処方してもらう場合、保険が適用されます。治療や処方を望まれるな場合は、かかりつけの医師やお近くの医療機関にご相談ください。
ニコチン依存症を克服するには、身体的依存と心理的依存、それぞれに適した治療を行う必要があります。
禁煙外来では身体的依存の治療に使う禁煙補助薬としては、「ニコチンガム」「ニコチンパッチ」「ニコチンを含まない飲み薬『バレニクリン』『ニコチンパッチ』」の3種類が使用されます。
心理的依存に対する治療は、医師のアドバイスがメインになります。しかし、医師は常時患者のそばにいるわけではないため、患者の習慣を変えさせるのが困難という課題がありました。その課題の解決に有効だといわれているのが、治療用アプリです。治療空白期間にアプリが介入してサポートを行うため、治療が持続しやすいといわれています。
タバコには、数百種類の有害物質が含まれています。有害物質の中でも健康有害性が高いのは、タール・ニコチン・一酸化炭素です。これらは、がんになる危険性を高めるほか、動脈硬化や酸素不足を引き起こす原因にもなるといわれています。そのほか喫煙によって引き起こされる症状として、高血圧や糖尿病、歯周病などが挙げられます。近年では、喫煙が新型コロナウイルス感染による重症化リスクの要因の1つであることもわかっています。
タバコは喫煙者だけでなく、周囲にいる人の病気リスクをも高めてしまいます。禁煙をしたいけれど自分だけでは上手くいかない場合は、早めに禁煙治療を受けましょう。
株式会社CureApp
https://cureapp.co.jp/
日本小児禁煙研究会は、子どもの喫煙・受動喫煙関連疾患の研究および禁煙推進を目的として発足されたNPO法人です。
胎児・乳幼児の、受動喫煙による健康被害は深刻です。また中学生や高校生など、未成年の喫煙も問題になっています。未成年はニコチン依存の形成が早く、場合によっては数週間で常習化する恐れもあります。そして、未成年喫煙者の多くが、家庭内に喫煙者を有することもわかっています。
日本小児禁煙研究会は、こうした子どもの喫煙に関する問題を提起し、日本独自のエビデンスを生み出すべく、研究・議論を進めているNPO法人です。年1回の学術集会や年2回の研究会雑誌の発行を通し、喫煙防止教育の普及に努めています。
ここでは、学術集会の内容を紹介します。
2020年に開催された学術集会では、健康教育に関する講演が実施されました。具体的には、小中学生のタバコへの認知度および使用実態や、受動喫煙防止条例について、学校における喫煙防止教育のあり方や成果などが議題として挙がりました。医療・福祉現場や教育現場、行政などで禁煙指導や支援を実施している方々が参加されたようです。
近年、学校や保育所、教育施設、行政機関、医療施設などが屋内全面禁煙になったほか、飲食店での分煙も進んでます。これらの取り組みによって喫煙率自体は低下しているもの、タバコによる健康被害を訴える子どもは後を絶ちません。
そのため子どもが容易に喫煙に走らないよう、教育現場において喫煙防止教育が行われるようになりました。しかし子どもへの一時的な指導だけでは、不十分であるという報告も挙がっています。喫煙防止教育を徹底するには、保護者をはじめとする周囲が、まずはタバコやその害について正しく認識する必要があります。特に喫煙習慣がある保護者は、状況によっては受動喫煙が虐待になりうることをしっかりと理解するべきでしょう。その上で保護者や学校、地域などが密接に連携し、医療の専門家の指導のもと継続した教育を行うとともに、子どもが受動喫煙にさらされない環境をつくることが大事です。
なお子どもがすでに喫煙によるニコチン依存症を発症している場合、小児禁煙外来にて治療を受ける必要があります。小児禁煙外来では、診察やカウンセリング、服薬治療を含む禁煙プログラムが実施されます。禁煙への関心が高まっている一方、加熱式タバコがブームになったりと、タバコを試してみたくなるような誘惑はそこかしこに散らばっています。そのため、社会全体でヘルスリテラシーを高め、子どもたちをタバコの害から守っていく必要があるでしょう。
NPO法人日本小児禁煙研究会
https://jsptr.jp/
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