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「『これが食べられるなら頑張れるわ』の一言で、勉強してきてよかったと思いました」訪問看護師インタビュー・田部井 佑介さん

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在宅医療の最前線で活躍する訪問看護師へのインタビューシリーズ。今回は「株式会社ボンズシップ ボンズシップ訪問看護リハビリステーション亀戸サテライト」に勤務する田部井 佑介(たべい ゆうすけ)さんを取材。訪問看護のやりがいや大変さ、思いについて伺いました。

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プロフィール
田部井 佑介(たべい ゆうすけ)さん
「株式会社ボンズシップ ボンズシップ訪問看護リハビリステーション亀戸サテライト」(東京都)に勤務。北里大学病院にて内分泌代謝内科・膠原病内科病棟での看護をメインに担当し、6年間の勤務を経て同大学系列の北里メディカルセンターへ異動。内分泌代謝内科・膠原病内科・循環器内科の混合病棟で3年間勤務し、2020年4月より現職。訪問看護師として活躍するかたわら、ステーションの管理業務にも携わっている。趣味は奥さんと一緒に釣りや旅行に行くこと。




目次

■再入院の患者さまを何度も目にしてきたことが、訪問看護の道に進むきっかけに

——現在のお仕事内容について教えてください。

訪問看護業務と並行して、すきま時間で管理業務も行っています。訪問看護の仕事内容としては、癌や糖尿病、心不全、COPDなど、さまざまな症状を抱えた利用者さまの処置を行っています。また、認知症で内服薬の管理が1人でできなくなってしまった方の支援を行うこともありますね。

1日の訪問件数は5~6件で、管理業務があるときは1日3~4件にセーブしています。訪問エリアは、当ステーションがある亀戸や近隣の東砂、江戸川区の平井方面が多いです。同じ江東区にある法人内のサテライトステーションとは訪問エリアがある程度分かれているのですが、オンコール対応のときはほかのサテライトステーションの訪問エリアも1人で担当します。日中の訪問では自転車や電動アシスト自転車を使う方が多いですが、夜間の訪問では訪問範囲が広くなるので、自家用車やタクシーを利用することもできます。オンコール対応にはまだ多く入っていないのですが、サテライト内でオンコールの電話が鳴る頻度は多いときで1日3~4件で、なかには全く鳴らない日もあります。

——訪問看護師になるまでの経歴について教えてください。

2011年に看護師免許を取得してから、まずはじめに北里大学病院に入職しました。北里大学病院では内分泌代謝内科と膠原病内科の病棟での看護をメインで経験し、6年間勤めたのちに同じ大学病院系列の北里メディカルセンターに異動しました。北里メディカルセンターでは分泌代謝内科・膠原病内科・循環器内科の混合病棟で3年間経験を積み、その後退職しました。

北里大学病院に入職してから北里メディカルセンターを退職するまでの9年間では、もともと興味のあった糖尿病看護の知識を深めるために、地域のイベントに積極的に参加していました。たとえば、糖尿病教室の講師をしたり、月1回のペースで糖尿病の講習会に参加し、地域の方の血糖値を測定したりしていましたね。糖尿病の講習会では、実際に血糖値が高かった方に病院の受診をすすめたり、糖尿病を予防するための食生活の相談にのったりしていました。

——訪問看護師へのキャリアチェンジを決めたきっかけは何ですか?

内科病棟で働いていたときに、一度退院しても再入院で戻ってきてしまう患者さまをたくさん見てきたことがきっかけです。心不全や糖尿病、膠原病などの疾患がある方は、ご自宅での服薬管理が上手くいかずに再入院になるケースがあります。患者さまが入退院を繰り返さずに安心して生活できるように、訪問看護の現場で在宅医療支援に携わりたいと思いました。

また、プライベートでは2020年の2月に結婚をして東京に引っ越してきまして、そのタイミングで夜勤がない職場を探していたことも理由の一つです。東京で転職活動をするにあたって、奥さんと話し合い、夜勤がない職場を中心に探してみようという話になりました。そこで、「オンコール対応はあるけど病棟と比べるとそこまで頻度は高くなさそうだな」という考えから訪問看護ステーションが転職先の候補にあがり、チャレンジしてみようと思いました。

自宅から近い亀戸周辺にある訪問看護ステーションを中心に面接を受け、いくつか内定をいただいた中から当ステーションに入職を決めました。入職の決め手は、法人内の複数のステーションで男性看護師が活躍していたことです。

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■「熱中症になったらすぐに点滴」ができないからこそ、先回りした看護が必要

——訪問看護師として働いてみて、病棟勤務とのギャップを感じることはありましたか?

訪問看護では、利用者さまの食べたいものを完全に禁止するのではなく、「これだけの量を食べてみて、次の採血でどれくらいの変化が出るか見てみましょう」という柔軟な対応ができることに良い意味でのギャップを感じました。病棟では患者さまの食事を細かく管理しているので、退院後の生活を見すえて試しに間食をしてもらう、という融通を利かせるのがむずかしい面がありました。訪問看護では、体調に影響が出ない範囲で利用者さまの希望を叶える方法を考えていけることに面白さを感じています。

また、訪問看護の現場でのケアを通して、利用者さまに対して少し寛容になった気がします。入院中は病院で食事のコントロールをしてもらえますが、退院後も食べたいものをずっと我慢していくのは辛いですし、自宅に戻ってきて間食がしたくなるのは自然なことだと思うんです。そのような利用者さまの気持ちに共感を示し、最低限のラインを守ったうえで、一人ひとりの利用者さまの生活に合わせた看護ができるようになったのはとても良い変化だと思っています。

——「これは大変だな」と感じたことがあれば教えてください。

雨の日と夏場・冬場は訪問が大変ですね(笑)。また、季節に合わせた利用者さまの体調管理には神経を尖らせています。たとえば、夏場は熱中症のリスクが上がるので、外部のケアマネジャーさんやヘルパーさんと相談しながらエアコンの温度を調整したり、こまめに水分を摂っていただいたりしています。エアコンの温度は、個人的には適温だと思っても、「水分をあまり摂らずに部屋の中で横になっている利用者さまにとっては暑すぎるのではないか?」というアンテナを常に立てておく必要があるなと感じています。

入院中であれば、熱中症の症状が出てもすぐに点滴を打ったり点滴の量を増やしたりすることができるのですが、在宅看護ではそのような対応がむずかしいのが事実です。そのため、利用者さまが体調を崩さないように、こちら側が先回りして適切な処置を行うことを心がけています。室内の温度調節や水分補給の管理が上手くできなかったことで利用者さまが入院されてしまったら、とても悲しいですからね。

■自分のアセスメントがきっかけで、利用者さまが1人でトイレに行けるように

——どのようなときに訪問看護のやりがいを感じますか?

自分のアセスメントで、利用者さまのQOLを向上させることができたときにやりがいを感じます。「リハビリを行ったらQOLがもう少し上がるんじゃないかな」という利用者さまには、リハビリの必要性を説明し、ご同意を得たうえで当社のリハビリサービスを利用していただいています。実際に、リハビリスタッフの介入によって、バルーンカテーテルを使用されていた方が1人でトイレに行けるようになったり、訪問看護を卒業してデイサービスを利用できるようになったりした事例がありました。利用者さまのお体の状態がどんどん良くなり、ベッドの上から室内へ、室内から外へと行動範囲が広がっていく様子を見ていると、本当によかったなと思いますね。

もちろん、症状が改善された方を良い形で見送ることもあれば、ご自宅で息を引き取られた方のお看取りに立ち会うこともあります。すべての利用者さまが望ましい経過をたどるわけではありませんが、病棟での勤務経験が長い方であればあるほど、「訪問看護でも利用者さまの身体機能の向上を叶えられるんだ」という喜びを強く感じることができると思います。

——利用者さまとの印象に残っているエピソードを教えてください。

日常生活でインスリン注射が必要になってしまった利用者さまから、「おやつでフルーツを食べちゃダメですよね?」というご相談を受けたことがありました。その方はフルーツがとてもお好きだったので、自分が過去に糖尿病の教室で講師をしていた経験をふまえて、「このフルーツとこのフルーツは、これくらいの量であれば食べても大丈夫ですよ」とお伝えしました。実際に利用者さまにフルーツを食べていただいたところ、血糖値にも大きな変化がなかったため、フルーツの種類と量を守っていただければ問題ないと判断しました。

その際に、利用者さまから「退院後にインスリン注射が始まって鬱陶しくて嫌だなと思っていたけど、これが食べられるなら頑張れるわ」と言っていただけたんです。その言葉をいただいたときは、糖尿病の勉強を続けてきた甲斐があったなと思って非常にうれしくなりました。

■看護師同士はもちろん、リハビリスタッフとの横の連携も大切にしていきたい

——これからどのような訪問看護師を目指していきたいですか?

訪問看護師としては経験年数が1~2年とまだ浅いので、経験豊富な先輩方から知識を吸収し、現場での業務に活かしていきたいです。また、管理業務に携わる以上、周りのスタッフと連携しながらサービスを提供する機会がもっと増えてくると思います。その際に、訪問看護師とのコミュニケーションはもちろんですが、リハビリスタッフをはじめとする他職種ともスムーズにコミュニケーションをとることを意識して業務を遂行していきたいなと考えています。

——訪問看護に興味があるけど一歩踏み出せない、と悩んでいる方へメッセージをお願いします。

フィジカルアセスメントの技術がしっかり習得できているのであれば、看護師としての経験が2~3年目の方でもチャレンジして全く問題ないと思います。自分自身、病棟看護の経験は9年ありますが、訪問看護の現場ではその経験が通用しない部分も多くあります。そのため、「ここで勉強して成長していくんだ」という気持ちがあれば十分に活躍できると思います。

当ステーションではタブレットを1人につき1台支給していますし、利用者さまの情報は電子カルテに記録しています。「この疾患は何だろう?」という疑問がわいたときに、タブレットや電子カルテを使ってすぐに情報を調べることができるので、分からないことがあっても焦らず落ち着いて業務にあたれると思います。

——ありがとうございました。

▼記事に関連する施設の情報はこちら(看護のお仕事)

訪問看護リハビリステーションボンズシップ東陽ステーション

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