はじめまして!私の名前は児玉のぞみ。つばさ病院附属の看護学校に在学中の20歳です。
地獄のように大変だった実習も、果てなく思え苦しかった看護研究も、やっと終わった!と思ったら、いよいよ国家試験の勉強に突入!卒業試験もあるし…もう3年生には休んでいるヒマなんてありませんっ。
冬休みには寮から実家に帰ったものの、いつものようにノンビリと過ごすこともできず、こたつで過去問演習ばかりず~とやっていました。
初詣はわざわざ遠くの“学業成就の神様”まで行って、絵馬を奉納。お賽銭だっていつもに比べて大奮発!
神頼みですって?
そうもなりますよ。だって、担任の看護教諭・荒川先生が「看護師国家試験は落とすための試験ではありません。昨年の合格率は90%でした」なんて言うんですよ!
もし、私がその合格できない10%だったら…と思うともう怖くて、怖くて…。
思い起こせば子供の頃、人のお見舞いで行った病院で話した優しい可愛い看護師さん。
「あんな看護師さんになりたい!」と憧れて、受験したこの看護学校。
入試に合格した時は、「看護師になれる!」とうれしかった。
寮生活が始まった時は、ホームシックになって泣いた夜もあった。
それでも同級生と励ましあって、ここまで頑張ってきたのに…。
「看護師になれなかったらどうしよう~~!!1年生の時からもっともっと真剣に授業を聞いていればよかった~」
私が嘆いていると、「のぞみ。ボーっと教科書見てても頭にはいらないわよ」と同級生で大の仲良し、同室のひかり(高橋ひかり)が湯気のたつマグカップを2つ持って部屋に入ってきました。
「今になって後悔したってしかたないわよ」
「あの時はあの時で、一生懸命にやっていたつもりだったんだよ。でも、まだまだ甘かったなぁ」
「ほら、カフェオレいれてきたから飲んで。過去問やろうよ」
「うーん、でも薬理がね、全くわかんないんだよね」
ひかりはやれやれといった感じで、自分のデスクにつくと過去問題集を広げました。
「薬理の問題も出るけどさ、得意分野をもっとやりこんだ方が得点につながると思うけどね」
ひかりは賢い人なんです。まるでわからない科目をもう一度勉強し直すよりも、得意科目をブラッシュアップしていく方がずっと得点につながる…確かにそうかもしれません。
私はうんうんとうなずくと、熱いカフェオレをひとくち。
「ああ…なんか胃があったまったら、少し元気が出てきたよ。持つべきものは賢い戦友だね!」
と私が言うと、ひかりは笑いました。
「今晩、何時寝する?」
「うーん、1時には寝てたいね」
こうして看護学生寮3年生の部屋は、深夜まで明かりが灯っているのでした。
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