
今回ご紹介するのは、第三次救急医療機関にてフルタイムで働く、看護師歴18年の麻美さん。
3人姉妹を育てる麻美さんは、育児休業を取ったのち、フルタイムでNICU(新生児集中治療室)で勤務。今年の4月からはGCU(新生児回復室)へ異動となり、活躍されています。
本記事では、育児をしながら「フルタイム・夜勤あり」で働き続ける秘訣を伺いました。
子育てと看護師の両立に悩むママさんナースや、育休中でどのように復帰するか迷っている方は、ぜひ最後までお読みください。
麻美さんは、13歳の中学生2人(双子)と8歳の小学生、ご主人、義両親と2世帯で暮らしています。麻美さん一家は2階、義両親は1階とフロアが完全に分かれているため、お互い干渉せず、適度な距離感を保っているとのこと。

麻美さんは、第三次救急医療機関で働く19年目のベテラン看護師です。16年間NICUで働き、今年の4月からGCUへ異動して常勤(フルタイム勤務)として働いているそうです。
職場は2交代制で、日勤、ロング日勤、夜勤の3つの勤務形態があり、月に4〜5回の夜勤をこなしています。
自分の病院で出産をした麻美さん。
看護師5年目のときに上の子(双子)を、10年目で下の子を出産し、育休は、上の子は1年10ヵ月、下の子は1年7ヵ月取得しました。
――育休から復帰するとき、時短や部署移動、職場の変更は考えなかったですか?
麻美:考えなかったです。私は復帰後も常勤で働きたくて、そうなると必然的に夜勤をやらないといけないので、「フルタイム・夜勤あり」の働き方しか頭になかったですね。
実は、復帰の際に外来やオペ室も提案されたのですが、断ってNICUに戻りました。NICUでの仕事にやりがいを感じていたのと、自分もここでの出産を希望するほど安心感があったからです。
娘は私が働いていたNICUでお世話になったので、その恩返しの気持ちもあったかもしれません。
子どもの熱で休んだときも、「子どもは社会の宝だから」とみんなすごく優しくて。こういう環境も、元いた部署に復帰したいと思う理由の1つでしたね。

――育休から復帰するときに、不安や迷いはありましたか?
麻美:常勤という点について迷いはなかったのですが、やはり不安は大きかったです。
これらが心配でした。
ただ、育休中は子どもと遊んだり出かけたり…復帰に向けて勉強とか準備なんて、する余裕は正直なかったですね(笑)。
復帰して早くも2週間くらいで夜勤が始まったので、気づけば現場での感覚も取り戻していました。
――復帰前、育児と仕事を両立するために準備したことはありますか?
麻美:復帰前に計画的に準備したことといえば…「卒乳」です!夜勤をすることが分かっていたので、パパだけでも夜が越せるようにと計画的に卒乳をしましたね。
本当は気が済むまでおっぱいをあげたかったけれど…やっぱりパパに迷惑をかけられないなと思って、心を鬼にして「絶対にあげない」という気合いで乗り切りました。
すごい大泣きしたのでかわいそうで…私も悲しい気持ちになりながら卒乳した記憶があります。
双子のときは2人とも1歳3ヶ月でほぼ同時に卒乳できました。下の子は甘えん坊だったので3歳ごろまであげましたが、年齢的にも私が夜勤のときは我慢できていたので、問題なかったです。
麻美さんは、
の3パターンのシフトをこなしています。育児と両立するコツを伺いました。
――残業しないといけない日もあると思うのですが、なにか工夫されていることはありますか?
麻美:日勤の日はすぐに帰りたいので、仕事が残らないよう頑張ります。そのために、係の仕事はロング日勤か夜勤明けにやるようにして、記録などはほかのスタッフにお願いして帰るときもあります。
――記録をほかの人にお願いするのは難しくないですか…?
麻美:うちの職場では、PNS(パートナーシップ・ナーシング・システム)を導入しているので、二人一組でペアを組み業務をこなしています。仕事や役割を分担できるので、万が一勤務時間内に仕事が終わらなくても、記録などはペアの方にお願いして先にあがらせてもらうこともあるんですよ。
ただ、ほかの方への依頼も残業もなるべくしなくて済むよう、業務のスケジュール管理は徹底しています。
たとえば日勤の日は、昼休憩に記録を進めています。今日終わらなそうだなと思う日はパパっとお昼ご飯を食べて、あとは記録に集中。残業するくらいなら昼休憩を削りますね…!
――お子さまの送り迎えは誰が担当していますか?
麻美:以前は、パパにお願いするか、私が日勤終わりに保育園に迎えに行って帰宅する流れでした。下の子が生まれて上の子が小学生になってからは、下の子のお迎えは私が担当しています。
――ご夫婦間での分担はどうやって決めたのでしょうか?
麻美:保育園が私の職場内にあるんです。なので下の子のお迎えは基本的に私が行って、上の子の夕食などの世話は、先に帰宅したパパが担当するというイメージです。
院内の保育園で22時まで預かってくれるんですが、ロング日勤のときは22時ごろまで下の子が保育園で過ごしていることもあります。かわいそうだなと思いながら、仕方がないのでそれでやってます。

――夜勤の日の流れを伺いたいです。
麻美:夜勤の日は割とハードスケジュールです。朝6時に起床して、上の子が学校へ行くのを見送り、下の子を保育園へ送ります。
帰宅後、家事と夕飯の支度を済ませ、1時間ほど仮眠を取ったあと、14〜15時ごろ保育園にお迎えに行き、上の子たちが帰宅。夕飯を食べさせてお風呂まで済ませるのが流れですね。その間にパパが帰宅すれば、そのままバトンタッチして夜勤へ行きます。

でも、去年パパの職場が変わって、私がいる時間に間に合わないことがほとんどです。そのときは、私が先に夜勤へ出ることもあります。子どもたちだけでパパのお迎えを待ってもらっていますが、1階には義両親がいるので安心です。
――夜勤明けはどのように過ごしていますか?
麻美:夜勤明けは、基本的に寝ないですね。子どもは学校に行っているので、その間に家のことをしています。大好きなコーヒーを飲みながら眠気を紛らわせて…寝たら終わりです(笑)
――フルタイム夜勤ありで働くのは大変なことかと思いますが、麻美さんにとって復帰して良かったことはありますか?
麻美:やっぱり収入が安定するのは大きいですね。娘3人ともチアダンスを習っていて、それを続けさせてあげたいんです。時短で夜勤なしだと、どうしても収入が減ってしまうので…。
ほかにも、大人と話せることが嬉しかったですね。やはり家は閉鎖的なので、仕事は気晴らしになっています。
看護師の仕事はこれからも続けたいですが「管理職を目指してバリバリ働くぞ!」っていう強い思いはないです。仕事も育児もバランス良く、細々と長く働けたら良いなと思います。
ここまでの話で、旦那さまやお子さまと支え合ってきたことが分かります。この章では、そんな協力的かつ理解者である旦那さまについて深掘りしてみました。
――とても協力的な旦那さまですが、何のお仕事をされているのですか?
麻美:パパは、ケアプランナーとして福祉関係の仕事をしていて、同じくシフト制です。私が夜勤のときには、パパは遅番を避けるなどうまくシフトを調整してもらっています。私の職場でも、夜勤に入れる日を事前に伝えてシフトを組んでもらっています。
うちでは、お互い気づいた人が家事育児をやるスタンスです。たとえば我が家では、夜に洗濯をして干すのがルーティーンなんですが、どちらかが疲れて寝てしまったら、起きているほうがやることになってます。「やってね」ってわざわざ言わなくても、お互いが協力していますね。
麻美さんが常に胸に抱いているのが「子どもたちには寂しい思いをさせたくない」との強い気持ちでした。それは、自分の幼少期での経験によるものだと麻美さんは語ります。
麻美:実は私の母も看護師で、寂しい思いをたくさんしてきました。母が夜勤に行く日は、寂しくて、小学生になってもいつもこっそり泣いてました。
なので、自分の子どもには寂しい思いをさせたくないと常に考えています。子どもが体調不良のときには、必ず休みを取って看病したり…。
――実際、なにかお子さまに言われたことはありますか?
麻美:「なんで土日に家族がそろわないの?」と上の子に聞かれたことがあります。そのときは、やっぱり寂しい思いをさせているのかな…と感じましたね。でも、少し前までは夜勤のたびにお手紙をくれました。それで夜勤は頑張れちゃいましたね。
最近では、上の子が看護師になりたいと言っていて。自分の姿を見てそう思ってくれるのは嬉しいですし、報われます。全力で応援してあげたいと思います。

家族の協力で育児と仕事を両立できているように見えますが、職場の協力のおかげでもあると話す麻美さん。
――職場で麻美さんのほかにも、育児をしながらフルタイムで働いている方はいるのでしょうか?
麻美:いますね。9割くらいがフルタイムで夜勤をこなしています。
育児と仕事を両立できているのは、職場の理解や協力が大きいですね。あと、今の職場が私に合っている気がします。だからこそ、19年も同じ職場で働き続けられていると思うんです。
一般的には、お子さんの就学前に辞めてしまう方が多いですよね。でも、うちの職場では遅出勤務や部分休業(始業を30分遅らせ、終業を30分早める)の制度があって、個々に合わせて勤務を調整してくれるので、仕事を続けやすい環境なんです。
私も、下の子が未就学児のときは部分休業を活用して、1日1時間お休みをもらって働いていました。
――今育休中で、これから復帰するママさんナースに向けてのメッセージをお願いします!
麻美:やっぱり家族や職場の理解と協力が一番大事かなと思います。どんなに自分が頑張っても、1人では絶対こなせないので。
なんのために働くのか家族と話し合ったり、復帰前に職場にどんな制度があるのか、使えるのか相談してみたりすると良いですよね。
もちろん、自分がパートナーのことを助けてあげることも忘れずに♡
お子さんの就学などで仕事との両立に悩んでいる方は、まずは家族や職場に相談してみると意外と乗り越えられるかもしれません。
あとは無理し過ぎず細々と…ですね!(笑)
復帰を控えたママナースが悩むのが、「時短にすべきか」「夜勤は続けられるのか」という点。
麻美さんはフルタイム・夜勤ありを選びましたが、「家族と職場の理解があったからで、全員に当てはまる正解というわけではありません。時短を選ぶ人も、夜勤なしの職場に移る人も、それぞれに思いや事情があります。
大切なのは、何を優先したいかを整理したうえで、それが叶う環境を選ぶこと。
麻美さんの職場に院内保育園や部分休業の制度があったように、働き方は職場選びで決まる部分も大きいためです。
「レバウェル看護」では、子育てと両立できる働き方を探している看護師さんから、日々ご相談をいただいています。
転職するかどうかを決めていない段階でも大丈夫なので、職場で使える制度の話や、あなたの条件だとどんな選択肢があるのか、まずは気軽にお問い合わせください。

編集:「レバウェル看護」編集部
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