
「インシデントレポート、ロキソプロフェン(ロキソニン)」
はい、この2つのキーワードを見ただけで
「内服自己管理の患者さんが、ロキソプロフェンとレバミピド(ムコスタ)ではなく、ロキソプロフェンを2錠内服してしまい、内服ミスとして報告しなきゃいけないやつ‼うわぁ…主治医今日はオペ(または外来)じゃーん(心の声)」
と思い、とりあえず師長に報告したら「何でそうなったの?」とか言われて…
「えぇ!?患者さんが勝手にロキソプロフェン2錠を間違えて内服した。ただそれだけですが?」って言いたい気持ちをこらえて「すみません、内服自己管理の評価を見直します」って答える光景が脳内に浮かびましたか?
あなたはもう完全に看護師ですね(笑)。前置き長くなってすみません。
まず先に言っておきたいのですが、私は医療業界におけるインシデント報告は必要不可欠だと思っていますし、それに関連するカンファレンスももちろん必要だと思っています。
人の命に携わる仕事であり、他人事じゃない事例はたくさんありますし、実際に報告されたインシデントレポートを読んで、(うわぁ…そんなことあったんだ。気を付けなきゃ)って学ぶことも多いですよね。
でも、なぜかインシデントレポートが反省文だったり吊し上げのような扱いになってしまってる側面もありますよね。私自身もそんな理不尽な経験が多々あります。そんなことを語りたいと思います。
まずは納得いかなかったインシデントレポートシリーーーズ!!(言い方…)
これに関してはエピソード100個ぐらいあるんだけど、その中でも意味が分からなすぎて怒りを抑えて書いたレポートの話をしますね。
転倒転落、これはね、もう圧倒的第1位ですね。
自立歩行可能な患者さんが某検査へ行きました。もう退院間近だし安静度もフリーの患者さんでした。ナースステーションに「検査行ってくるね」とか声をかけてくれるぐらいの自立っぷりね。
しかし…某検査室内から出た瞬間、廊下で何かにつまづいて転倒したらしく。
「○○さんが転倒しました」ってそこの某検査室の人から電話。
車椅子を持ってお迎えに行きつつ主治医へ報告。患者さんは無傷。何も問題無し。師長へも電話で報告。諸々の報告が済んで患者さんも何事も無くて良かったと胸を撫で下ろしていたところ。
某検査室から電話。
「○○さんの転倒の件、インシデントレポートの提出お願いします。」

…はっ!?
普段、基本的には低姿勢を心掛けている(自称)私でもこれには納得いかず。
よっしー「いや、すみませんが私は転倒の場面を見てないので書きようが無いです!」
某検査室の人「自分たちは転倒が起きた後のことは分からないので…。」
そのあとも、「患者さんの担当は病棟看護師なので」の一点張りで絶対にインシデントレポートは書けません。転倒したあとの対応や患者さんの容態などの結果が分からないので、とのこと。
待て待て待て待て。転倒した瞬間を見てないのにどうやって状況を書くのよ…改善策は何なのよ…書けるわけ無いだろ。と思いつつも話にならないので書いたよね。
ざっくりとだけど書いた内容は…
【状況】見ていないので不明(電話で転倒したって聞いたから迎えに行ったとかも書いたな)。
【原因】場面を見ていないので不明。
【改善策】定期的な転倒転落アセスメントシートの見直し。転倒しやすい環境ではないか、某検査室職員たちへ見直しを依頼する。某検査室にて安全な環境整備に務めていただく。
もちろん提出ボタンを押した後…師長から即呼び出しでしたよ。
師長「あのインシデントレポートは何?某検査室からは報告上がってないみたいだけど!?」
よっしー「あちらはインシデントレポートを書けないそうです。」
はい、ここで勃発するのは…他部門と看護部との仁義なき戦いである。
仲良くやろうよ…(爆弾投下した人)。
ほかの理不尽シリーズはやっぱりこれですね。
持続点滴の人が検査やリハビリの最中に何らかの理由で点滴が事故(自己)抜去されたときに看護師がインシデント書かされるやつね。
例えば、介助中に起きてしまった事故抜針のインシデントはレポートを書くべきと思えるけど、術後の薬の影響によるせん妄症状の自己抜針インシデントは…薬のせいですよね…!

認知症の患者さんとかが自己抜針してしまうことがあるけど、点滴をすること自体を理解できていないケースもあるので、倫理的にどうなのかなって思っちゃいます。
そもそも、自己決定が出来ない患者さん(理解力無い人とか)に無理に治療する必要あるのかなぁ…とか。それが看護って言われたら何か違うな…とか。
看護師人生では数々の内容で師長に呼び出され叱られてきた私なので、基本的にインシデントを起こしたあとに師長から呼び出されると、叱られるぞ…と自然に身構える体質になってます。
実は過去に私は、見過ごされてたら本当に大問題!何ならニュースになるかも!?レベルの重大インシデントにちょっと関与したことがあって(他部門が気付いてくれて大事には至らなかったから、本当に良かった)。
詳しくは割愛するけど、私もしっかりとチェックしてればもっと早く気付けたかも…?って内容だったので、私がレポートを書くことになった。
インシデントレポートを作成して提出した。自分の仕事の責任の重さを再認識して、怖いなって心から思った。
そして翌日。出勤と同時に師長から声を掛けられた。
師長「よっしーさん。ちょっと良い?」
よっしー(キタァァァ…鬱)
今回のことは全力で私が悪いと思っていたので叱られても当然って心持ちで面談室へ。
師長「インシデントの件を聞いてどうだった?」
よっしー「怖いなって思いました。」って答えてから、状況や原因だと思ったことについて師長へ説明。
その後、師長は一緒に原因分析をしてくれて、さまざまなアドバイスをくれて。時折、大変だよねって現場の忙しさを労ってくれて…
師長「怖いなって思えたなら同じことは繰り返さないから大丈夫よ。しっかり自分でも原因分析出来てるじゃない。」
って……。あれれ。怒られない!頭ごなしに叱られない!
そこで私は気付いたのです。
これが本来のインシデントレポートからの振り返りだわ。原因分析が大事なんだよな…って。
今までインシデントレポートを書いたら「何でこうなったの!?」って叱られる流れになってたからそんな気持ちになってしまってたが…本来はこうなるべきなんだよな…って。
師長との振り返りは自分の中でかなり糧になったし、こんなことに気を付けようとか考えられる良いきっかけになりました。

何でそんなに他部署はインシデントレポートを書けないの?書くとアレルギーが発症するの!?とか思うことはたくさんある。
でもこれらすべて、インシデントレポートと言うものが罰ゲームみたいな扱いになってることが原因だと思うの。
あとはさ…何かあったときに「これ誰がやったの?」みたいな犯人探しをする人が一定数いるじゃないですか…。それも良くないよね。
これは本当に理想論なのですが…
インシデントが起きました。関与してた人は自ら進んで提出。関わった部署の人たちで○○に気を付ければ良かったね、看護師側や○○(他部署)はこんな動きしてれば良かったねと、各々振り返るのが本来あるべき姿なんじゃない?
例えば私は、提出されたインシデントレポートを読んで、○○(物品)ってそんな使い方しちゃいけないんだとか、ポートフラッシュを無理やりやったら本当に破裂するんだ…怖い…とか。
夜間に点滴の指示が変更されていて…そんな時間に点滴の指示変更されても気付けないよな…変更したなら教えてよ!!でもやっぱり確認はしないといけないし大切だな…とか。いろいろと学ぶ事例が多いです。
そして、インシデント起こした人に対して「うわぁ…」とかなかなか思わなくないですか…!?(いや、中にはインシデントレポート読みながら馬鹿にするような発言する人もいるかもだけど…)
明日は我が身だし、患者の命だけじゃなく自分の事を守るってことにも繋がると思うのよ。
心から「自分が悪かったなぁ…」って思いながら書いたインシデントって記憶に残りますよね。
そして、また同じ場面になったときに、「あっ!これ気を付けなきゃいけないやつ」って思い出したりするし。
無意味じゃないんだよね。
血糖測定やスケール対応ミスで1週間に3回もインシデントレポート提出して「いい加減にして」って言われた私がこんな偉そうなこと言ってすみませんでした!
おかげさまでここ5年以上、血糖測定関連のインシデントは起こしておりません(笑)
X(旧Twitter)ではネガティブワードになってしまってるインシデントレポートですが…とっても大切だと私は思うのです。
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