家族支援専門看護師になるには?活躍できる職場や仕事内容・役割を紹介

家族支援専門看護師とは? 職場や仕事内容・役割を紹介のイメージ

「家族支援専門看護師になるにはどうすればいいの?」と気になっている看護師は多いのではないでしょうか。
ここでは家族支援専門看護師の仕事内容・役割やなる方法、メリットなどについて詳しく紹介します。
この記事を最後まで読み終えてもらえたら、どうすれば家族支援専門看護師になれるのか分かり、キャリアパスに役立てることができるでしょう。
家族支援専門看護師に興味がある方はぜひ参考にしてください。

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家族支援専門看護師とは

専門看護師は14分野に分かれており、家族支援専門看護師はそのうちの1つです。
ここでは家族支援専門看護師のケアの対象や活躍する職場などについて、分かりやすく解説します。

看護ケアの対象

家族支援専門看護師のケアの対象は、患者様とそのご家族です。
ケアやサポートを必要としているのは病院に入院している患者様のご家族だけでなく、在宅療養者のご家族も含まれます。
特に在宅療養者のご家族は、家庭内で介護の問題を抱え込むケースが珍しくありません。
本来、「家族」は健康を維持し、健康問題を解決しようとするセルフケア機能が備わっていますが、中にはセルフケア機能が脅かされるご家族もいます。
そこで、家族支援専門看護師が介入・援助し、患者様のご家族が本来持つセルフケア能力を高められるようにサポートする必要があるでしょう。

家族支援専門看護師が活躍する職場

日本看護協会では、家族支援専門看護師が所属する施設と人数について下記のように報告しています。

所属施設所属人数
病院57名
訪問看護ステーション8名
介護保険施設など1名
学校・大学8名
看護協会2名
認定看護師教育機関0名
会社0名

家族支援専門看護師は専門性を発揮し、病院を中心にさまざまな職場で活躍できることが伺えるでしょう。
日本看護協会「 専門看護師が所属する施設の状況【分野別】 」(2024年6月21日参照)

家族支援専門看護師の将来性

家族支援専門看護師は2008年に認定されました。
近年は家族看護が注目されるようになってきており、今後は需要の拡大が見込まれる専門看護分野です。
日本看護協会によると、2023年12月時点における専門看護師は総数3,316名で、そのうち家族支援専門看護師は94名となっています。
現時点ではほかの専門看護分野と比べて人数は少ないため、希少性が高いとも言えるでしょう。

出典
日本看護協会「専門看護師認定者数推移」(2024年6月21日参照)
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家族支援専門看護師の仕事内容・役割

「家族支援専門看護師はどのような仕事内容や役割を担うの?」と気になっている方は少なくありません。
そこで、家族支援専門看護師の仕事内容・役割は下記のとおりです。

  • 家族におけるセルフケア機能の支援
  • 家族間のコミュニケーションを促進
  • 家族の意思を尊重した社会資源の導入

どのような仕事内容・役割を担うのか確認してみましょう。

家族におけるセルフケア機能の支援

疾患や怪我によって医療・ケアを必要とする患者様に対して、看護を提供するのが看護師の役割です。
しかし、ケアを必要としているのは患者様本人だけでなく、ご家族も含まれます。
疾患や怪我を抱える患者様に対して、「どのように接したらいいのか分からない」と戸惑ってしまうこともあるでしょう。
そこで、家族支援専門看護師は患者様のご家族に対して、健康管理の助言を行い、適切な知識や対応方法を伝えます。
また、ご家族から不安の表出がみられた際は、苦労や悩みについて傾聴し、メンタルケアに努めます。

家族間のコミュニケーションを促進

患者様はご家族に対して「迷惑をかけている」という気持ちから、遠慮してしまうケースは珍しくありません。
家族支援専門看護師は、患者様・ご家族がコミュニケーションがとれるように、コミュニケーション方法を助言したり、話し合いの場を設けたりします。
特に、ご家族間で役割が分担できていないと、特定の人に負担がかかってしまい、患者様の療養に支障をきたす可能性があるでしょう。
治療や療養に関する方向性や役割分担がスムーズに行えるように、看護師は助言によって援助します。

家族の意思を尊重した社会資源の導入

患者様の病気や怪我はご家族の生活を一変させ、介護のために仕事や家庭を犠牲にすることも多いです。
ご家族の生活を犠牲にせず、患者様の療養が続けられるように、家族支援専門看護師は必要に応じて社会資源の導入を提案します。
ただし、看護師の理想や看護観を押し付けるのではなく、ご家族の意思を尊重することが大切です。

家族支援専門看護師になるには

家族支援専門看護師は、看護師免許を取得したからといってすぐになれるわけではありません。
家族支援専門看護師になるには、以下の内容を理解しておく必要があります。

  • 受験資格
  • 資格を取得できる大学院(CNSコース)
  • 認定審査の申請方法

これから家族支援専門看護師を目指したい方はチェックしてみましょう。

受験資格

専門看護師の認定審査を受けるには、下記の条件をすべて満たす必要があります。

  • 日本の看護師免許を所有している
  • 看護系大学大学院修士課程もしくは関連領域の大学院修士課程を修了している
  • 看護師の実務研修が通算5年以上で、そのうち通算3年以上は専門看護分野の実務研修をしている

日本看護協会の「専門看護分野の実務研修におけるフィールドについて」によると、家族支援専門看護師の実務研修は「患者を含む家族を対象として研修できる病棟、外来、その他施設、地域、在宅等とする」と定められています。
また、大学院の修士課程を修了するためには、2年間大学院に通う必要があるでしょう。

出典
日本看護協会「専門看護分野の実務研修におけるフィールドについて」(2024年6月21日参照)

資格を取得できる大学院(CNSコース)

専門看護師になるには、専門看護分野ごとに指定された大学院で教育課程を修了しなければなりません。
2024年度に開講された、家族支援専門看護師教育機関・課程(CNSコース)は下記のとおりです。

  • 東海大学大学院(神奈川県)
  • 愛知県立大学大学院(愛知県)
  • 大阪公立大学大学院(大阪府)
  • 神戸大学大学院(兵庫県)

遠方の大学院を選択してしまうと、通学に時間がかかったり、転居を伴ったりするのでおすすめしません。
2年間にわたって通う必要があるため、できるだけ通学の負担が少ない大学院を選ぶと良いでしょう。

認定審査の申請方法

日本看護協会では年に1回認定審査を実施し、認定審査に合格すると専門看護師として認定されます。
認定審査の申請手続きは下記の手順に従いましょう。

  1. 「資格認定制度 審査・申請システム」にてWeb申請する
  2. 認定審査料(51,700円)を振り込む
  3. オンラインもしくは郵送で認定審査書類を提出する

また、認定審査の方法は書類審査と論述式・筆記試験の2種類があります。
出題範囲は専門看護師教育課程の全科目と幅広いです。
200点満点中140点未満は不合格となるので、しっかり学習してから筆記試験に臨みましょう。

家族支援専門看護師になるメリット

家族支援専門看護師になると、一般看護師とは異なった様々なメリットが期待できます。
ここでは家族支援専門看護師になるメリットについて、詳しく解説するので確認してみましょう。

家族看護の専門性を高められる

家族支援専門看護師は家族看護の専門性を高められる数少ない資格の一つです。
患者様とご家族は密接に結びついており、ご家族との関係性やご家族の抱える問題点が、患者様の経過に影響を及ぼすケースも少なくありません。
家族看護の理論について学ぶと、患者様・ご家族間で起きている問題点に介入でき、質の高いケアを提供できるようになります。
また、ご家族の抱える問題をスムーズに解決することで、看護師としてのやりがいや自信にもつながるでしょう。

活躍の場が広がる

一般看護師は病棟に配属され、特定の診療科目でスキル・経験を積むこととなります。
キャリアチェンジするには部署異動や転職が必要です。
一方、家族支援専門看護師は、ケアの対象が患者様とそのご家族であることから、特定の診療科目に在籍するとは限りません。
看護部に所属して院内のさまざまな病棟をラウンドしたり、患者様のご家族向けの相談室に常駐したりと、施設によって活躍の場は異なります。
特定の診療科目にとどまらず活躍できるのは、家族支援専門看護師ならではの魅力です。

将来的に需要の拡大が見込まれる

家族看護は在宅医療の推進に伴って、ニーズが増大しています。
1994年に日本家族看護学会が設立されて以降会員数は増えており、2008年に家族支援専門看護師が認定されました。
今後も在宅医療への移行は推進されていくため、家族支援専門看護師のニーズは高まると予想されます。
「過渡期にある専門看護分野でスペシャリストを目指してみたい」という看護師におすすめです。

家族支援専門看護師になるデメリット

家族支援専門看護師になるとメリットが多い一方で、いくつかデメリットもあります。
デメリットを把握しないまま家族支援専門看護師になってしまうと、ミスマッチが生じてしまうかもしれません。
そこで、ここでは家族支援専門看護師になるデメリットについて紹介します。

費用や時間がかかる

専門看護師を目指すには、入学金や授業料、教科書代などを合わせると、2年間でおよそ200万円かかるとされています。
自宅から遠い大学院に通うと、交通費や転居費用なども別途必要です。
また、専門看護師の認定審査を受けるのに、最低でも2年間大学院に通って、教育課程を修了しなければなりません。
資格取得までに高額な費用や長い時間を要するので準備をしておくと良いでしょう。

特定の診療科目で活躍するのが難しい

家族支援専門看護師はケアの対象が患者様のご家族であるため、幅広い診療科目で活躍することができます。
ただし、がん看護専門看護師のように特定の診療科目でニーズが高い専門分野ではありません。
活躍したいフィールドが決まっている看護師だと、「思った通りのキャリアを積めない」「望んでいた働き方ができているのだろうか」と悩んでしまうこともあるでしょう。

家族支援専門看護師以外におすすめの資格

患者様のご家族を看護・ケアできる資格は、専門看護師に限りません。
ここでは、家族支援専門看護師以外におすすめの資格を紹介します。
キャリアパスや看護観に合った資格を探すのにお役立てください。

家族心理カウンセラー

家族心理カウンセラーは、日本生活環境支援協会によって定められた民間資格です。
ライフイベントに伴う環境の変化を始め、ご家族が抱えるさまざまな問題点の対処法について、ご家族に助言します。
受験資格は定められていませんが、専門のテキストが販売されていないため、指定の認定講座の受講が必須です。
課題を提出するだけで資格を取得できるので、忙しい看護師でもハードルが低いでしょう。

出典
日本生活環境支援協会「家族心理カウンセラー®資格認定試験」(2024年6月21日参照)

ケアマネジャー

ケアマネジャー(介護支援専門員)は、介護保険におけるマネジメントを担うスペシャリストで、都道府県が認定する公的資格です。
ケアプランの作成が主な業務ではありますが、高齢者やそのご家族の介護に関する相談業務も担います。
生活にどのような支障をきたしているのか、ケアマネジャーがヒアリングすることで、必要な介護サービスの導入につなげられるでしょう。
看護師がケアマネジャーになるには、通算5年以上かつ従事した日数が900日以上の実務経験が必要です。
また、ケアマネジャーの試験に合格後は、「介護支援専門員実務研修」を32時間以上受講・修了しなければなりません。
資格を維持するには、5年ごとの定期的な更新手続きと研修の修了が求められます。
高齢者やそのご家族のケアに興味があるなら、ケアマネジャーの取得がおすすめです。

家族支援専門看護師についてよくある質問

ここでは家族支援専門看護師についてよくある質問を紹介します。

認定看護師は専門看護師の修士課程で単位が免除されますか?

認定看護師から専門看護師を目指す場合、修士課程の免除といった特別措置は講じられていません。
一方、すでに修士課程を終了した看護師の場合、大学院によっては単位の免除が認められる可能性はあります。
ただし、基本的に実習は免除とならないため注意が必要です。

専門学校卒の看護師でも家族支援専門看護師になれますか?

専門学校卒の看護師でも下記の方法で家族支援専門看護師を目指すことが可能です。

  • 大学で「看護学士」を取得してから大学院へ進学する
  • 専門卒でも受験資格のある大学院で審査を受ける

3年制の専門学校を卒業した看護師は、最短1年で学士の学位を取得することができます。
4年制の大学に通学する方法もあるが、働きながら学位を目指すのであれば、通信制の大学がおすすめです。

まとめ

家族支援専門看護師は患者様とそのご家族を支援し、セルフケア機能の支援やコミュニケーションの促進などを担います。
家族看護の専門性を高められるだけでなく、活躍の場を広げるのにも役立つ資格です。
家族支援専門看護師になるには、規定の臨床経験を満たしたうえで2年間にわたって大学院に通う必要があります。
まとまった費用や時間がかかるため、もしも家族支援専門看護師の取得が難しい場合は、家族心理カウンセラーやケアマネジャーといったほかの資格取得も検討してみましょう。

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※1※2 調査方法:インターネット調査/調査期間:2024 年2 月7 日~2 月13 日/調査概要:「看護師転職サイト」を対象としたユーザー満足度調査/調査対象:男女、全国、看護師・准看護師資格保有者 かつ 対象看護師転職サイト利用経験者、20~29 歳 107s(※1)、20~34 歳 175s(※2)/調査実施:株式会社エクスクリエ/比較対象サービス:「看護師転職サイト」主要10 サービス(専用サイトのあるサービスのみ・求人結果の表示ページは除く)
この記事を書いた人
村山 夕梨恵
看護師ライター
看護学校卒業後、公立病院の循環器内科・脳神経内科の混合病棟に配属。特別養護老人ホームやデイサービス・訪問看護の事業所への転職を経験する。 現在はフリーランスの看護師ライター/Webディレクターに転向。看護師転職/美容医療/審美歯科/介護分野に関するコンテンツ作成に従事。
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