
CNSとはどのような看護師なのか、気にになる方は多いのではないでしょうか。CNSとは14種類の各専門領域に特化した看護師のことで、「専門看護師」とも呼ばれています。この記事では、CNSになる方法や業務内容、かかる費用などについて詳しくご紹介。CN(認定看護師)との違いについても解説していますので、CNSを目指すか迷っている方はぜひ参考にしてください。
CNSとは日本看護協会の登録商標であるCertified Nurse Specialistの略です。患者さま、およびそのご家族へ高い水準のケアを提供するため、特定の専門分野の知識・技術を深めた看護師を指します。CNSを目指すには、日本看護系大学協議会・日本看護協会によって連携・運営されており、所定の審査書類の提出や申請が必要です。
CNSは一般看護師に比べて高い水準の知識・スキルを有しています。日本看護協会によると、CNSの役割は以下のとおりです。
CNSには現場で役立つ実践や教育などのほか、倫理調整や研究など看護の質をより深めるための能力も求められます。
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CNSは14種類の専門分野に分かれており、それぞれの領域でCNSを目指します。2024年12月時点で定義されている専門分野の内容を以下にまとめました。
| がん看護 | がん患者さまの精神および身体的な苦痛の理解QOL(生活の質)の観点で患者さまやご家族へ高水準の看護を提供 |
| 精神看護 | 精神疾患の患者さまへ高水準の看護を提供リエゾン精神看護(心のケア活動)の役割を果たす |
| 地域看護 | 「産業や学校分野の保健」「在宅ケア」「保健行政」のいずれかで高い水準の看護を実施地域の保健医療や福祉分野の発展に寄与する |
| 老人看護 | 高齢者施設にて複雑な健康問題(認知症や嚥下障害など)を抱える高齢者に高品質なケアを提供 |
| 小児看護 | 子どもの健やかな発達および成長に向けた療養生活の支援医療職との連携により高い水準の看護を提供 |
| 母性看護 | 周産期の母子およびご家族さまへの支援を実施女性の健康への援助など高水準のケアを提供 |
| 慢性疾患看護 | 「慢性疾患の管理」「健康増進や療養支援」などで高水準の看護を実施 |
| 急性・重症患者看護 | 緊急度や重症度の高い患者さまへの集中的な看護の提供最善の医療の提供を目指し「患者さまやご家族の支援」「医療スタッフ間の調整」を行う |
| 感染症看護 | 施設や地域にて個人や集団の感染予防および発生時の適切な対策への従事感染症患者さまへの高水準な看護の提供 |
| 家族看護 | 患者さまの回復促進のための家族支援患者さまを含む家族のセルフケア機能の向上ご家族が主体的な問題解決を促すため身体的、精神的、社会的に支援して高水準の看護を提供 |
| 在宅看護 | 在宅療養者およびご家族に対し、日常生活と在宅療養の両立を支援「在宅看護における新たなケアシステムの構築」「既存のケアサービスの連携促進」で水準の高い看護を提供 |
| 遺伝看護 | 対象者の遺伝的な課題の見極めを実施「診断や予防、治療に伴う意思決定支援」「QOL向上を目指した生涯にわたる療養生活支援」の実施「必要な医療やケアを受けられる体制の構築」「ゲノム医療の発展」など世代を超えた医療への貢献 |
| 災害看護 | メンタルヘルスを含む看護を限られた人および物の資源を用いて実施災害の特性を踏まえた平時からの多職種連携や行政等との協働「災害看護領域の発展」「減災や防災の体制作り」への貢献 |
| 放射線看護 | 放射線診療を受診する患者さまやご家族に高い水準の看護を提供職業被ばく低減のための対策など施設での体制を調整放射線事故や災害を想定した「平時からの体制作り」「健康課題のある対象への長期的な看護」の提供 |
参考:日本看護協会「専門看護師」
専門分野は自由に選べるのではなく、実務経験のある専門分野を選ぶ必要があるので注意しましょう。
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CNSを目指すには、「認定審査の受験条件を満たす」「認定審査に合格しCNSとして登録申請する」の2段階が必要です。ここではCNSになる各ステップを詳しく解説します。
CNSになるためには、以下の条件を満たす必要があります。
なお、実務研修の内容は専門分野ごとに異なるので、あらかじめ確認しておきましょう。
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CNS(専門看護師)を目指すには、専門看護師教育課程(専門看護師コース)のある看護系大学院に入学し、2年以上通う必要があります。受験におけるおおよそのスケジュールは以下のとおりです。
| 願書受付期間 | 第1期:入学希望前年の7月ごろ第2期:入学希望年度の1月ごろ |
| 試験日 | 願書受付期間終了からおよそ2週間~1カ月後 |
| 試験方法 | 書類審査学力試験や口述試験面接小論文 |
| 合格発表日 | 試験終了からおよそ10日~2週間後 |
日本看護協会の資料によると、2024年12月現在、109の大学院と327の教育課程があります。日本看護協会では「専門看護師を目指せる大学院」の検索も可能です。また、目指す分野によって、入学する大学院が異なります。通いたい大学院が遠方にある場合は、一時的な転居も選択肢に入るでしょう。
大学院に出願資格があるのは、基本的に大学卒の看護師です。短期大学や専門学校卒など、大学を卒業していない看護師でも、「通信制の大学で学士を取得する」「規定の実務経験があれば出願可とする大学院を選ぶ」などで大学院に進学できます。大学院によって細かい出願の条件は異なるため、あらかじめ提出書類などを確認しておくのがポイントです。
専門看護師を目指すのにかかる費用は、「大学院に関する費用が2年で約200万円」「認定審査の受験料で約10万円」「5年ごとの更新料で約5万円」と、総額で150万~200万円ほどが目安です。書類の提出や申請時に慌てないよう、計画的に準備しておくことをおすすめします。
職場で専門看護師の取得を推奨している場合、大学院の授業料や入学金などを全額もしくは一部負担してもらえることがあります。また、研修中の給与を一部支給してくれる職場も少なくありません。ただし、職場によって負担してもらえる金額が異なります。キャリア支援に関する体制が整っているのか、あらかじめ確認しておきましょう。
職場から費用負担してもらえない場合、奨学金の利用も視野に入れておきましょう。たとえば、日本看護協会のサイトでは「石橋美和子がん看護CNS奨学金」「専門看護師(CNS)奨学金助成(給付型)」などが紹介されています。ただし、募集人数に限りがあるため、必ずしも奨学金を受けられるとは限りません。
職場で費用を負担してもらえなかったり、奨学金を利用できなかったりした場合、全額自己負担する必要があります。大学院にもよりますが、大学院の進学には以下のような費用がかかるでしょう。
| 入試時の検定料 | およそ3万円 |
| 大学院の入学金 | およそ30万円前後 |
| 大学院の授業料 | およそ60万円前後×2年分 |
| テキスト代など | およそ20万円前後 |
| 施設費や実習費など | およそ30万円前後 |
大学院までの交通費や生活費、引っ越した場合の居住費なども別途かかります。また、CNSを目指すには大学院に通う際の費用だけでなく、2年分の生活費も工面しなければなりません。全額を自己負担しなければならない場合は慎重に資金計画を立てることが大切です。
周りにCNSがいない方にとって、CNSの業務内容はなかなかイメージしにくいのではないでしょうか。ここではCNSが行う業務について詳しくご紹介していきます。
CNSは、一般の看護職員に比べて高い水準の技術・知識を有している看護師です。複雑な問題を抱えている患者さま・ご家族に対して、各領域で必要とされる看護・ケアを提供し、問題の解決を図ります。
各領域の専門的な立場から、病棟スタッフや他部門のスタッフの関係調整を担います。
質の高い医療の提供につながり、患者さまのQOL向上に貢献することができるでしょう。
院内研修や普段の看護業務を通じて、看護職員に対して教育活動を行うこともCNSの業務の一つです。カンファレンスや一般看護職員との個人面談では、専門的な知識・スキルを活かしたアドバイスを行い、質の高いケアの提供を目指します。また、看護職員の研究活動に関するアドバイスも欠かせません。
各専門領域において看護研究を行い、専門性を深めることも大切です。ワンランク上の看護を提供するために、看護研究を通じて看護技術の向上やスムーズなケアの実施などを目指します。
レバウェル看護が調査した、看護師さんに質問「プラスで取ってみたい資格は?」によると以下の結果になりました。
※アクセス数:493/回答数:4
43%の人が専門看護師や認定看護師の資格に興味を抱いているようです。看護師としてのキャリアアップや、自身の興味を深める手段として取得を検討する方が多いのかもしれません。
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CNSとCNは専門性を高めた看護師という点は共通していますが、現場で求められる知識・スキルが異なります。それぞれの違いは以下のとおりです。
専門看護師は看護現場をより俯瞰して見ることで問題や改善点を見出し、調整を図ることで医療に貢献できるといえるでしょう。
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ここでは、CNS(専門看護師)・CN(認定看護師)に向いている人の特徴を確認してみましょう。CNSとCNへの適性は以下を参考にしてください。
| CNSに向いている人 | 特定の領域に関する知識や技術を深めたい教育、指導や研究を通じて看護の質を向上させたい患者さまのQOL向上につながる組織づくりや管理に興味がある大学院でしっかり学びたい |
| CNに向いている人 | 質の高い看護やケアを提供したい専門性の高いケアの実践にこだわりたい専門的なケアのスペシャリストを目指したい大学院への進学が難しい |
目指したい看護師像に加えて、職場での支援制度や休職期間中の待遇なども確認したうえでニーズにマッチしたキャリアを選ぶことが大切です。
ここではCNSになるメリットをご紹介していきます。CNSの魅力ややりがいもお伝えしていくので、CNSを目指したい方はこれらをチェックしたうえで、申請に向けた提出物の準備を検討しましょう。
勤務する職場によってはCNSの資格手当を支給しているため、CNSになると給料アップが目指せます。日本看護協会の「2022年度 専門看護師・認定看護師に対する評価・処遇に関する調査報告書(P27)」によると、CNSの資格手当は以下のとおりです。
| 専門看護師の資格手当が支払われるタイミング | 平均額(円) |
| 毎月支払われる | 11,279円 |
| 賞与時に支払われる | 14,000円 |
| 資格取得時に一時金として支払われる | 517,000円 |
引用:日本看護協会『「2022年度 専門看護師・認定看護師に対する評価・処遇に関する調査」報告書(P27)』
CNS(専門看護師)は、「スキルアップした分、給料にも反映してほしい」という看護師には適しているといえるでしょう。
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CNSは高度な知識や技術が身につくので、活躍の場が広がります。配属されている部署だけでなく、他の診療科目の医療スタッフからも頼りにされるので、やりがいを感じられるでしょう。また、専門領域のプロフェッショナルとして一般看護職員の教育や人材育成に携わることになります。周囲のスタッフが成長していく様子は、CNSとしてのモチベーションアップにつながるでしょう。
日本看護協会の「2019 年度 専門看護師活動実態調査結果(第1報)(P7)」によると、専門看護師の就業先は以下のとおりです。
| 病棟 | 64.4% |
| 一般外来 | 39.3% |
| 教育部門 | 30.1% |
| 緩和ケアチーム | 27.3% |
| 看護専門外来 | 25.5% |
| ユニット(ICUなど) | 16.6% |
| 地域連携室/在宅支援部門 | 15.7% |
引用:日本看護協会の「2019 年度 専門看護師活動実態調査結果(第1報)(P7)」
病棟で働く専門看護師が多いものの、一般外来や緩和ケアチームなど、幅広い部署でも活躍できます。現在働いている職場で活躍できるほか、転職を視野に入れている人は転職先の選択肢が広がりやすいでしょう。
CNSは、他の診療科目の医師や看護師、コメディカルスタッフだけでなく、他の医療機関や施設の関係者などと連携する機会もあります。また、専門領域の研修会に参加したり、外部のセミナー講師として呼ばれたりするケースも少なくありません。院内外にコミュニティが広がっていくことで、看護師としての成長や達成感を味わえるでしょう。
日本看護協会の「都道府県別専門看護師登録者数」によると、2023年12月時点で専門看護師(CNS)は、全国に3,316名います。職業情報提供サイト(日本版O-NET)の「看護師」によると、看護師自体の人数は138万5,950名なので、少ない割合といえるでしょう。
また日本看護協会の「分野別都道府県別登録者数(日本地図版)」からも分かるように、分野や地域によっても、専門看護師の登録人数にはばらつきがあります。働きたい都道府県や分野でライバルが少ない場合、転職の際のアピールにつながるでしょう。
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ここでは、CNSについてよくある質問をご紹介していきます。それぞれの質問に詳しくお答えしていくので、疑問の解消に役立てましょう。
長期履修生学生制度のように、就労しながら履修できる制度を導入している大学院もあります。働きながら専門看護師を目指したいなら、あらかじめ確認しておくのがおすすめです。
仕事と勉強を両立させるのは簡単なことではないので、CNSを目指したいことは職場にも相談しておくと良いでしょう。
高いレベルを保つために、CNS(専門看護師)の認定は更新制となっており、認定を受けてから5年ごとに更新審査が必要です。更新には、税込30,800円の更新審査料と認定料の20,900円がかかります。資格維持のために5年ごとにおよそ50,000円かかることを覚えておきましょう。
2024年12月時点において廃止が発表されているのは認定看護師のA課程であり、専門看護師の廃止予定はないようです。認定看護師のA課程廃止の詳細については、「認定看護師はなくなる?2020年度開始の新制度と資格の取得方法を解説」でご確認ください。
CNS看護師(専門看護師)とNP看護師の2種類が高度実践看護師の区分であるため、CNSは高度実践看護師の一部を指したものといえるでしょう。NP看護師にはさらに「診療看護師」や「ナースプラクティショナー」といった種類があります。CNS、NPいずれの資格も、実践的な看護技術と深い専門性を持った看護師です。
CNSは特定の専門領域の知識・技術を深めることで、患者さまやそのご家族に対して質の高い看護ケアの提供を目指します。給料アップに役立つだけでなく、活躍の場が幅広いので、看護師としてのやりがいを感じられるでしょう。
ただし、CNSになるには5年以上の実務研修のほか、看護系大学院において専門看護師教育課程を修了する必要があります。また申請に必要な費用の目安として、およそ150~200万円ほどがかかるため、全額負担が難しい場合は奨学金制度や職場のキャリア支援制度の利用を検討しましょう。
費用や提出物など申請のポイントを理解しても、「CNSのなかでも、どの分野を目指せば良いのか」「CNSになるために休職や転職をするか決められない」といった方も多いかもしれません。
働きながら大学院に通うのは簡単なことではなく、CNSの認定には費用もかかるため、決断を迷う場合もあるでしょう。
レバウェル看護では、キャリアアドバイザーがCNSとして活躍している人の看護師の事例を踏まえて、転職のアドバイスをいたします。ほかの看護師の活躍事例を踏まえて転職やキャリア形成の相談が可能です。相談のみでも利用可能なので、すぐに転職するか分からない方も安心してご活用ください。
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