認定看護師と専門看護師の違いって?役割や資格取得の条件を比較して解説

認定看護師と専門看護師それぞれの違いを詳しく解説のイメージ

認定看護師と専門看護師にはどのような違いがあるのか、また、資格取得の手順は異なるのか、知っておきたいという人もいるでしょう。認定看護師と専門看護師は、制度や求められる役割、実際の働き方などに違いがあります。本記事では、認定看護師と専門看護師の違いをわかりやすく解説。それぞれの違いを理解し、キャリアアップに向けて資格を取得する際の判断材料にしてみてください。

※1※2 調査方法:インターネット調査/調査期間:2024年2月7日~2月13日/調査概要:「看護師転職サイト」を対象としたユーザー満足度調査/調査対象:男女、全国、看護師・准看護師資格保有者かつ対象看護師転職サイト利用経験者、20~29歳 107s(※1)、20~34歳 175s(※2)/調査実施:株式会社エクスクリエ/比較対象サービス:「看護師転職サイト」主要10サービス(専用サイトのあるサービスのみ・求人結果の表示ページは除く)

認定看護師と専門看護師の定義の違い

認定看護師と専門看護師は、どちらも公益社団法人日本看護協会が認定を行っている資格です。認定看護師は看護現場におけるプロ、専門看護師は看護分野全体のプロといった違いがあります。ここでは、各資格の制度の違いをまとめました。

認定看護師とは

認定看護師とは、特定の看護分野において熟練した看護技術と知識を用い、水準の高い看護実践ができる看護師のことを指します。英語表記は、Certified Nurseで、看護現場における看護ケアの広がりと質の向上を図る存在です。認定看護師の資格を取得すると、看護師の指導やサポートを行えるようになります。

出典
公益社団法人日本看護協会「認定看護師」(2024年5月29日参照)

専門看護師とは

専門看護師とは、複雑で解決困難な看護問題を抱える個人・家族・集団に対し、卓越した看護を実践できる看護師のことを指します。英語表記はCertified Nurse Specialistで、特定の専門看護分野の知識や技術を深め、保健医療福祉の発展に貢献し、看護学の向上を図る存在です。専門看護師の資格を取得すると、患者さんだけではなく、ご家族や地域と連携して幅広い看護サービスを提供できるようになります。

出典
公益社団法人日本看護協会「専門看護師」(2024年5月29日参照)
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認定看護師と専門看護師の役割の違い

認定看護師は3つの役割を、専門看護師は6つの役割を果たします。それぞれの役割と具体的な内容は、以下のとおりです。

認定看護師に求められる役割は3種類

認定看護師は実践・指導・相談の3つの役割を果たします。認定看護分野の専門知識に基づき、状況に応じて最適な判断を行うのが認定看護師の役割です。

  • 実践:個人・家族・集団に対して、高い臨床推論力と病態判断力に基づき、熟練した看護技術及び知識を用いて水準の高い看護を実践する
  • 指導:看護実践を通し看護職に対して指導を行う
  • 相談:看護職等に対してコンサルテーションを行う
出典
公益社団法人日本看護協会「認定看護師」(2024年5月29日参照)

専門看護師に求められる役割は6種類

専門看護師は、実践・相談・調整・倫理調整・教育・研究の6つの役割を果たします。専門看護師は認定看護師の上位資格のため、認定看護師よりも求められる役割が多いことが特徴です。

  • 実践:個人・家族・集団に対して卓越した看護を実践する
  • 相談:看護者を含むケア提供者に対してコンサルテーションを行う
  • 調整:必要なケアが円滑に行われるために、保健医療福祉に携わる人々の間のコーディネーションを行う
  • 倫理調整:個人・家族・集団の権利を守るために、倫理的な問題や葛藤の解決を図る
  • 教育:看護者に対してケアを向上させるために教育的役割を果たす
  • 研究:専門知識・技術の向上・開発を図るために実践の場における研究活動を行う
出典
公益社団法人日本看護協会「専門看護師」(2024年5月29日参照)
資格が取得できる・活かせる職場があります

項目別!認定看護師と専門看護師の違い

ここでは、「特定分野」「ケアの対象者」「資格取得の方法」「資格取得の難易度と合格率」「資格取得に必要な費用」「資格の登録者数」「所属先」と7つの項目に分けて、認定看護師と専門看護師の違いを深掘りします。

特定分野の違い

認定看護師と専門看護師は、特定分野にも違いがあります。認定看護師の特定分野は19項目、専門看護師の特定分野は14項目です。下記の内容を参考に、それぞれの資格にどのような分野があるのかをチェックしてみましょう。

認定看護師の特定分野一覧

認定看護師の特定分野は、以下の19項目です。

  • 感染管理
  • がん放射線療法看護
  • がん薬物療法看護
  • 緩和ケア
  • クリティカルケア
  • 呼吸器疾患看護
  • 在宅ケア
  • 手術看護
  • 小児プライマリケア
  • 新生児集中ケア
  • 心不全看護
  • 腎不全看護
  • 生殖看護
  • 摂食嚥下障害看護
  • 糖尿病看護
  • 乳がん看護
  • 認知症看護
  • 脳卒中看護
  • 皮膚・排泄ケア

なお、2026年度に教育が終了するこれまでの認定看護師制度では、21項目の特定分野があります。2020年度から教育が開始されている新制度では、特定分野の一部において、分野名の変更および統合が行われているため注意してください。

出典
公益社団法人日本看護協会「認定看護師」(2024年5月29日参照)

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認定看護師の種類を新旧の制度別に一覧でご紹介!取得条件についても解説

専門看護師の特定分野一覧

専門看護師の特定分野は、以下の14項目です。

  • がん看護
  • 精神看護
  • 地域看護
  • 老人看護
  • 小児看護
  • 母性看護
  • 慢性疾患看護
  • 急性・重症患者看護
  • 感染症看護
  • 家族支援
  • 在宅看護
  • 遺伝看護
  • 災害看護
  • 放射線看護

専門看護師の特定分野は、認定看護師よりも内容が広いのが特徴です。

出典
公益社団法人日本看護協会「専門看護師」(2024年5月29日参照)

ケアの対象者の違い

認定看護師と専門看護師の資格取得を検討する際は、看護ケアにおける対象者の違いも理解しておきましょう。知識を深めておくことで、資格取得後のイメージギャップを防げます。

認定看護師の対象者は患者さんがメイン

認定看護師は現場で活躍するスペシャリストとして、患者さんへの直接的な看護を担います。また、専門分野における高度な知識・技術を活かして、部署や病院の枠に留まらない横断的な活動が増えるでしょう。認定看護師の資格を取得すれば、後輩の指導・育成を通して現場をリードしながら、病院内での活動範囲を広げていけます。

専門看護師の対象者はご家族も含まれる 

専門看護師は患者さんとそのご家族に総合的な看護を行います。また、病院全体や地域といった院内外での活動も視野に入るため、より広範囲な支援が可能になるでしょう。専門看護師の資格を取得すれば、患者さんのケアを行いながら、ご家族の相談対応や地域の医療施設と連携を取るなどの働き方を実現できるといえます。

資格取得方法の違い

認定看護師と専門看護師は、資格取得の方法にも違いがあります。必要な条件や流れを解説しますので、現時点で資格取得が可能かどうかをチェックしてみてください。

認定看護師の取得方法

認定看護師になるためには、5年以上の実務研修が必要です。そのうち3年以上は、認定看護分野の実務研修が求められます。要件を満たした後は、認定看護師教育機関へ入学し、A課程またはB課程の修了後、認定審査に合格すると、認定看護師の資格を得られます。

出典
公益社団法人日本看護協会「認定看護師」(2024年5月29日参照)

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認定看護師になるには?各専門分野の種類・条件や資格取得までの流れを解説

専門看護師の取得方法

専門看護師になるためには、看護系大学院修士課程修了者であり、専門看護師教育課程基準の所定単位を取得し、通算5年以上の実務研修(そのうち3年以上は専門看護分野であること)が必要です。要件を満たし、認定審査に合格すると、専門看護師の資格を得られます。

出典
公益社団法人日本看護協会「専門看護師」(2024年5月29日参照)

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専門看護師とは?役割や種類を解説!資格取得の方法と働くメリットも紹介

資格取得の難易度と合格率の違い

資格取得の難易度に関しては、専門看護師のほうが高いといえます。なぜなら、認定看護師の教育課程が6カ月なのに対し、専門看護師は看護系の大学院にて2年間で38単位の取得が必要だからです。そのため、専門看護師の資格取得を目指す際は、休職や退職をするケースも少なくありません。また、合格率に関しては、認定看護師が約90%、専門看護師は約75%~80%といわれています。

資格取得に必要な費用の違い

資格取得に必要な費用に関しては、入学金や授業料、審査料などを加味すると、専門看護師は約200万円~350万円、認定看護師は約100万円が目安とされています。ただし、どの教育機関や履修コースを選ぶかによっても変わるため、自身の予算と照らし合わせながら、無理のない計画を立てるようにしてください。

奨学金や病院の支援制度の利用を検討するのも手

資格取得を検討する際は、奨学金や病院の支援制度の利用も視野に入れると良いでしょう。日本看護協会では、認定看護師の資格取得を対象とした「認定看護師教育課程奨学金」と、専門看護師の資格取得を対象とした「石橋美和子がん看護CNS奨学金」の2つの奨学金制度が設けられています。

また、地方自治体の助成金や病院独自の奨学金制度もあるため、経済的な理由により費用の捻出が難しいと感じている方は、調べてみると良いかもしれません。なお、病院の支援制度は、規模が大きかったり、複数のグループがあったりするほうが充実している傾向にあるため、現在の職場でステップアップを望めない場合は転職するのも手です。

出典
公益社団法人日本看護協会「認定看護師」(2024年5月29日参照)
公益社団法人日本看護協会「専門看護師」(2024年5月29日参照)

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登録者数の違い

認定看護師と専門看護師には、資格の登録者数にも大きな違いがあります。公益社団法人日本看護協会の「データで見る認定看護師」および「データで見る専門看護師」によると、2023年12月現在の登録者数は、認定看護師が2万4,096人、専門看護師が3,316人となっています。なお、認定看護師においては、これまでの認定看護分野であるA課程の2万351人と、新たな認定看護分野であるB課程の3,745人を合計した数値です。

出典
公益社団法人日本看護協会「認定看護師」(2024年5月29日参照)
公益社団法人日本看護協会「専門看護師」(2024年5月29日参照)

所属先の違い

認定看護師と専門看護師、どちらの資格を目指すか迷っている場合は、所属先の違いにも目を向けることが大切です。公益社団法人日本看護協会の「データで見る認定看護師」および「データで見る専門看護師」によると、双方ともに最も登録者数が多いのは病院ですが、その次に多いのは、認定看護師が訪問看護ステーション、専門看護師が学校・大学となっています(2023年12月現在)。

どちらの資格においても、活躍できる職場の選択肢は幅広いため、いかに資格を有効活用できる職場に身を置くかが大切だといえるでしょう。キャリアプランを見据えた上で、自分にマッチする働き方を選んでみてください。

出典
公益社団法人日本看護協会「認定看護師」(2024年5月29日参照)
公益社団法人日本看護協会「専門看護師」(2024年5月29日参照)
働きながら資格を取るなら

認定看護師と専門看護師に向いている人の違い

ここでは、認定看護師と専門看護師に向いている人の違いをまとめました。将来的にどのような活躍をしたいのか、どのような看護師を目指したいのかを踏まえた上で、資格を取得するようにしましょう。

認定看護師に向いている人の特徴

認定看護師に向いている人は、次のような特徴があります。

  • 看護現場の最前線で活躍したい
  • 特定の分野に特化した看護師になりたい
  • 患者さんに寄り添った看護を続けたい

認定看護師は、対象分野が細分化されていることから、専門分野をより極めたい人におすすめです。広い分野よりも、特定の看護分野に精通したいと考える場合は、認定看護師の取得が適しているかもしれません。

専門看護師に向いている人の特徴

専門看護師に向いている人は、次のような特徴があります。

  • 直接的な看護以外でも専門知識や技術を高めたい
  • 看護に関する課題の解決を目指したい
  • 広範囲の知識や技術を身につけ、より良い看護ケアを追及したい

専門看護師は、教育や研究現場での活躍も期待されることから、質の高い看護を提供する仕組みづくりに関心がある人におすすめです。現場だけに留まらず、組織や管理面からも貢献したいと考える場合は、専門看護師の取得が適しているかもしれません。

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資格取得に向けて求人を探すなら転職エージェントがおすすめ

資格取得に必要な費用の違い」でもお伝えしたとおり、支援制度の充実度は職場によって異なります。そのため、現在の職場で資格を取得することに不安を抱いている場合は、転職エージェントを通じて、環境を変えるのも一つの手です。

転職エージェントでは、どのようなキャリアを築いていきたいかをヒアリングした上で、希望条件に沿った求人をご紹介します。視野を広げることで、今後進むべき道を明確にすることができるでしょう。

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働き方について相談できます

認定看護師と専門看護師の違いに関するよくある質問

ここでは、認定看護師と専門看護師の違いに関するよくある質問を紹介します。

専門看護師と認定看護師の違いをわかりやすく教えてください

一言でいうと、看護現場で質の高いケアを追及するなら認定看護師、広い範囲での専門性を高めたいなら専門看護師といった違いがあります。目指したいキャリアによって、取得すべき資格は異なるため、自身が医療・看護の現場でどのような活躍をしていきたいのかをよく考えた上で、行動に移すようにしてください。

特定看護師や診療看護師とはどのような資格ですか?

特定看護師とは、資格ではなく、特定行為の実施が認められている看護師のことを指します。必要条件をクリアし、一定期間研修を受けた後、修了試験に合格すると特定看護師になれます。特定看護師になると、医師の不在・多忙時にも迅速な対応が可能になるため、チーム医療への貢献が期待されるでしょう。なお、診療看護師とは日本NP教育大学院協議会の認定資格のことを指します。

出典
厚生労働省「特定行為に係る看護師の研修制度」(2024年5月29日参照)
日本NP教育大学院協議会「診療看護師(NP)とは」(2024年5月29日参照)

認定看護師や専門看護師の給料におけるメリットはありますか?

メリットとしては、「資格手当が支給される可能性がある」という点が挙げられます。ただし、公益社団法人日本看護協会の「2022 年度 専門看護師・認定看護師に対する評価・処遇に関する調査」報告書(p25)によると、現時点では、資格取得後の評価待遇に関して、大きな変化は見られないようです。資格を取得する際は、現在の勤務先における処遇を事前に確認することが大切だといえるでしょう。

専門看護師が廃止されるって本当ですか?

現時点で専門看護師が廃止される情報はありません。ただし、認定看護師においては、2026年度をもって現行制度が終了となります。新制度へ移行される理由としては、高齢化の急速な進行により、地域医療や在宅医療の需要が増大しているといった社会状況が挙げられます。

まとめ

認定看護師は水準の高い看護ケアを患者さんに行い、専門看護師は患者さんやご家族、地域などを対象に幅広いサービスを行えるといった違いがあります。認定看護師は19項目の特定分野と3つの役割があり、専門看護師は14項目の特定分野と6つの役割を担うのが特徴です。専門看護師のほうが携われるケアの範囲は広いため、資格取得の難易度も高い傾向にあります。どちらの資格を取得するかは、今後の働き方に合わせて考えることが大切です。

なお、「資格取得が自分のキャリアにどのようなメリットをもたらすのか客観視できない」「資格取得を目指す場合、現在の職場に留まるべきか、転職すべきか判断できない」という方は、レバウェル看護に相談してみませんか?レバウェル看護は、看護師専門の転職支援サービス。転職のプロから客観的かつ的確なアドバイスを受けられるため、現在のお悩み解消にも役立ちます。今すぐの転職をお考えでない場合は、相談のみのご利用も可能です。サービスはすべて無料のため、ぜひお気軽にご活用ください。

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この記事を書いた人
「レバウェル看護」編集部
「レバウェル看護」は累計利用者数47万人(※)を超える看護師専門の転職支援サービス。 編集部の制作体制には看護師経験者や現役看護師を交え、これまでに1,000記事以上(※)を執筆。看護師にとっての悩み・不安・疑問を一番に相談する"相談窓口"になることを目指し、医療・介護の現場で尽力している方々をサポートするためのコンテンツを発信中。 (※)2023年6月時点
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