基礎からスキルアップまで医療に役立つ講座・試験を実施する組織

本記事では、子どもの排便と便秘に関するアドバイザー養成、吸入療法のエキスパート育成、ドクターヘリ運用のスキルアップを支援する3つの専門組織をご紹介します。
これらの組織は、医療従事者や看護師の方々に向けて、それぞれの分野で基礎から応用まで幅広い知識とスキルを習得できる機会を提供しています。

小児患者のケアに携わる方、呼吸器疾患治療に関わる方、そして救急医療に興味がある方は、ぜひ最後までお読みください。各組織が提供するプログラムは、日々の臨床現場で即座に活用できる実践的な内容となっており、看護師の方々のキャリアアップにも大いに役立つことでしょう。

※1※2 調査方法:インターネット調査/調査期間:2024年2月7日~2月13日/調査概要:「看護師転職サイト」を対象としたユーザー満足度調査/調査対象:男女、全国、看護師・准看護師資格保有者かつ対象看護師転職サイト利用経験者、20~29歳 107s(※1)、20~34歳 175s(※2)/調査実施:株式会社エクスクリエ/比較対象サービス:「看護師転職サイト」主要10サービス(専用サイトのあるサービスのみ・求人結果の表示ページは除く)

こどもと家族の排泄サポート研究所

こどもと家族の排泄サポート研究所は、こどもと家族の排泄に関する情報を発信している組織です。赤ちゃんの排泄を通じて、健康で心豊かな子育てをサポートすることを目的とし、2009年に前身のおむつなし育児研究所が設立されました。
主な活動は、Webサイトでの情報提供や講演会、講座、研究、出版など。全国各地でおむつに頼りすぎない育児を推進する方々と連携して活動し、排泄の尊厳を重視する社会の実現に寄与しています。

なお、医療従事者や看護師の方々にとって、同研究所が提供する「0歳からの自然なおむつ外しアドバイザー養成講座」や「家庭と病院を結ぶ★子どもの排便&便秘アドバイザー養成講座」は、専門的なスキルアップの機会となるでしょう。これらの講座を通じて得られる知識は、小児患者のケアや家族支援に直接活用でき、臨床現場での実践に役立ちます。
その中でも、本記事では「家庭と病院を結ぶ★子どもの排便&便秘アドバイザー養成講座」に焦点を当て、詳しく見ていきます。

家庭と病院を結ぶ★子どもの排便&便秘アドバイザー養成講座

▲画像提供:こどもと家族の排泄サポート研究所

「家庭と病院を結ぶ★子どもの排便&便秘アドバイザー養成講座」は、子どもの便秘問題に特化した専門的な講座です。近年増加している子どもの便秘に対して、適切なアドバイスができる専門家を育成することを目的としています。

同講座は、小児便秘の専門医である中野美和子氏の全面的な協力のもと、同研究所代表の和田智代氏が作り上げました。6週間にわたるオンライン講座で、子どもの便秘の特徴、病院受診の判断基準、食事改善で改善しない場合の対処法などが学べます。

カリキュラムは全10チャプターで構成されており、合計約10時間の動画講座を6週間かけて少しずつ配信される仕組みになっています。特徴的なのが、中野美和子氏によるライブ講義や公開便秘相談(デモ・セッション)が含まれていること。また、講座では0歳児の便秘対応や、おむつの中でしか排便できない問題など、現代の子育てで直面する具体的な課題にも焦点を当てています。

同講座を受講することで、便秘の概念や原因、改善と予防方法などの基礎的な知識だけでなく、子どもと保護者とのコミュニケーション方法も学べるのが魅力です。保護者の不安や悩みに寄り添いながら、適切なタイミングで介入し、効果的なアドバイスを提供する方法が身につきます。

そのほかの講座の特徴は、1年間の繰り返し視聴が可能なこと、オリジナルテキストの提供、最終認定試験の実施など。これにより、受講者は確実に知識を身につけ、実践に活かすことができます。

同講座を通じて、医療従事者や看護師の方々は、子どもの便秘に関する最新の知見を学び、適切な対応方法を習得することで、臨床現場での実践力が向上します。さらに、家庭と病院をつなぐ役割を果たすことで、子どもの健康増進に大きく貢献できるでしょう。

一般社団法人日本喘息学会

一般社団法人日本喘息学会は、喘息に関する研究の発展と知識の普及を目的として設立された学術団体です。医師やメディカルスタッフなど、喘息治療に携わる多様な医療従事者が会員となり、最新の研究成果や治療法の共有、教育活動を通じて、喘息患者のQOL向上に貢献しています。

同学会の主な活動としては、年次学術大会の開催、書籍の発行、喘息診療ガイドラインの作成・更新など。また、若手医療従事者の研鑽の場を提供し、喘息診療の専門医認定制度の確立に向けた取り組みも行っています。

吸入指導に関する正しい知識・技能を習得「吸入療法エキスパート」

吸入療法は、喘息治療において効果的な方法ですが、正しく実施されないと十分な治療効果が得られず、副作用のリスクも高まります。たとえば、薬剤が気管支へ適切に届かない、うがいを怠ることによる口内炎や口腔内カンジダの発生、デバイスの不適切な管理による細菌繁殖などの問題が生じる可能性があります。

▲画像提供:一般社団法人日本喘息学会

こうした課題がある中で注目したいのが、同学会実施の「吸入療法エキスパート」資格制度です。同資格は、喘息患者に対する吸入指導の全国均てん化を目指して制定されました。
医師やメディカルスタッフが吸入指導に関する正しい知識と技能を習得し、患者が全国どこの医療機関を受診しても一定レベル以上の指導を受けられるようにすることを目的としています。

試験の受験資格は、喘息診療に従事している医療従事者で、日本喘息学会会員であること、学術大会または気道アレルギー実習セミナーに1回以上参加していることが条件です。
試験は、実技試験とMCQ試験(多肢選択式問題)で構成されています。

実技試験は、受験者の実践的な吸入指導スキルを評価するものです。試験時間は1人20分間で、くじ引きで公平に選択されたデバイス練習器を使用して実技指導を行い、その様子を評価者が採点する仕組みとなっています。公式サイトに掲載されている「吸入操作ビデオ」に沿った内容で採点されるため、試験前におさらいをしておくと良いかもしれません。

▲画像提供:一般社団法人日本喘息学会

MCQ試験は60分間で行われ、「試験用テキスト」から40問が出題されます。問題は1問1点の採点とし、成人領域から30点、小児領域から10点の配分となっており、臨床問題も含まれます。

合格基準は、両試験とも正答率60%以上で、両方の試験に合格することが資格取得の条件です。これらの試験を通じて、受験者の吸入療法に関する総合的な知識と実践的なスキルが評価されます。

医療従事者や看護師の方々にとって、この資格取得は喘息患者へのケアの質を向上させ、治療効果の改善に貢献できるという大きなメリットがあります。
そして、全国的に標準化された知識と技能を身につけることで、どの医療機関でも一貫した高品質な吸入指導の提供が可能となり、患者さんの治療アドヒアランス向上にも繋がるでしょう。

日本航空医療学会

日本航空医療学会は、1994年に「日本エアレスキュー研究会」として発足し、2000年に現在の名称に改められました。同学会は、日本国内の航空機による救急医療システムの確立と普及を図り、航空機に関する医学・医療の向上に寄与することを目的としています。

主な事業としては、学術集会の開催やドクターヘリ講習会の実施、認定制度の施行、機関誌の発行、関連出版物の刊行などを展開。また、「ドクターヘリ連絡調整協議会」を設置し、ドクターヘリ運航の円滑化を支援する活動も行っています。

同学会のこうした活動は、航空医療の安全性と質を向上させ、救急医療、災害医療、僻地・離島医療などの発展に大きく貢献しています。

ドクターヘリ運用を基礎から理解できる「ドクターヘリ講習会」

同学会が主催する「ドクターヘリ講習会」は、ドクターヘリ運用に関わる多様な専門職が一堂に会し、共通の基礎知識と実践的スキルを習得する貴重な機会です。医師や看護師、救急救命士、救急隊員、操縦士、整備士、運航管理者など、ドクターヘリに関わる全ての職種を対象としています。そのため、参加者は他職種の役割や視点も学ぶことができるのが魅力です。

講習会の内容は、ドクターヘリ関連の概論や航空医学、医療基礎知識、ヘリ救急、ヘリコプターの基礎知識、安全対策、運航の基礎知識など幅広いトピックをカバーしています。
さらに、講習会では事例検討において、他職種合同のセッションと職種別のセッションの両方が用意されているのも注目すべきポイントです。これにより、参加者は多角的な視点から事例を分析する機会を得ると同時に、看護師同士で専門的な意見交換や経験の共有もできるでしょう。
そのほか、講習会では非常時対応(講義やディスカッションなど) 、質疑応答の時間も設けられており、有意義な時間を過ごせます。

なお、講習会は年に数回開催され、各回の定員は約45名です。1日で完結するプログラムとなっており、事前にe-ラーニングによる学習も行います。受講後には、同学会認定の修了証書が発行され、これは同学会の認定制度とも連携しています。

▲画像提供:日本航空医療学会

医療従事者、特に看護師の方々にとっては、この講習会への参加が航空医療分野でのキャリアアップの重要なステップとなります。フライトナースとしての専門性を高め、他職種との連携スキルを向上させることで、より効果的で安全な航空医療サービスの提供に貢献できます。
また、航空医学や安全管理に関する知識は、地上での救急医療にも応用可能な貴重な学びとなるでしょう。

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