
本記事では、医療現場での治療や療養生活において、患者さんとそのご家族が抱える不安や負担を軽減したい、そんな思いから革新的なソリューションを提供する3社をご紹介します。
待合室での子どもたちの気持ちに寄り添うDVD、片麻痺の方の自立をサポートする杖、そして疾患児・障がい児の家族を支える情報アプリと、それぞれのアプローチは異なりますが、いずれも患者さんとご家族のエンパワーメントを目指しています。
日々の診療や看護の現場で、患者さんとご家族の不安や戸惑いに接する機会の多い医療従事者にとって、これらのソリューションは心強い味方となるはずです。ぜひ記事にて、前向きな治療環境づくりを実現する3社の取り組みをご覧ください。
1996年に東芝社内ベンチャーとして設立された、株式会社オムニバス・エンターテイメント。事業としては、キッズコーナーや医療機関待合室などに特化した業務用DVDコンテンツの制作・供給のほか、店頭メディアの広告企画も行っています。
特に「キッズコーナーDVD」は、診察や処置を待つ子どもたちの不安を和らげ、楽しく飽きずに待ち時間を過ごせると大変好評です。医療従事者にとっても、待合室での子どもたちの心理的負担を軽減し、円滑な診療の実現に貢献するソリューションとなっています。
また、同社は社会貢献活動にも積極的に取り組んでおり、キッズコーナーDVDの収益の一部を発展途上国の子ども支援や、IPS細胞研究を推進するIPS財団への寄付に充てているのも特徴。医療の未来を見据えた取り組みを通じて、子どもたちの健やかな成長を支援する企業として、医療現場に新しい価値を提供し続けています。
医療現場では、小さな子ども連れの患者さんや保護者の方の待ち時間対策が課題となっています。子どもの場合は、大人のように待ち時間を静かに過ごすことが難しいため、退屈してしまうと泣き出したり、落ち着かなくなったりすることもあるでしょう。このような場面では、看護師さんをはじめとする医療スタッフの方々も、本来の医療業務に加えて気を配る必要が出てきます。

そこで注目したいのが、同社の「キッズコーナーDVD」です。このDVDは、そうした医療機関の待合室や店舗のキッズコーナーなどでの上映に特化して設計された業務用DVDで、全国5,000店舗以上の導入実績があります。
医療機関での映像上映には著作権の許諾が必要ですが、同DVDは業務用として全ての収録作品で適切な許諾を得ているため、安心して利用できます。
また、1枚120分のDVDには、15〜16の作品が収録されており、子どもに人気のアニメから知育映像、絵本の読み聞かせまで、質の高いコンテンツを毎月更新して提供しているのが特長。映像は3分〜20分程度の短編集のため、「見始め」「見終わり」のタイミングを作りやすく、診察の呼び出しにも対応しやすいのではないでしょうか。

オートリピート機能が搭載されているのも注目すべきポイントです。映像が終われば最初の作品へ自動で戻り、リピート再生する仕組みとなっています。都度リモコン操作は必要なく、診療時間中はそのまま上映し続けることが可能で、忙しい医療従事者の手を煩わせることもありません。
特に、現在は感染対策として、玩具や絵本を撤去している医療機関も多い中、非接触で楽しめるDVD上映は衛生面でも安心です。また、玩具の片付けや消毒といった業務負担も軽減できます。
医療現場の業務効率向上と、患者さんの満足度アップを同時に実現する「キッズコーナーDVD」は、待合室の必需品となることでしょう。
愛知県に本社を置くシュポーン株式会社は、革新的な医療機器開発を通じて、リハビリテーション医療の発展に貢献している企業です。2017年に理学療法士とデザイナーの着想から始まった開発は、複数の研究機関との共同研究により、従来の概念を覆す歩行支援具として結実しました。
講義や使い方説明会、試用会、学術活動などを精力的に行い、「手に持つ足」という新発想の歩行支援具の提供により、片麻痺患者の生活の質向上に寄与しています。
リハビリテーション看護の現場では、片麻痺の患者さんの歩行訓練において、杖による二次的な障害に悩まれることも多いのではないでしょうか。従来の杖では、手や肩の痛みを引き起こすケースが多数あるとされています。
この課題に対し、理学療法士が実際の臨床現場で直面した問題をきっかけに開発されたのが「Paracane(パラケイン)」です。
「ブレーキ」としての従来の杖から、「アクセル」として推進力を生み出す画期的な歩行支援具へと進化を遂げました。特殊設計されたカーボン素材のしなりが、まるで足のように機能して自然な歩行をアシストします。

Spiralモデルは、歩行姿勢を整えることに特化した杖です。本体シャフト部分の外側への捻転機構により体幹の傾きを防ぎ、自然な姿勢での歩行を実現。余分な力を使わずに、まっすぐに脚を振り出すことができます。
本体足部は2股の面で接地する機構となっており、素材にはドライカーボンを採用。そのため、本体の重さは500g弱と、一般的な4点杖の約半分の重さしかありません。

一方、Three Partモデルは、推進力を生み出すことに特化した杖です。本体シャフトと杖足部は柔軟性に優れており、床からの衝撃を吸収。カーボン製湾曲構造による反発力で、麻痺側の足首の前方への蹴り出しをサポートします。
本体足部は三角の面で接地する機構となっており、こちらもドライカーボン素材を使用しているため、本体の重さは一般的な一本杖と同じくらいです。
どちらのモデルも、包み込むように握れるグリップ形状を採用しています。この手関節への負担を軽減する機能的な設計により、二次障害の予防にも効果を発揮するのが特長です。
同製品について、実際の使用者からは多くの喜びの声が寄せられています。スタイリッシュなデザインは患者さんの外出意欲を高め、社会参加のきっかけとなるかもしれません。
医療現場での実績と研究に基づいて開発された「Paracane」は、理学療法士などの専門家の指導のもと、患者さんに最適なモデルを選定可能です。リハビリテーション看護における新たな選択肢として、患者さんの自立支援に期待できるのではないでしょうか。
東京都渋谷区に本社を置く、株式会社NEWSTA。ダイバーシティ&インクルージョンの実現を目指し、妊娠・出産・育児分野において当事者と企業、社会をつなぐサービスを提供し、医療福祉の発展に貢献している企業です。
具体的には、疾患児・障がい児の家族向けブランド「ファミケア」の運営を中心に、情報サイトやアプリの開発、企業向けソリューションの提供など、多角的な事業を展開。全国1万の家族とつながるプラットフォームを活かし、支援事業者や医療機関との連携を通じて、インクルーシブな社会づくりに寄与しています。

医療現場では、疾患や障がいのあるお子さんとその家族への情報提供や支援方法に悩まれることも多いのではないでしょうか。
特に、退院後の生活や、日々の困りごとへの対応について、十分な情報提供が難しい場面もあるかもしれません。
そこで注目したいのが、疾患児・障がい児家族向け相談QAアプリ「ファミケア」です。
同アプリは、指定難病の福山型筋ジストロフィーの子どもを育てる母親の「もっと家族で楽しい時間を過ごしたい」という思いから開発されました。

全国5000家族以上が利用する同アプリでは、身体障がい、知的障がい、精神障がい(発達障がい)、疾患または疾患疑い、医療的ケアが必要なお子さんの家族が利用できます。親に限らず、きょうだいや祖父母も登録可能で、確定診断や障害者手帳がなくても利用できるのが特徴です。
アプリの主な機能として、同じ疾患・障がいの家族との情報交換、地域ごとの制度やサービスについての情報共有、障がい児育児のさまざまな専門家への無料相談などがあります。また、当事者家族によるノウハウやレポートが詰まったコラムも提供しており、育児や通院、おすすめグッズの情報から、お出かけのヒントまで多様なコンテンツを閲覧できます。
特に便利なのは、「疾患・障がい」タブと保存機能です。関心のある疾患・障がい情報を設定することで、同じ状況の家族の投稿を見たり、コミュニケーションを取ったりできます。また、気になる質問や回答は保存して、自分のリストの中からいつでも見返すことが可能です。
医療従事者の方々にとっても、このアプリは患者家族への有用な情報提供ツールとなります。退院時の説明に組み込んだり、日常生活での困りごとへの対応策として紹介したりすることで、継続的な支援に繋げられます。匿名性が保たれ、必要なときに必要な情報にアクセスできる点も、患者家族の心理的負担を軽減できるメリットです。
利用料は無料で、ニックネームやアイコンで気軽に繋がれる安心な環境を提供しています。今後は、子どもと家族、支援団体、企業などを繋ぐイベントやプロジェクトも計画しており、より充実したサポート体制の構築を目指しているとのことです。
医療と生活をつなぐ支援ツールとして、ぜひ患者家族への情報提供の選択肢に加えてみてはいかがでしょうか。
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