
「訪問看護師に向いているのはどんな人?」と気になっている看護師は多いのではないでしょうか。
ここでは訪問看護師に向いている人の特徴や必要なスキル、訪問看護師の将来性などについて詳しく解説します。
この記事を最後まで読み終えてもらえれば、自分が訪問看護師に向いているのか分かるでしょう。
訪問看護師へのキャリアチェンジを検討している方はぜひ参考にしてください。
訪問看護が自分に向いているのか判断する前に、まずは訪問看護師について把握することが大切です。
ここでは、訪問看護師に関する基本的な内容を紹介するので確認してみましょう。
訪問看護師は、疾患や障がいのある方が療養生活を送れるように、自宅を訪問して医療的なサポートを行うのが役割です。
ただし、仕事内容は診療科目や医療保険・介護保険のどちらかによって異なります。
基本的には健康管理や医療的ケア、ターミナルケアなどが挙げられるでしょう。
訪問看護師の1日の訪問件数は5~6件ほどが一般的です。
| 8:30 | ・出勤後、訪問スケジュールや利用者様の情報などを申し送りで共有する |
| 9:00 | ・1件あたり30~60分で訪問する ・午前中の件数は1~3件ほどで、訪問の合間に看護記録を作成する |
| 12:00 | ・事業所や車内で昼食を摂る |
| 13:00 | ・1件あたり30~60分で訪問する ・午前中の件数は2~3件ほどで、訪問の合間に看護記録を作成する |
| 16:00 | ・事業所に帰社する ・利用者様の状況や明日のスケジュールなどを共有する ・訪問の合間に作成できなかった看護記録を行う |
| 17:30 | ・業務を終えたら退勤する |
1日の訪問件数があらかじめ決まっており、勤務時間内に回りきれるように調整されているため、基本的に定時で退勤することができます。
また、訪問看護師は訪問先によっては直行・直帰も可能です。
日本は高齢化社会が進んでおり、今後も医療や介護の需要が見込まれます。
そのため、厚生労働省では、団塊の世代が住み慣れた地域で自分らしい暮らしを続けられるように、地域包括ケアシステムの構築を推進しています。
厚生労働省の「訪問看護(P19)」によると、訪問看護の実施事業所・医療機関数の年次推移は下記のとおりです。
| 医療保険の訪問看護を行う訪問看護ステーション | 介護保険の訪問看護を行う訪問看護ステーション | 医療保険の訪問看護を行う病院または診療所 | 介護保険の訪問看護を行う病院または診療所 | |
| 平成30年 | 9,964 | 9,676 | 4,010 | 1,540 |
| 令和1年 | 10,783 | 10,318 | 3,970 | 1,461 |
| 令和2年 | 11,612 | 10,879 | 3,804 | 1,428 |
| 令和3年 | 12,646 | 11,646 | 3,673 | 1,426 |
| 令和4年 | 13,866 | 12,498 | 3,587 | 1,322 |
介護保険の訪問看護費を算定する病院・診療所は減少傾向である一方で、医療保険の訪問看護を行う訪問看護ステーションは直近の5年でおよそ1.4倍に増加しています。
訪問看護は利用者様やそのご家族の思いをくみ取りながら、療養生活をサポートしていくため、人間関係が密接になりやすく、人柄が重視される傾向にあります。
そこで、訪問看護師に向いている人の特徴は下記のとおりです。
それぞれの特徴について分かりやすく解説するので、当てはまる特徴はあるかチェックしてみましょう。
訪問看護師は、疾患や障がいがあっても、住み慣れた地域で自分らしい生活を送れるように支援する役割があります。
特に近年では利用者様が多様化してきており、医療ニーズの高い方や、重度の障がいを持つ小児なども重症度の高い利用者様も少なくありません。
「地域医療に貢献したい」「在宅療養を支えたい」という看護師は、訪問看護師に向いているでしょう。
病院では治療を優先されますが、訪問看護では利用者様やそのご家族に寄り添った看護が求められます。
限られた訪問時間の中で、利用者様とそのご家族にじっくり向き合い、利用者様の生活を支えられるのは訪問看護ならではの魅力です。
「時間をかけて利用者様と向き合いたい」「利用者様としっかり寄り添いたい」という看護師は、訪問看護師に向いているでしょう。
訪問看護師は一人で過ごす時間が長いですが、看護師同士で連絡を取り合いながら業務を進めていく場面もあります。
医師やケアマネジャー、介護職員など、多職種連携も欠かせません。
また、利用者様やご家族とのコミュニケーションを通じて情報を収集し、本人の要望に沿ったケアの提供を目指します。
利用者様の自宅はあくまでプライベートな空間であり、訪問時は挨拶やマナーが必要です。
病棟に勤務している間は、簡単な挨拶で済むことがほとんどですが、訪問看護では初めて会う利用者様には名刺を渡して挨拶をし、信頼関係の構築を目指します。
他人を自宅に招き入れることに対して、強いこだわりを持っている利用者様もいるため、失礼な態度の看護師は訪問を断られることもあるでしょう。
したがって、訪問看護師のマナーについてしっかり学んでおくことが大切です。
訪問看護は診療科目が幅広いうえ、利用者様の年齢層にも限りがありません。
介護・医療の両面をサポートできるような知識・スキルが求められます。
医療は日々アップデートされていくので、「積極的に学びたい」という向上心のある看護師は訪問看護師に向いているでしょう。
訪問看護師は天候や外気温に関係なく、自転車や車で訪問先まで移動しなければなりません。
訪問コースによっては、長距離の移動をする日もあります。
また、訪問先では接遇や礼節を意識しながらコミュニケーションをとらなければならず、急変リスクの高い利用者様には慎重な対応が求められるでしょう。
体力と精神力に自信のある看護師でなければ、訪問看護師を続けるのは難しいと言えます。
訪問看護師テーションでは平日の日勤のみの勤務で、病棟のように夜勤がありません。
オンコールの頻度も月に数回ほどで、自宅で待機できるため、病院の夜勤よりも体への負担が少なく済みます。
また、土日祝日が休みの事業所が多いので、育児や介護などプライベートな時間を重視している看護師にもぴったりです。
訪問看護は、基本的に訪問看護指示書に基づいてケアを提供しますが、臨機応変な対応が求められるケースも多いです。
利用者様の容体が急変した際、応急処置や医師への相談、救急車の要請など、看護師がその場で対応を判断しなければなりません。
想定外の事態が発生しても、最善のケアを実践できる看護師が望ましいです。
看護師が管理者となって開設する訪問看護ステーションはほとんどです。
自身で開設した訪問看護ステーションでは、理想の看護を提供できることから、将来敵に独立したいと考える訪問看護師は少なくありません。
訪問看護ステーションを運営するために、関連機関への挨拶や営業も行わなければならないでしょう。
経営について学びながら、訪問看護師としての知識・経験を積みたい看護師におすすめです。
「訪問看護師が向いている」と感じる人もいる一方で、「訪問看護師に向いていない」と感じる人も一定数います。
訪問看護師に向いていない人の特徴は下記のとおりです。
入職後のミスマッチを防ぐために確認してみましょう。
訪問看護では医療依存度の高い利用者様もいるので、医療的ケアを行う機会はあります。
しかし、容体の落ち着いた利用者様がメインだと、療養上の世話のほうが多くなりやすいです。
急性期病棟のように最新の医療に携わる機会は滅多にないことから、訪問看護の現場では物足りなさを感じるかもしれません。
訪問看護師は互いに連絡を取り合いながら連携していますが、実際に訪問するのは基本的に看護師1名です。
気軽にほかの看護師を頼りにくく、自分で判断しながらケアを行わなければなりません。
「自分一人でケアをするのは不安」「スキルや知識に自信がない」という看護師だと、精神的に辛くなってしまう場合があるでしょう。
訪問看護ステーションの中には教育・指導体制が十分に整ってない事業所もあり、自ら積極的に学ぼうとする主体性が求められます。
受け身な姿勢のままではスキルアップが難しく、訪問看護師として成長していくことができません。
また、訪問看護の現場では誰かの指示を待つのではなく、自分で判断しなければならないことも多いです。
普段から受け身に捉えがちな看護師は、自ら考えて行動するように心がけましょう。
訪問看護の利用者様宅は、すべて清潔に手入れが行き届いているとは限りません。
何らかの理由で片付けができず、室内にゴミが山積みになっていたり、埃だらけだったりするケースもあります。
潔癖な性格で、利用者様宅に上がることに抵抗がある看護師では、訪問看護師を続けにくいでしょう。
犬や猫のアレルギーがある看護師は、動物を飼育している利用者様宅を訪問するのが難しいです。
もしも利用者様宅でアレルギー症状が出てしまうと、利用者様にも迷惑をかけてしまいます。
最初はアレルギー症状に気付かなくても、症状を繰り返すことでアレルギーが原因であると判明するケースも少なくありません。
犬や猫のアレルギーがあるからといって、訪問看護師をあきらめる必要はないものの、訪問先が限られるため、あらかじめ職場に相談しておくと良いでしょう。
多くの訪問看護ステーションで、オンコール対応を導入しており、24時間対応が求められます。
オンコール当番の日は自宅で待機できるものの、いざという時にすぐに駆け付けられるように酒や遠出を控える必要があるでしょう。
オンコール対応は複数名の看護師で交代しているため、毎日対応しなければならないわけではありませんが、毎日晩酌の習慣がある看護師はストレスを感じるかもしれません。
エリアによって異なるものの、訪問看護師の主な移動手段は車もしくは自転車です。
車の運転が苦手な看護師や、運転免許証を取得していない看護師は、車の運転が求められるエリアで訪問看護師として雇ってもらえない可能性があります。
どうしても訪問看護師として働きたいのであれば、運転免許証を取得するか、車の運転ができなくても雇ってもらえる事業所を探すのがおすすめです。
訪問看護師に向いていない人の特徴に当てはまったからといって、訪問看護師をあきらめる必要がありません。
ここでは、訪問看護師になるためにできることについて解説します。
気軽に始めやすいことを紹介するので、早速取り入れてみましょう。
訪問看護では、利用者様やそのご家族と信頼関係を築いたり、看護に必要な情報を収集したりするのにコミュニケーションが欠かせません。
そこで、利用者様やご家族にとって分かりやすい伝え方を意識するほか、ボディランゲージやタッチングといった非言語的コミュニケーションを活用することも重要です。
また、利用者様・ご家族の視点に立ち、気持ちに寄り添うように意識すれば、コミュニケーション能力を磨いていけます。
訪問看護は看護師1名で訪問する現場がほとんどなので、利用者様宅で起こるさまざまな出来事に自分だけで対応しなければなりません。
そのため、主体的に考えて行動できる看護師が望まれます。
そのほかにも疑問点は積極的に質問し、課題の解決を目指す姿勢も大切です。
前向きに取り組むように心がけ、対処するように意識することで、訪問看護師への適性を高められるでしょう。
臨床経験が浅くても訪問看護師として働くことは可能です。
しかし、医療機関や介護施設での豊富な臨床経験は、幅広い対応力を兼ね備えるのに役立ちます。
中でも急変時の対応は臨床で培われるものであり、訪問看護の現場での冷静な対応や判断に活かせるでしょう。
ここでは、訪問看護師の向き不向きについてよくある質問を紹介します。
訪問看護師に向いている診療科目は、脳神経内科や循環器内科など内科系の診療科目とされてい。
訪問看護の利用者様は高齢者が多く、複数の慢性疾患を患っている方が多いので、内科系の知識・経験を活かしやすいです。
もちろん、在宅療養者の中には人工呼吸を装着している方やCIVを挿入している方もいるので、高度医療での経験も訪問看護師として役立ちます。
病棟勤務が向いていないからといって、訪問看護師が向いているとは限りません。
例えば、「訪問看護師は一人で気楽に仕事ができる」というイメージが強いですが、実際は利用者様・ご家族や多職種などとの密なコミュニケーションが求められます。
今の職場に向いていないと感じる理由を冷静に分析したうえで、訪問看護の適性をしっかり考えましょう。
訪問看護の現場では利用者様とじっくり向き合う時間が持てることから、「利用者様に寄り添いたい」「療養生活を支えたい」という想いが欠かせません。
また、利用者様・ご家族と信頼関係を結ぶうえで、挨拶や基本的なマナーも大切です。
そのため、中には「訪問看護師に向いていないかもしれない」と自信をなくし、キャリアチェンジを諦めてしまう人もいるかもしれません。
しかし、前向きに取り組むことで適性は高められるので、まずは自分にできる行動から始めてみましょう。
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