
看護師としてもう一度働きたいと思っていても、「ブランクは何年までなら復職できるの?」と不安を感じている人も多いのではないでしょうか。
ブランクが何年かによって復職成功のポイントは異なります。
そこでこの記事では、ブランク年数ごとの復職成功のための職場選びのポイントや看護師復帰に向けた準備の、おすすめの職場の具体例をご紹介します。
看護師への復職を目指している方は、ぜひ参考にしてください。
厚生労働省の「新たな看護職員の働き方等に対応した看護職員需給推計への影響要因とエビデンスの検証についての研究(p4)」によると、2018年時点で日本の潜在看護師は79万人と推計されています。
年齢別では定年退職になる60歳以上を除くと30〜34 歳が 36.91%と最も高く、離職理由は結婚、出産・育児、自分の健康問題など様々です。
状況が落ち着くと看護師に復帰したいと考える方もいますが、ブランク期間は数年から十数年単位と人それぞれ。
みなさん多種多様の不安を抱えているのです。
近年ますます医療技術や科学が進歩しており、留まることを知りません。
新しい治療方法や薬など、現役で働いている看護師でも常に新たな知識を身につけ、患者さんにケアを提供する必要があります。
この現状の中、ブランクが長ければ長いほど仕事を覚えていけるか、毎日の仕事をこなせるか、と不安に感じる方も。
さらにブランク前の看護師経験が短い方は一から覚えていくことは多く、不安を感じやすいのです。
看護師は早出や遅出、夜勤など勤務形態により生活が不規則になりやすく、体力的にきついと言われがちな職業です。
また患者さんの移乗や褥瘡予防のポジショニングなど身体を使った業務が多く、ブランクがある方にとっては不安材料のひとつでしょう。
そして患者さんの生命に関わる仕事であり、ミスが許されないという重圧で、精神的なプレッシャーも感じやすいと言われます。
死に向き合わなければならない場面での、心の負担も心配に。
他にもスタッフ間の人間関係がストレスになりやすく、復職の不安要因になりがちです。
看護師を退職した理由で最も多いのは、出産・育児が22.1%と最も多いです。
出産・育児中の方が看護師復帰を考える時、子育てと仕事のバランスをとれるかどうかは不安でしょう。毎日の育児と仕事のバランスを取る難しさ、保育園や学校での行事などの休みを取らなければならないことも。
子どもの急な体調不調は予想がつかないことであり、早退や欠勤のたびに申し訳ないと感じストレスになる方もいるようです。また以前の退職理由が本人の健康問題の場合、体力的な自信がなくプライベートとの両立に不安を感じる人もいると考えられます。
看護師のブランクについては「ブランクありの看護師が復職するコツや不安を解消するポイントを解説」の記事でも詳しく解説しているので、ブランクからの復帰を検討している方は参考にしてみてください。
ブランクと言っても、人によって離職してからの年数はさまざまです。
日本看護協会の「都道府県ナースセンターによる看護職の再就業実態調査」では、離職して復職するまでの平均離職期間は31.1ヶ月(約2.6年)で、そのうち16.9%の方は60ヶ月以上(5年間)で復職しています。
実際に復帰したいと思っても、ブランクが長ければ長いほど、不安を感じる要素は多くなることが推察されます。
その不安を払拭するための復職準備は、それなりの労力が必要です。
ただし前職の経験やブランク年数にあわせた職場選びをすれば、負担を少なく復職成功に繋げられるのでしょう。
医療の進歩は早いとは言われるものの、1年程度のブランクであれば知識やスキルのアップデートもしやすいです。
多くの復職先は一通りの教育を受けた即戦力になる人材は、教育の時間が短く済み、ぜひ採用したいと考えています。
とくに20〜30代であれば、就職後に長く働いてくれる可能性が高いことから歓迎される人材のため、職場探しの幅が広がる可能性も大きいのです。
40代〜50代の方は人件費が高くなる点が、転職先のデメリットになることも。
しかし経験が豊富で、まとめ役や管理的な役割を担える人材を求めている転職先もあるので、ブランク年数が少なければ仕事の内容の幅も広がるでしょう。
看護師の中には出産・育児を機に退職し、子育てに専念することを選ぶ方もいます。
このため、2〜3年のブランクがあることはさほど珍しい状況ではありません。
とくに前職の経験が3年以上ある場合、転職先からのニーズも高く職場の選択肢が広がります。
前職での経験を活かせる職場を探すのも復職成功のコツです。
またブランク前の経験が浅い場合も、フォロー体制や教育制度が整っている職場を探すと、スムーズに復帰しやすいでしょう。
2~3年目のブランクだと、「これくらいは大丈夫でしょ?」と周囲から判断されがち。
自信がないことやわからないことは、はっきりと伝えることが患者さんの安全を確保するために重要だと言うことを念頭に置いておきましょう。
5〜10年以上のブランクがあると、復職する看護の現場ではさまざま変化が生じています。
自分が働いていたころに当たり前だったことが、そうではなくなり、看護の知識や技術をはっきりと覚えていないこともあるかもしれません。
しかし長めのブランクでも、自分に適した職場選びや準備をすることで復職は可能です。
どんな職場で、どんな働き方をしたいか、ライフスタイルの中での優先順位は何なのか、自分の復職の動機をより明確にしておくことが復職成功のポイントとなるでしょう。
「こんなはずじゃなかった」「思ったのとは違った」という、理想とのギャップが生じるのを避けられます。
「復職成功」というと、規模の大きな総合病院や給与の良い職場に就職できることをイメージする方もいるでしょう。
そういった職場は給与や福利厚生が魅力ですが、残業が多い、夜勤をしなければならないなど、自分の状況に合わない働き方を求められることも。
つまり自分のライフステージに合った理想の働き方ができる職場で、復職できることがあなたにとっての「復職成功」となります。
そのためには復職を考えたころから、計画的に準備を進めることが重要です。
ブランクの年数にもよりますが、医療や看護の知識や技術から遠ざかっていると、「すっかり忘れてしまった」「働けるだろうか」と不安を感じる人も少なくありません。
復帰の前には事前に看護技術や知識について勉強し、アップデートする必要があります。
復職までに全てを勉強し直すには、時間がいくらあっても足りません。
優先度の高い知識や技術から、学習するなどの工夫をして、復職した後にも勉強を継続しましょう。
各都道府県のナースセンターでは、ブランクのある看護師への支援体制が整備されており、再就業のための研修が開催されています。
都道府県によって多少異なりますが、研修の内容は「採血」「吸引」「褥瘡ケア」「輸液ポンプ・シリンジポンプ」「急変時の対応」「看護過程・看護記録」などです。
どの復職先でも役立つ、看護技術の基本的な内容は学べるでしょう。
大学の教員や病院の看護部長が監修している、看護知識や技術の書籍が、数多く出版されています。
本屋で実際にいくつかの本を見て、自分が勉強をしやすいと思った物を選んで使ってみると良いでしょう。
また現在は電子書籍化しているものもあるので、タブレットやスマホを用いて勉強するのもおすすめ。本とは違って、手軽に持ち歩けるのでスキマ時間で勉強しやすく、時間を有効活用できます。
ナースセンターだけでなく、病院や民間企業が復職に向けたセミナーや研修会を開催していることがあります。
自分が復職先として考える病院や施設が開催しているセミナーを利用すれば、職場の雰囲気を感じられるかもしれません。
また、その病院の方針や方法を知ることで、よりスムーズな復職に繋げられるでしょう。
求人探しでは給与や福利厚生など魅力的な情報が目に入りがち。
ただし、夜勤をする必要があったり、残業が多めであったりと、復職に向かない職場であるかもしれないことを意識しておきましょう。
また、看護師の仕事を離れていた方が復職すると、生活リズムを多少変更しなければなりません。
自分のライフスタイルに合った、職場探しをすることも復職成功のためには大事なポイントです。
復職先に教育・支援体制があると系統的に学習を積み、スキルアップもめざせます。
ブランクが1年未満であれば、支援を受けながらスムーズに看護業務に入れるでしょう。
しかしブランクが長いと看護の知識や技術を忘れがち。
教育・支援体制やサポート体制が整っているかチェックすべきでしょう。
サポートがなければ、不安を感じながら仕事をすることになる可能性もあるのです。
ご自身の健康上の問題や子育てなど、ブランクのある理由は人それぞれ。
復職がご家族の生活にも影響する場合は、しっかり復職することについて家族に相談することが大切です。
とくに子育てで一旦仕事を離れていた方は、今後の子育てをパートナーや同居家族とより一層協力する必要があります。
お子さんの生活にも変化が生じるので、お子さんが理解できるように伝えましょう。
転職エージェントでは、ブランク可の条件を満たした求人情報も持っています。
ブランクありの方の復職希望や、理想の働き方、今後の看護師としてのキャリア形成など、さまざまな視点で復職先を提案してくれます。
病院の内情に詳しいので、ブランクのある方への教育・支援体制の実際など、詳しい情報も確認できるでしょう。
復職先の採用面接では、ブランク前やブランク中のあなたの経験を質問されることがあります。
自分の経験したことや、これからの目標などを明確に伝えられるよう、事前に整理しておくことが大切です。
働いていたころの経験は、再就職時に活かされる力です。
資格などがあれば、さらにプラスポイントに。
一方で雇用側は即戦力を求めているのが現実で、ブランク期間は不利になる事もあります。
このためブランク期間の経験が自分にどう影響したか、看護師の仕事にどのように役立てられるかなど、自分の魅力をポジティブにアピールすると良いでしょう。
ブランクが長くなると、復職先の同僚や指導担当の看護師が、年下である場合もあります。
雇用する側としては、スタッフと円滑にコミュニケーションをとって、長く働いてくれることが望ましい人材です。
周囲よりも年齢を重ねていても、謙虚な気持ちや初心を忘れず、溶け込める姿勢をアピールすることが大切になります。
ブランクが短い場合は、急性期の領域や大きな規模の病院など、復職先の選択肢は幅があります。
一方、ブランク年数が長い場合は、まず働きやすい職場探しが重要です。
長く勤めて、経験を積んでいけばキャリアアップを目指すこともできるでしょう。
病状が安定している療養型の病棟は、病院に復帰したいという方にはおすすめです。
病棟全体が急性期に比べて落ち着いている傾向なので、復職のサポートを受けやすい環境です。
業務自体も落ち着いて進められます。
療養型から病院復帰を果たし、慢性期病棟、急性期病棟などステップアップしていくことも可能です。
クリニックは大規模病院とは違い、全体的に業務はゆっくりしています。
最先端の治療を扱うことは少なく、基本的な看護師の知識・技術で対応できるでしょう。
また残業も少なめで、無床であれば夜勤がなく体の負担が少ないのがメリット。
カレンダー通りの休日がほとんどで、子育て中の方は仕事を続けやすい職場です。
ただし看護師の人数が少なく、休みの交替などの勤務調整がしにくい点はデメリットでしょう。
検診センターは健康診断を専門で行っており、看護師の業務はほとんどが決まった内容です。
残業も少なく急な勤務変更が生じにくいため、予定が立てやすいです。
土日が休みになることが多いので、家庭と仕事の両立を目指す方にはおすすめ。
ただし、看護師としてのキャリアアップを目指す方には、物足りない職場かもしれません。
デイサービスは、利用者の日常生活の支援や健康管理が主な看護師の業務。
専門性の高い内容は比較的少ない領域なので、無理なく自分のペースで看護師に復帰したい方向けの職場です。
ブランクが長い場合も復帰しやすい職場のひとつ。
高齢化に伴い、デイサービスを提供する施設は多くなっていることからも復職にはおすすめです。
ブランクが短い場合は、急性期病棟などのハードな職場もすぐに慣れるでしょう。
しかし、ブランク期間が長い方の復職先としては不向きです。
新しい医療機器や治療法が開拓されやすい領域であり、体力面でも精神面でも負担がかかるのです。
また、介護施設はゆっくりしているイメージですが、看護職の割合が少なく介護職との協働に困惑することも。
看護職の判断が求められることもあり、プレッシャーを感じる場面も少なくありません。
そして、訪問看護は1人で利用者宅に訪問するため、全て1人で対応しなければなりません。
早い段階での自立を望まれるため、ブランクが長い方の復職には不向きでしょう。
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