西オーストラリア、パース市内の公立病院一般内科勤続10年目の看護師のKayです。今回はオーストラリアでのコードブルーをご紹介します。
「コードブルー」と聞いて一番に思い出すのは数年前にテレビで放映された、ドクターヘリとそこで奮闘する若きフライトドクターを描いたテレビドラマではないでしょうか?
「コードブルー」とは、病院などの医療現場で患者の容態が急変して心肺停止などの緊急事態を知らせる言葉です。(救急救命センターや救急救命室などで用いられる)
病院によっては「スタットコール」としても知られているかもしれません。
このコードブルー、もちろんオーストラリアの医療現場にもあります。
MET(メット)コールとも呼ばれ、しかも、かなり高い頻度で使用されているんです。
私の勤めている公立病院では病室、病棟内はもちろん、検査室、廊下、病院の敷地内なら屋外でもいたるところで発生します。
対象人物は患者さんはもちろんその家族、面会者、医療スタッフで、病院の敷地内で意識不明の状態に陥った人がいたり見つかったりするとコードブルーが発生します。
病院の緊急ダイヤル(ダイヤルナンバーは病院によって異なります)にダイヤルし、
・コードブルー
・場所(病棟名、部屋番号、病室外の場合は目安になる場所「2階の血液検査室前の廊下」など)
・自分の名前
を伝えます。
そうすると、DrやCNS(クリニカルナーススペシャリスト、日本で言えば師長のようなもの)HSA(物を運んだり患者さんを運んだりする専門の助手さん)のポケベルに通知され、その日の当番になっている医療従事者が現場に駆けつけ治療にあたります。
消灯時間前は全館放送が流れます。
日本では主に「意識消失」や「心肺停止」状態でこのコードが呼ばれますが、オーストラリアでは病棟内の入院患者さんに限りもう少し細かい基準があり、「急変」「心肺停止」する前にこのコードを呼ぶことができるのです。
基準は病院のポリシーによっても違ってきますが大体以下の通りです。
脈拍:タキカルディア(心拍数140/分以上)ブラディカルディア(心拍数30/分以下)
血圧:低血圧(上が80mhg以下)
酸素飽和度:84%以下
呼吸数:36/分以上、もしくは4/分以下
意識レベルの低下:意識不明、呼びかけても反応しない、痛みにも反応しない
てんかん発作などの痙攣が発生した時
その他:受け持ち看護師、患者の家族が「何かおかしい、様子が変だ。」と思うけど上記の基準に当てはまらない時や上記の基準をどれか一つでも当てはまる場合に「コードブルー」が発生します。
それじゃあ、毎日コードブルーばかりじゃないか!と感じますよね?
そうなんです、私の勤めている病院はパースでは規模が大きい病院なので、ほぼ毎日のように病院内のどこかで呼ばれてますね。
患者さんの異常をいち早くキャッチし重症化を防ぐのもこのコードの狙いなんです。
ですから、患者さんの容態が安定しない時は一日に2回同じ患者さんにコードブルーが発生されることもあります。
入院患者さんの中には「コードブルー」を適応しない患者さんもいます。
患者さんの基礎疾患や既往歴、治療の経過、予後などを踏まえチームDrが診察して、治療方針の中で「メットコール適応外(Not for MET)」と診断すると上の基準が当てはまってもコードブルーは発生しません。
だいたい終末期の患者さんは「NFR (Not for resuscitation) NFM (Not for MET)」と診断され、コードブルー(メットコール)も心肺蘇生術も適応外」となります。
いかがでしたでしょうか?日本の現場と同じようにオーストラリアでもコードブルーの基準は病院によっても異なることがあります。
いち早く患者さんの急変に気が付き応援が呼べるコードブルーは、病院で働く看護師だけでなく急変した患者さんにとっても強い味方なのです。
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