看護師が栄養サポートチーム専門療法士になるには?取得するメリットを紹介

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「栄養管理に関する資格を取得したい」と考えている看護師にとって、栄養サポートチーム専門療法士は気になる資格の一つです。
ここでは、看護師が栄養サポートチーム専門療法士になるにはどうすればいいのか、メリットや注意点も併せて紹介します。
この記事を最後まで読み終えてもらえれば、栄養サポートチーム専門療法士について理解が深まり、スキルアップに役立てることができるでしょう。
栄養サポートチーム専門療法士の取得を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

※1※2 調査方法:インターネット調査/調査期間:2024年2月7日~2月13日/調査概要:「看護師転職サイト」を対象としたユーザー満足度調査/調査対象:男女、全国、看護師・准看護師資格保有者かつ対象看護師転職サイト利用経験者、20~29歳 107s(※1)、20~34歳 175s(※2)/調査実施:株式会社エクスクリエ/比較対象サービス:「看護師転職サイト」主要10サービス(専用サイトのあるサービスのみ・求人結果の表示ページは除く)

栄養サポートチーム(NST)専門療法士とは

NSTとは低栄養状態の入院患者様に対して、医師や看護師をはじめとしたコメディカルが連携しながら栄養管理を行い、疾患の治癒や合併症の予防を目指す栄養サポートチームです。
栄養サポートチーム(NST)専門療法士は、日本臨床栄養代謝学会(JSPEN)が認定する資格で、静脈栄養・経腸栄養を用いた臨床栄養学について、専門性の高い知識・スキルを有します。
ここでは、栄養サポートチーム専門療法士の役割・仕事内容や認定対象の国家資格などについて、分かりやすく解説するので確認してみましょう。

役割・仕事内容

医療機関によって違いはあるものの、栄養サポートチーム専門療法士は主に下記のような役割・業務を担います。

  • 患者様の必要栄養量を算出し、全身状態を評価したうえで栄養プランを立案する
  • 食形態や嗜好を考慮した捕食を提案する
  • チームメンバーとのカンファレンスを通じて、栄養プランの修正・モニタリングを行う
  • 入院時の栄養スクリーニングを実施し、入院後は再評価する

また、近年では医療が複雑化しているうえ、患者様のニーズも多様化しつつあります。
そのため、各職種が業務を分担しながら、情報共有や連携を意識しながら協働できるようなチーム医療が求められるでしょう。
栄養サポートチーム専門療法士はNSTの一員として、チーム医療の橋渡し役を担うことも少なくありません。

認定対象の国家資格

栄養サポートチーム専門療法士になるには、「管理栄養士、看護師、薬剤師、臨床検査技師、言語聴覚士、理学療法士、作業療法士、歯科衛生士、診療放射線技師」いずれかの資格を保有している必要があります。
元々、NSTは医師と管理栄養士がメインで関わってきましたが、近年では患者様に対してきめ細かなケアや医療サービスを求められるようになりました。
多方面からアプローチしていくためにも、コメディカルによる栄養サポートチームでの関わりが重要とされています。

認定者・合格者の人数

栄養サポートチーム専門療法士の認定試験は、例年1,200~1,400名ほどの医療従事者が受験しています。
令和5年3月時点で認定者は10,000名を超えており、年々増加傾向です。
また、日本栄養治療学会の「NST専門療法士一覧」によると、令和5年度の合格者は751名となっています。

出典
日本栄養治療学会「NST専門療法士一覧」(2025年6月4日参照)
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看護師が栄養サポートチーム専門療法士になるには

看護師が栄養サポートチーム専門療法士を目指す場合、認定までの流れは下記のとおりです。

  1. 日本静脈経腸栄養学会主催のセミナーや学会などに参加し、30単位以上を取得する
  2. 認定教育施設において計40時間の実地修練を受ける
  3. NST専門療法士受験必須セミナーを受講する
  4. 認定試験の受験申請書と必要書類を専門療法士認定制度委員会へ提出する
  5. 認定試験を受験し、合格する
  6. 認定申請書の送付と認定料の納入によって、認定される

ここでは、認定要件や認定試験の内容などについて紹介するのでチェックしてみましょう。

認定要件を満たす

看護師が栄養サポートチーム専門療法士になるには、認定試験に合格しなければなりません。
認定試験を受験するための条件は下記のとおりです。

  • 看護師として2年以上、医療・福祉施設に勤務し、栄養サポートに関する実務経験がある
  • 日本臨床栄養代謝学会学術集会に1回(10単位)以上、栄養サポートチーム専門療法士受験必須セミナーに1回(10単位)以上参加することを必須単位とし、必須単位数30単位以上もしくは必須単位に加えて学会が認める栄養に関する全国学会、地方会、研究会への参加単位数の合計が30単位以上ある
  • 認定教育施設で計40時間の実地修練を修了している

受験必須セミナーは年に数回開催されており、オンラインでの受講が可能です。
12講座(視聴数34コマ)あり、動画視聴と確認テストの合格で「受講済み」として認められます。
また、実地訓練は5~8日間程度の計40時間で、認定教育施設に各自申請する仕組みです。
オンライン受講のように実地を伴わない修練時間は、実地訓練として認定されないので注意してください。

認定試験を受ける

認定試験は毎年1回実施され、試験の内容は下記のとおりです。

試験時間2時間
出題方式マークシート方式
最低合格ライン正答率60%

日本臨床栄養代謝学会の「静脈経腸栄養テキストブック」に基づいて出題され、栄養学や代謝学の基礎知識、静脈栄養と経腸栄養、疾患別の栄養管理の考え方など範囲が広いです。
認定試験の受験料は10,000円で、別途で認定料の20,000円がかかります。
試験前に受験必須セミナーを受講することで、しっかり試験対策することができるでしょう。

合格率・難易度

栄養サポートチーム専門療法士の合格率は70%前後とされていますが、公表されていません。
看護師の国家試験に比べて合格率が低いため、「難易度が高い」と感じる場合もあるでしょう。
必須セミナーのほか、基本問題集や過去問題集、テキストブックなども活用し、入念な試験対策が合格のポイントです。

看護師が栄養サポートチーム専門療法士を取得するメリット

栄養サポートチーム専門療法士は栄養管理について学べるため、看護師が取得するとメリットが多いでしょう。

看護師が栄養サポートチーム専門療法士を取得するメリットは下記のとおりです。

  • 栄養療法の専門性を高められる
  • 将来的に高い需要が見込まれる
  • 活躍できる職場の幅が広がる

具体的にどのようなメリットがあるのか確認してみましょう。

栄養療法の専門性を高められる

患者様の栄養状態の悪化は、回復の遅延や合併症のリスク増加につながります。
看護師が栄養サポートチーム専門療法士を取得し、栄養療法の専門性を高めることで、患者様の褥瘡予防やADLの維持・向上などが目指せるでしょう。
より適切な栄養療法のアプローチについて提案できるため、他職種に自信をもって意見を述べられるようになります。
また、栄養サポートチーム専門療法士の資格取得・維持のためには、学会やセミナーへの参加が欠かせません。
最新の医療知識やスキルを定期的にアップデートできるため、看護師としてのスキルアップや自信にもつながります。

将来的に高い需要が見込まれる

栄養サポートチーム専門療法士は、NSTを積極的に導入している大規模な病院での需要が高まっています。
今後は、介護施設や療養施設、在宅医療など幅広い現場での需要の拡大が見込まれるでしょう。
現状としては病院を中心とした活動にとどまるものの、将来的に活躍の場が広がっていくことが想定されます。

活躍できる職場の幅が広がる

栄養サポートチーム専門療法士が活躍するには、院内で栄養サポートチームが稼働していることが重要です。
したがって、大学病院や公立病院、市立病院などが挙げられます。
現在のところ、活躍できる職場は限定的ですが、今後は介護施設や訪問看護など活躍の場が広がっていく可能性があるでしょう。

看護師が栄養サポートチーム専門療法士を取得する際の注意点

栄養サポートチーム専門療法士の資格は、将来的に需要の拡大が見込まれるだけでなく、看護師のスキルアップやキャリアアップに役立ちます。
しかし、メリットばかりではないため、取得前にどのような注意点があるのか把握しておくことが大切です。
ここでは、看護師が栄養サポートチーム専門療法士を取得する際の注意点を紹介するのでチェックしてみましょう。

職種によって試験問題の難易度が異なる

栄養サポートチーム専門療法士の試験は、職種に関係なく統一した問題が出題されます。
栄養療法に関する問題が多いことから、管理栄養士はほかの職種に比べて有利になりやすく、職種によっては「公平ではない」と感じることもあるでしょう。
ただし、看護師も看護栄養学について学んでいるため、栄養療法に関する理解を深めやすい職種であると言えます。

5年ごとに更新が必要

栄養サポートチーム専門療法士は、5年ごとに更新が必要であり、下記の要件を満たさなければなりません。

  • 認定されてから更新時期まで引き続いて本学会会員であり、かつ会費を完納している
  • 認定期間中に必須20単位を含む合計30単位以上を取得している
  • 認定期間中に2年以上、医療または福祉施設において臨床栄養管理業務に従事している

従事年数が2年に満たない場合、1年につき10単位の取得により代替えすることができます。
しかし、本学会学術集会(10単位)および支部学術集会(各5単位)に限定されるため、要注意です。
なお、休会期間は認定期間に含まれないため、休会中に取得した単位や資格更新の申請は認められません。

栄養指導について学びたい看護師におすすめの資格

栄養指導について学べる資格は、栄養サポートチーム専門療法士だけではありません。

栄養指導について学びたい看護師におすすめの資格は下記のとおりです。

  • 専門病態栄養看護師
  • 日本糖尿病療養指導士
  • 管理栄養士

それぞれの資格の特徴や学べる内容、資格取得の条件について解説するので、資格取得にお役立てください。

専門病態栄養看護師

専門病態栄養看護師とは日本病態栄養学会の認定資格です。
栄養スクリーニング・評価による栄養看護計画の立案と、栄養モニタリングなどの栄養管理能力を有する看護師に対して与えられます。

受験資格は下記のとおりです。

  • 2年以上本学会会員である
  • 日本国の正看護師免許を有する
  • 正看護師免許取得後、医療機関で3年以上の栄養管理の実務経験を有する
  • 以下の条件を満たす
    • 本学会に関連する活動として指定の集会やセミナー、講習会に3つ以上参加している
    • 本学会の主催する教育セミナー(受験者用e-ラーニング)を受講修了している
    • 栄養管理に関する5症例のレポートを提出している

受験料は20,000円で、5年ごとに更新が必要となります。
看護栄養学に関して学ぶことができるため、「看護師としての強みを生かしながら栄養学について知識・スキルを深めたい」という方におすすめです。

出典
日本病態栄養学会「専門病態栄養看護師」(2025年6月4日参照)

日本糖尿病療養指導士

日本糖尿病療養指導士は、糖尿病患者様の自己管理のサポートを目的とした資格で、日本糖尿病療養指導士認定機構によって定められています。

下記の受験資格を全て満たさなければならず、指定条件が複雑なので注意してください。

  • 看護師、管理栄養士、薬剤師、臨床検査技師、理学療法士のいずれかの資格を有している
  • 下記の条件を全て満たしている医療施設に勤務し、過去10年以内に通算2年以上にわたって、糖尿病患者様の療養指導業務に従事し、かつこの間に通算1,000時間以上糖尿病患者様の療養指導を行った
    • 下記のいずれかに該当する医師が、糖尿病療養指導にあたり受験者を指導している
      ■常勤または非常勤の日本糖尿病学会専門医(非常勤の場合、勤務は月1回以上)
      ■日本糖尿病学会の会員で糖尿病の診療と療養指導に従事している常勤の医師
    • 本機構が開催する受験者用講習(eラーニング)の受講を修了している
    • 受験者が2.の「糖尿病療養指導業務に従事した期間」に当該施設で携わった糖尿病療養指導の自験例が10例以上ある

糖尿病患者様のケアやサポートを中心に行っていきたい看護師に向いているでしょう。

出典
日本糖尿病療養指導士認定機構「受験資格について」(2025年6月4日参照)

管理栄養士

管理栄養士は、看護師と同じく国家資格の一つであり、乳幼児から高齢者まで幅広い年齢層の栄養指導や給食管理、栄養管理を行うのが主な役割です。
看護師から管理栄養士を目指す場合、管理栄養士養成施設に4年通学し、栄養士免許を取得してから管理栄養士国家試験を受けます。
夜間学校や通信教育制度がないため、昼間通学しなければなりません。
看護師として働きながら資格を取得するのは難しいものの、看護師から管理栄養士へのキャリアチェンジを検討しているのであれば、ダブルライセンスを目指すのも良いでしょう。

看護師の栄養サポートチーム専門療法士についてよくある質問

ここでは、看護師の栄養サポートチーム専門療法士についてよくある質問を紹介します。

准看護師でも栄養サポートチーム専門療法士は取得できますか?

栄養サポートチーム専門療法士の認定資格は国家資格に限られています。
都道府県知事の発行免許である准看護師の場合、認定資格に該当しません。
栄養サポートチーム専門療法士の取得を視野に入れている准看護師はまず正看護師を取得する必要があるでしょう。

栄養サポートチーム専門療法士の資格更新ができなかったらどうなりますか?

更新の手続きを行わなかった場合、資格喪失となります。
しかし、日本栄養治療学会の「栄養サポートチーム専門療法士認定規程 」によると、下記の条件によって資格の復活が可能です。

  • 日本栄養治療学会の会員歴を継続しており、かつ会費を完納している 
  • 所定の書式にて栄養サポートチーム専門療法士資格復活願を提出する 
  • 資格の復活を希望する年から起算して、過去5年以内に栄養サポートチーム専門療法士資格の更新条件を満たしている

復活後の認定期間は改めて開始するため、次回の更新は5年後となるでしょう。

出典
日本栄養治療学会「栄養サポートチーム専門療法士認定規程 (P3)」(2025年6月4日参照)

まとめ

栄養サポートチーム専門療法士は日本臨床栄養代謝学会の認定資格で、栄養管理のスペシャリストです。
看護師が資格を取得すると、栄養療法の専門性を高められるだけでなく、活躍の場を広げるのに役立ちます。
ただし、5年ごとに更新の必要があり、要件を満たさなければなりません。
「資格の取得・維持のハードルが高い」と感じる方は、専門病態栄養看護師や日本糖尿病療養指導士など、ほかの栄養指導について学べる資格取得を視野に入れてみましょう。

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この記事を書いた人
村山 夕梨恵
看護師ライター
看護学校卒業後、公立病院の循環器内科・脳神経内科の混合病棟に配属。特別養護老人ホームやデイサービス・訪問看護の事業所への転職を経験する。 現在はフリーランスの看護師ライター/Webディレクターに転向。看護師転職/美容医療/審美歯科/介護分野に関するコンテンツ作成に従事。
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