
「栄養管理に関する資格を取得したい」と考えている看護師にとって、栄養サポートチーム専門療法士は気になる資格の一つです。
ここでは、看護師が栄養サポートチーム専門療法士になるにはどうすればいいのか、メリットや注意点も併せて紹介します。
この記事を最後まで読み終えてもらえれば、栄養サポートチーム専門療法士について理解が深まり、スキルアップに役立てることができるでしょう。
栄養サポートチーム専門療法士の取得を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
NSTとは低栄養状態の入院患者様に対して、医師や看護師をはじめとしたコメディカルが連携しながら栄養管理を行い、疾患の治癒や合併症の予防を目指す栄養サポートチームです。
栄養サポートチーム(NST)専門療法士は、日本臨床栄養代謝学会(JSPEN)が認定する資格で、静脈栄養・経腸栄養を用いた臨床栄養学について、専門性の高い知識・スキルを有します。
ここでは、栄養サポートチーム専門療法士の役割・仕事内容や認定対象の国家資格などについて、分かりやすく解説するので確認してみましょう。
医療機関によって違いはあるものの、栄養サポートチーム専門療法士は主に下記のような役割・業務を担います。
また、近年では医療が複雑化しているうえ、患者様のニーズも多様化しつつあります。
そのため、各職種が業務を分担しながら、情報共有や連携を意識しながら協働できるようなチーム医療が求められるでしょう。
栄養サポートチーム専門療法士はNSTの一員として、チーム医療の橋渡し役を担うことも少なくありません。
栄養サポートチーム専門療法士になるには、「管理栄養士、看護師、薬剤師、臨床検査技師、言語聴覚士、理学療法士、作業療法士、歯科衛生士、診療放射線技師」いずれかの資格を保有している必要があります。
元々、NSTは医師と管理栄養士がメインで関わってきましたが、近年では患者様に対してきめ細かなケアや医療サービスを求められるようになりました。
多方面からアプローチしていくためにも、コメディカルによる栄養サポートチームでの関わりが重要とされています。
栄養サポートチーム専門療法士の認定試験は、例年1,200~1,400名ほどの医療従事者が受験しています。
令和5年3月時点で認定者は10,000名を超えており、年々増加傾向です。
また、日本栄養治療学会の「NST専門療法士一覧」によると、令和5年度の合格者は751名となっています。
看護師が栄養サポートチーム専門療法士を目指す場合、認定までの流れは下記のとおりです。
ここでは、認定要件や認定試験の内容などについて紹介するのでチェックしてみましょう。
看護師が栄養サポートチーム専門療法士になるには、認定試験に合格しなければなりません。
認定試験を受験するための条件は下記のとおりです。
受験必須セミナーは年に数回開催されており、オンラインでの受講が可能です。
12講座(視聴数34コマ)あり、動画視聴と確認テストの合格で「受講済み」として認められます。
また、実地訓練は5~8日間程度の計40時間で、認定教育施設に各自申請する仕組みです。
オンライン受講のように実地を伴わない修練時間は、実地訓練として認定されないので注意してください。
認定試験は毎年1回実施され、試験の内容は下記のとおりです。
| 試験時間 | 2時間 |
| 出題方式 | マークシート方式 |
| 最低合格ライン | 正答率60% |
日本臨床栄養代謝学会の「静脈経腸栄養テキストブック」に基づいて出題され、栄養学や代謝学の基礎知識、静脈栄養と経腸栄養、疾患別の栄養管理の考え方など範囲が広いです。
認定試験の受験料は10,000円で、別途で認定料の20,000円がかかります。
試験前に受験必須セミナーを受講することで、しっかり試験対策することができるでしょう。
栄養サポートチーム専門療法士の合格率は70%前後とされていますが、公表されていません。
看護師の国家試験に比べて合格率が低いため、「難易度が高い」と感じる場合もあるでしょう。
必須セミナーのほか、基本問題集や過去問題集、テキストブックなども活用し、入念な試験対策が合格のポイントです。
栄養サポートチーム専門療法士は栄養管理について学べるため、看護師が取得するとメリットが多いでしょう。
看護師が栄養サポートチーム専門療法士を取得するメリットは下記のとおりです。
具体的にどのようなメリットがあるのか確認してみましょう。
患者様の栄養状態の悪化は、回復の遅延や合併症のリスク増加につながります。
看護師が栄養サポートチーム専門療法士を取得し、栄養療法の専門性を高めることで、患者様の褥瘡予防やADLの維持・向上などが目指せるでしょう。
より適切な栄養療法のアプローチについて提案できるため、他職種に自信をもって意見を述べられるようになります。
また、栄養サポートチーム専門療法士の資格取得・維持のためには、学会やセミナーへの参加が欠かせません。
最新の医療知識やスキルを定期的にアップデートできるため、看護師としてのスキルアップや自信にもつながります。
栄養サポートチーム専門療法士は、NSTを積極的に導入している大規模な病院での需要が高まっています。
今後は、介護施設や療養施設、在宅医療など幅広い現場での需要の拡大が見込まれるでしょう。
現状としては病院を中心とした活動にとどまるものの、将来的に活躍の場が広がっていくことが想定されます。
栄養サポートチーム専門療法士が活躍するには、院内で栄養サポートチームが稼働していることが重要です。
したがって、大学病院や公立病院、市立病院などが挙げられます。
現在のところ、活躍できる職場は限定的ですが、今後は介護施設や訪問看護など活躍の場が広がっていく可能性があるでしょう。
栄養サポートチーム専門療法士の資格は、将来的に需要の拡大が見込まれるだけでなく、看護師のスキルアップやキャリアアップに役立ちます。
しかし、メリットばかりではないため、取得前にどのような注意点があるのか把握しておくことが大切です。
ここでは、看護師が栄養サポートチーム専門療法士を取得する際の注意点を紹介するのでチェックしてみましょう。
栄養サポートチーム専門療法士の試験は、職種に関係なく統一した問題が出題されます。
栄養療法に関する問題が多いことから、管理栄養士はほかの職種に比べて有利になりやすく、職種によっては「公平ではない」と感じることもあるでしょう。
ただし、看護師も看護栄養学について学んでいるため、栄養療法に関する理解を深めやすい職種であると言えます。
栄養サポートチーム専門療法士は、5年ごとに更新が必要であり、下記の要件を満たさなければなりません。
従事年数が2年に満たない場合、1年につき10単位の取得により代替えすることができます。
しかし、本学会学術集会(10単位)および支部学術集会(各5単位)に限定されるため、要注意です。
なお、休会期間は認定期間に含まれないため、休会中に取得した単位や資格更新の申請は認められません。
栄養指導について学べる資格は、栄養サポートチーム専門療法士だけではありません。
栄養指導について学びたい看護師におすすめの資格は下記のとおりです。
それぞれの資格の特徴や学べる内容、資格取得の条件について解説するので、資格取得にお役立てください。
専門病態栄養看護師とは日本病態栄養学会の認定資格です。
栄養スクリーニング・評価による栄養看護計画の立案と、栄養モニタリングなどの栄養管理能力を有する看護師に対して与えられます。
受験資格は下記のとおりです。
受験料は20,000円で、5年ごとに更新が必要となります。
看護栄養学に関して学ぶことができるため、「看護師としての強みを生かしながら栄養学について知識・スキルを深めたい」という方におすすめです。
日本糖尿病療養指導士は、糖尿病患者様の自己管理のサポートを目的とした資格で、日本糖尿病療養指導士認定機構によって定められています。
下記の受験資格を全て満たさなければならず、指定条件が複雑なので注意してください。
糖尿病患者様のケアやサポートを中心に行っていきたい看護師に向いているでしょう。
管理栄養士は、看護師と同じく国家資格の一つであり、乳幼児から高齢者まで幅広い年齢層の栄養指導や給食管理、栄養管理を行うのが主な役割です。
看護師から管理栄養士を目指す場合、管理栄養士養成施設に4年通学し、栄養士免許を取得してから管理栄養士国家試験を受けます。
夜間学校や通信教育制度がないため、昼間通学しなければなりません。
看護師として働きながら資格を取得するのは難しいものの、看護師から管理栄養士へのキャリアチェンジを検討しているのであれば、ダブルライセンスを目指すのも良いでしょう。
ここでは、看護師の栄養サポートチーム専門療法士についてよくある質問を紹介します。
栄養サポートチーム専門療法士の認定資格は国家資格に限られています。
都道府県知事の発行免許である准看護師の場合、認定資格に該当しません。
栄養サポートチーム専門療法士の取得を視野に入れている准看護師はまず正看護師を取得する必要があるでしょう。
更新の手続きを行わなかった場合、資格喪失となります。
しかし、日本栄養治療学会の「栄養サポートチーム専門療法士認定規程 」によると、下記の条件によって資格の復活が可能です。
復活後の認定期間は改めて開始するため、次回の更新は5年後となるでしょう。
栄養サポートチーム専門療法士は日本臨床栄養代謝学会の認定資格で、栄養管理のスペシャリストです。
看護師が資格を取得すると、栄養療法の専門性を高められるだけでなく、活躍の場を広げるのに役立ちます。
ただし、5年ごとに更新の必要があり、要件を満たさなければなりません。
「資格の取得・維持のハードルが高い」と感じる方は、専門病態栄養看護師や日本糖尿病療養指導士など、ほかの栄養指導について学べる資格取得を視野に入れてみましょう。
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