オーストラリア、病棟仰天あるあるエピソード!第3弾 入院患者さんと医療システム

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西オーストラリア・パース在住11年、パース市内の公立病院一般内科勤務歴10年目のKayが、『日本の病棟ではありえない!仰天エピソード』をお届けするシリーズ第3弾です。
今回は入院患者さんと医療システムについてご紹介します。


患者さんの肥満度がはんぱない!

 
パースの街中を歩いていても、体格の大きい人をよく見かけます。

そんな町で暮らしているので、肥満判定曲線で照らし合わせるとかなり「肥満」の私でも街中を歩けば「そんなに太ってないのかも?」と錯覚してしまうほど。

それもそのはず、世界の肥満度ランキング第5位のオーストラリア。オーストラリア人の4分の1近くの人が肥満と言われています。

もちろん、私の働く一般内科病棟にも体の大きい患者さんが沢山入院してきます。

この大きさがはんぱないんです!
もう、お相撲さんレベル、もしくはそれ以上の大きさなんです。

体重が120kg以上の患者さんはバリアトリック(Bariatric)患者と呼ばれ、普通のベッドでは制限体重に収まらないため、バリアトリックベッドと呼ばれる専用のベッド、椅子、体重計、トイレ補助器(普通の便器に座ると便座が割れて怪我をするため)ホスピタルガウンが必要に応じて用意されます。

これらのバリアトリック専用の物品は大体350kgまで対応できるようになっています。
物品が大きくて場所を取るため、バリアトリック患者さんには2ベット分のスペースを確保しなければなりません。

患者さんの状態にもよりますが、大体バリアトリック患者さん1人は普通の患者さんの受け持ち2人分と計算されます。

ちなみに、私が今まで受け持った中で一番重かった患者さんは280kgでした。
体重が200kgを超える患者さんでも歩行器を使えば歩ける人もいますが、歩けない患者さん、ベッド上安静が必要な患者さんは大変です。
排泄介助、清潔介助、体位交換などは私一人ではできないので、応援を呼んで対応します。

280kgの患者さんは6人がかりで体位交換してました。
病状が落ち着いて療養中に落ちた筋力や体力を回復するために行くリハビリ病院先でも、『体重が110kg以上は引き取らない』などの規定があったりします。政府には肥満患者さんを対象としたリハビリ病院を作る話もあるとか。

残念ながらまだ実現はされていませんが、このまま肥満人口が増えれば近い将来本当にできるかもしれません。


入院費が無料ってどういうこと?


パースの病院で働き始めて、初めて受け持ちの患者さんが自宅に退院することになった時のこと。

Drの診察後、患者さんに「退院サマリー(入院中の経過、治療、退院処方などが書いてある)」「退院処方」を渡し、その患者さんは迎えに来た家族と一緒に退院しました。
患者さんが病棟を後にしたその後にハッとしたんです!
「請求書」渡してない!!って。
慌てて、シフトコーディネーター(リーダー業務)のナースに聞いたら、衝撃な事実が!
公立病院は入院費は無料なんです。
オーストラリア国籍を持つ人、永住権を持つ人にはオーストラリア政府から「メディケアカード」と言うカードが支給されます。

これを持っていると、開業医(GP)での診察が一部負担になったり、公立病院の入院費が無料になったりします。
これを知らないで、危うく患者さんを追いかけそうになってしまいました。

この入院費には診察料、検査費用、薬や処置費、手術費、ベッドや食費が含まれるだけでなく、病衣、ノンスリップソックス(転倒予防の滑り止めのついた靴下)、タオル、オムツ、歯ブラシや櫛といったアメニティーなどが含まれ、はたまた退院時に自分で帰れない(迎えに来る人がいない、車がないなど)人には送迎車だって無料で提供されるんです。

どんだけ、至れり尽くせりなの?!
もちろん、メディケアカードのない人は高額な医療費の請求が来ますので、海外旅行や留学される人はきちんと海外傷害保険に入って出かけることをお勧めします。


病院でお酒も飲めるって本当?


私がこっちの病棟で働き始めて初めてのクリスマス。
クリスマスディナーで患者さん用に缶ビールもしくはシャンペンのミニボトルが支給されたのにはすごく驚きました。

病棟のナースステーションに缶ビール1カートンとシャンペンのミニボトルが1ダースが配布され、患者さんの容態を見て受け持ちナースがあげてもいいことになっていました。

でも、ほとんどはその日の勤務のナースが自宅に持って帰っていましたが。
ここ数年は政府の医療費削減でクリスマスにお酒が振る舞われることはなくなりました。

それでも、ごくたまに病棟でお酒が飲めるケースもあるんです。
社会的入院の患者さんや家族の希望で医師が飲酒を許可する場合、メッドチャート(病棟処方のチャート)のPRN(頓服処方)の欄に「ビール350ml・1日2本まで」「ウィスキー50ml・1日1回まで」と書かれ、それに従ってお酒を出す場合があります。
公立の病院ではその場合のお酒は家族が病棟に持ち込み、ナースステーションにある鍵のかかる保管棚でナースが管理します。

プライベート(私立)の病院では医師の許可があれば病院が支給するみたいです。
ちなみに、プライベートの病院ではそのお酒の代金も食費に含まれていて、このお酒、この銘柄とのこだわりがある人は、病院に家族が持ち込んで管理してもらうみたいです。


いかがでしたでしょうか?
医療システムも国が変わると全く異なるので、慣れるまでにとっても苦労しました。
今までの日本での常識が気持ちいいくらいに覆される毎日、本当に面白いです。

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